パルスオキシメータ知恵袋 番外編

家庭での安心利用ガイド

いざっの為には普段が大事!

いざっという時、パルスオキシメータで測定をしてみて、「これは普通の状況ではないぞ!」という判断をするには、普段の値がどうなのかを予め知っておかないと医療者も判断できません。

酸素飽和度は体温や脈拍数と同様に、常に一定ではなく、体調、体位(起きている、座っている、立っている、上向きに寝ている、下向きに寝ている、歩いている、走っている、階段を上っている、靴を結ぼうと前かがみになっている、おしゃべりをしている、息をこらえて力を入れているなど)などで、値が変化します。行動によっては、その影響が少し遅れて酸素飽和度の変化になることもあります。

また、一般的には、運動、高度の変化、呼吸器系の問題、肥満、アルコ―ル摂取などで酸素飽和度は下がります。

これらの活動や状況が酸素飽和度を下げる可能性がありますが、健康な人であれば、身体がこれらの変化に合わせて、酸素飽和度を適切な範囲に保つための仕組みを持っています。しかし、持病を持つ方や高齢の方は、その調節力が衰えます。
体調が悪くなって酸素飽和度が下がる場合、その下がる程度は、その人その人で異なります。

いろいろな活動状況での普段の値を知っておくことが重要

適度な運動は健康に良く、体内の酸素循環を改善することができます。
持病を持つ方や高齢の方は、その調節力が衰えます。
  1. 運動:激しい運動は酸素消費量を増加させ、短時間の間、酸素飽和度を下げる可能性があります。しかし、適度な運動は健康に良く、体内の酸素循環を改善することができます。
  2. 高度の変化:山登りや飛行機の利用などで高度が変わると、大気中の酸素濃度が低下し、酸素飽和度が下がります。この状態がひどい場合、高山病となることがあります。
  3. 呼吸器系の問題:喫煙、肺疾患(肺炎、気管支炎、COPD、喘息等)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが酸素飽和度を下げる可能性があります。これらの疾患には医療専門家の助けが必要です。
  4. 肥満:重度の肥満は呼吸運動を妨げ、酸素飽和度を下げる可能性があります。
  5. アルコールや薬物:アルコールや一部の薬物は中枢神経を抑制し、呼吸を抑える可能性があります。

普段からSpO2値と脈拍数がいくらかを記録に残して把握しておくことが重要です。
記録する際にはいつ、どのような状態で測定したかも併せて記録しておくことも大切です。

様々な状態や体調の時に、SpO2、脈拍数、脈動を記録し、その方の普段の状況(健康な時だけでなく、体調が少し悪くなったと感じた時なども含めて)を記録しておくことが重要です。

パルスオキシメータ測定日誌などを活用し、普段の値を、客観的に説明できるようにしておくことが、いざっという時にパルスオキシメータが役立つ効果的な使い方です。

パルスオキシメータ測定日誌