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大塚ブレストケアクリニック院長 乳腺外科 大塚 恒博 先生
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クローズアップ

1.乳がんで命を失う女性をなくしたい。それが、私たちの使命です

大塚ブレストケアクリニック院長 乳腺外科

大塚 恒博 先生

日本乳癌学会 認定医/ 日本外科学会 専門医
マンモグラフィ読影 認定医
日本乳癌検診学会 評議員
東京都足立区乳癌検診精度管理委員長

大塚ブレストケアクリニック

2011年2月、コニカミノルタグループ社員を対象に開催したセミナーでご講演いただいた内容の一部を、許可を得て掲載しています。

日本では、乳がんにかかる人も亡くなる人も急増中

今、日本では乳がんにかかる女性がどんどん増加しています。2002年には30人に一人だったのが、2010年は16人に一人*1の人がかかるという状況です。アメリカでは8人に一人と言われていますので、日本も他の先進国並みにどんどん増えているのです。 さらに問題なのは、乳がんが原因で亡くなる人が増えているということです。欧米諸国は検診の受診率が上がっていますから、乳がんで命を失う人はどんどん減っています。しかし、先進国の中でも日本だけは毎年4%ずつ増加しているのです。この状況をなんとかしなくてはならないというのが、私たちの使命だと感じています。

*1 2016年時点、11人に1人

乳房に異変が! その時、何科を受診しますか?

乳がんといえば乳房にしこり、と思いがちですが、実はしこりがあれば必ず乳がんというわけではないのです。半数は乳腺症というホルモンバランスの不均衡で起こる病気です。それから若い女性に多い病気では乳腺繊維腺腫があります。逆に、しこりではなく、乳房のひきつれや皮膚のただれといった症状が出る乳がんもあります。また、痛みを伴うもののほとんどは乳腺症か授乳期の乳腺炎などで、乳がんの90%は痛みがないため、定期的な自己検診などでチェックしておかないと気付かないことも多いのです。
乳房の疾患のうち、ほとんどが良性です。画像診断などで良性であることを確認すれば、心配することはありません。ただし、診断には乳腺に関する専門知識が必要不可欠ですので、まずは異常を感じたら専門医のいる病院を受診しましょう。

皆さんは乳房に異常を発見したら、何科を受診しますか? 女性に多い病気なので、婦人科だと思う方も多いでしょう。婦人科でも検診などは行っているところがありますが、詳しい診断や治療を行うのは専門知識を持った専門医です。大手病院などの乳腺科や乳腺外科、一般病院の乳腺外来、それから乳腺専門のクリニックなどに行かれることをお勧めします。

マンモグラフィーと超音波、どちらが優れている?

乳がんを早期で発見するためには、定期的に乳がん検診を受けることが必要です。
今、乳がん検診で一番精度が整っているのは、乳房のレントゲン検査であるマンモグラフィーです。早期乳がんの兆候である微細な石灰化のような病変は、マンモグラフィーでしか発見できません。これは非浸潤がんといって、乳がんが乳腺の中にとどまっている、つまりしこりが触れる前の段階です。この時点で見つかれば、生存率はほぼ100%と言われています。
もうひとつの方法が超音波による検診です。手で触れてもわからない小さなしこりを黒く写し出します。

マンモグラフィーと超音波には、お互いに利点、欠点があります。
マンモグラフィーは全体像を把握するのに非常によく、細かい石灰化を見つけることもできます。また、精度管理、すなわちどこに行っても同じ条件で受けられる体制が整っています。欠点は、いわゆる授乳の経験がない方や若い方など、乳腺の濃度が高い場合は、雲の中に月が隠れているような状態になってしまい、しこりが見えにくいことです。年齢と授乳により乳腺が衰えて脂肪が増えてくると、しこりを見分けやすくなります。マンモグラフィーによる検査が40代以上の人に向くというのは、そういう理由です。
その逆が超音波です。利点は乳腺の濃度が高い場合でも、しこりをよく写せることです。ただ、部分的にしか撮ることができないので、見落とす可能性もゼロではなく、細かい石灰化は見付けられません。また、現時点ではまだ精度管理されていないため、診断が検査を行う人の経験や技量に左右されがちです。

乳がんの早期発見のために

マンモグラフィーと超音波、両方の利点を生かすためには、特徴に応じて使い分けるのが理想的だと考えています。50代以上なら2年に1回のマンモグラフィー、40代ではまだ乳腺も多いので、マンモグラフィーと超音波を隔年で、30代は出産していない人も多く乳腺が発達しているため、超音波による検診が向いています。ただし、50歳以上でも出産・授乳歴のない人は超音波の併用が必要なこともあります。また、30代でもベースラインとして、マンモグラフィーで全体像を把握しておくことも大事だと思います。

医療機関での検診に加えて、乳房の自己検診を行うことも大切です。乳房は体の表面に見える臓器なので、かなり小さなしこりでも発見することができるからです。若いころから、ぜひ、月に1度のセルフチェックを行うようにしてください。

乳がんは早期で見つかれば助かる病気です。乳がんで命を失わないために、より多くの女性に乳がん検診を受けてほしいと願っています。

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