コニカミノルタ

コニカミノルタについて

ソーシャルイノベーション

超高齢社会が直面する介護の課題にソリューションを‐HitomeQ ケアサポート

関連するSDGs

介護業務のワークフローを変革し慢性的な“人材不足”の解消に貢献

近年、日本の社会では要介護者の増加にともなって介護人材の不足が社会問題となっています。こうしたなか、コニカミノルタは介護ワークフローを変革する「HitomeQ ケアサポート」を開発・販売しています。
このサービスは、天井に設置した近赤外線カメラと動きを感知するセンサーを通じて入居者の行動を認識し、介護スタッフが持つスマートフォンに通知するというものです。介護スタッフは状況を把握してから対応方法を判断できるほか、スタッフ間での情報共有もリアルタイムにできるなど、大幅な業務の効率化を実現します。事実、同サービスを導入した施設では、平均で約30%の介護スタッフの業務効率化を実現しています。これによって生まれた“ゆとり”は、入居者のリハビリ介助などの自立支援や介護スタッフの教育・研修などに使え、より質の高いケアが提供できるようになり、入居者やご家族をはじめ、介護スタッフ、介護施設経営者の満足度向上に貢献しています。
さらに2019年より、従来のシステム・ソリューション販売から進化し、課題を特定する業務診断サービスや導入研修、画像を活用した現場変革を担うケアサポートシステム、人材育成やルール構築コンサルティングのケアディレクターサービスを組み合わせたトータルサービスとして提供しています。

ケアサポートソリューションの主な機能

新サービスブランド「HitomeQ」の立ち上げ

IT機器だけではなく、それを活用する仕組みまで提供するこのサービスは、従来の「ケアサポートソリューション」という名前では、なかなかイメージを伝えられないことがありました。そこでQOL事業の哲学をお客様、パートナー様にきちんと伝え、そして自ら「私たちのすべきことは何か」を日々見つめながら活動するために、2019年10月に新サービスブランドを立ち上げました。
このサービスは人に対しての価値(コト)を提供しているため、「心技体」をブランドコンセプトの土台に据えています。そして、「すべてのひとたちが、きらめき・ときめく世界を、みなさまと共にひらめく。」という思いを込めブランド名を “HitomeQ(ひとめく)”としました。「Q」の表記で「QOL」も表現しています。

介護現場でのさらなるIT活用に向けて

多様な企業とのパートナーシップで日本の介護の未来を切り開く

「ケアディレクター」を介護施設で育成しワークフロー変革を実現

IoTで介護の現場を変革するためには、ITを使いこなす必要があり、ここに課題の要因があることがHitomeQ ケアサポートの導入過程でわかってきました。そこで当社は、介護施設の人材を、現場でITを使いこなす「ケアディレクター」として育成し、さらに組織変革のコンサルティングを行う“ケアディレクターサービス”を提供しています。
ケアディレクターサービスでは、システムに蓄積されたデータを活用し、業務ルールの抜本的見直しなどを、現場のスタッフとともに構築していきます。例えば、データを分析した結果、夜間巡回が実は入居者の安眠の妨げになっていることがわかりました。そこで、夜間巡回廃止の実証実験を行ったところ、入居者の起床回数も減り、良眠が得られるという結果になりました。起床回数が減ることで、転倒のリスクを下げること にもつながります。介護スタッフも夜間訪室回数が減少し、業務負荷を低減することができます。
このようにデータを活用することで、将来的には入居者一人ひとりが必要とするケアを予測できるようになり、介護スタッフの動き方が変わり、介護の質がより高くなっていくはずです。

夜間巡回廃止の実証実験による効果指数

哲学・戦略を共有する仲間を集めて介護業界でのIT活用を提言

厚生労働省が「2025年には、介護スタッフが約34万人不足する」と推計しているように、介護人材の不足はまったなしの社会課題です。このままだと需給のバランスが取れず、十分な介護が受けられない社会になりかねません。
こうした問題意識から、当社は介護事業者や介護に特化したITサービス企業などとともに、「ケア・フィロソフィー・パートナーズ・カン ファレンス」(CPPC)というソーシャル企業連携を開始しました。現在までに約100社が参加しています。 そのなかでもウェルモ※1、ビーブリッド※2、善光会※3の3者とはより強固な連携関係を築いています。各者に共通するのは、“高齢者の自立と介護者の働きがいという両者のQOLを高める「共生の世界」の実現”という同じ哲学・戦略を持っているということです。それぞれ高い専門性がありますが、個者でのアプローチではなく各者の強みを活かして、同じ哲学・戦略のもとで介護業界が持つ課題解決に取り組んでいます。
また当社では、大学や事業者と連携しながら、介護現場の生産性向上のための実証実験を重ねています。その結果をもとに、今後、「未来投資会議※4」に対して 、IT活用による介護施設の人員配置基準の改善を提言していく考えです。

※1
株式会社ウェルモ:専門職向けに地域ケア情報のプラットフォームを提供。医療や介護の知識が求められるケアプランの作成を支援する人工知能システムも開発
※2
株式会社ビーブリッド:介護・福祉・医療業界を専門にITヘルプデスク・サポート事業、ITコンサルティング事業、介護業界向け製品開発支援事業を展開している
※3
社会福祉法人善光会:特別養護老人ホームや認知症対応型グループホームなどを運営。オペレーションの見える化や科学的介護の実践を目指し、各種テクノロジーを積極的に導入している
※4
未来投資会議:内閣総理大臣を議長とし、将来の経済成長分野への投資拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図ることを目的に開催される会議

“つながる介護”をコンセプトに在宅介護/看護の領域までカバー

高齢者の行動記録のデータは、介護施設だけではなく、在宅介護や介護予防にも活用できると思っています。例えば、在宅介護であれば高齢者だけではなく、ご家族の行動パターンのデータも集めて解析することで、現在の日常生活をなるべく変えずに無理のないケアプランを立てることもできると考えています。
HitomeQ ケアサポートは寝室のデータ取得が主ですが、今後 はCPPCの加盟企業が持つデータを共有、相互連携、分析することで新たな価値を提供していく計画です。私はそれを“つながる介護”といっていますが、さまざまなステークホルダーが連携し、在宅でも施設と同じケアを受けられる仕掛けをつくりたいと思っています。
このような科学的介護の時代に備え、介護学校でHitomeQ ケアサポートを使った教育プログラムを展開しています。これから介護の世界を目指す人材にITに触れてもらう機会をつくることで、“ITを使いこなせる介護人材”の育成を図っています。

「ソーシャル企業連携」による社会課題解決

ITを活用して「介護のスタンダード」をともにつくっていきたい

介護施設のIT化はまだこれからです。介護記録は紙に手書きすることが主流ですが、そうした記録作業に忙殺されることが負担となり、場合によってはそれが要因で離職につながることもあります。また、介護の現場ではIT化の必要性を感じていなかったり、パソコンに不慣れな人も多いのが実情です。一方、ITシステム提供者はというと、介護業界や現場のニーズを知らないが故に使う側のITスキルにマッチする製品を提供できていません。その結果、せっかく導入したITが使われずに放置されているケースが多くあります。つまり、ITを導入するだけでは不十分なのです。ITは適切に使われてこそ業務効率化につながり、そのためには使う方へのサポートまで入り込まなければ実現できません。
そこで私たちビーブリッドは、システムを提供する企業には介護の現場で役立つ製品づくりのアドバイスをし、一方の介護スタッフには、その製品を活用できるようにアドバイスやサポートをしています。コニカミノルタがHitomeQ ケアサポートの普及を通じて、介護現場のIT化の成功事例を全国に広げることで、“介護業務のスタンダード”になっていってほしいと思っています。介護現場が抱える課題は、この国の将来、私たち一人ひとりの将来に関わってくる問題です。もはや企業一社一社ではなく、多くの企業が連携して取り組むべきことだと思っています。コニカミノルタのソーシャル企業連携を契機に、ITを活かして介護の未来を変えていきたいと考えています。

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