色色雑学

PartII 色の正体色色雑学
光源が変わると、色の見え方はどのように変化するのでしょうか。
「物体の色は照明する光源によって違って見える」ということは、Part I-2でも見てきました。色彩計(刺激値直読方法/分光測色方法ともに)には測定用照明光源が内蔵されていますが、物体の色を測定するためには、各種の光源の代表的な特性を規定しておく必要があり、これらはCIE(国際照明委員会)やJISなどで定められています。図22は、代表的な光源の分光分布です。分光測色計には図22の照明光源データが内蔵されており、それぞれ目的に応じた照明光源によって、色彩値の測定ができます。同時に、ある製品が「さまざまな照明光源下においてどのように見えるか」といったシミュレーションを行うこともできます。刺激値直読方法の色彩計は一般的に、標準の光D65/測色用補助イルミナントCのどちらか1種類で測定します。

図22-(1)標準の光
(1)標準の光D65・・・紫外域を含む昼光で照らされている、物体色の測定用光源です。CIE、ISOの基準光です。色温度は6504kです。
(2)測色用補助イルミナントC・・・昼光で照らされている、物体色の測定用光源です。色温度は6774kです。
(3)標準の光A・・・白熱電球で照らされている物体色の測定用光源です。色温度は2856kです。

図22-(2)代表的な蛍光ランプ(国内)
(4)F6・・・白色 (5)F8・・・演色AAA昼白色 (6)F10・・・3波長形昼白色

図22-(3)代表的な蛍光ランプ(国内/海外)
(7)F2・・・白色 (8)F7・・・演色A昼光色 (9)F11・・・3波長形白色




図22 代表的な光源の分光分布 (1)標準の光
(2)代表的な蛍光ランプ(国内)
(3)代表的な蛍光ランプ(国内/海外)


例えば、分光測色計の標準の光D65で試料(りんご)を測定した場合(例1)と標準の光Aで試料(りんご)を測定した場合(例2)の比較を見てみましょう。
(例1)で、(A)は標準の光D65の分光分布グラフです。(B)は試料(りんご)の分光反射率グラフです。(C)は試料(りんご)から反射される光の分光分布で、(A)×(B)(C)となります。(例2)の(A)’は標準の光Aの分光分布グラフです。(B)は(例1)と同じ、試料(りんご)の分光反射率グラフです。(C)’は試料(りんご)から反射される光の分光分布で、(A)’×(B)(C)’となります。前ページ図21の(A)(C)、((C)’)にあたるわけです。(C)(C)’を比べてみると、(C)’の方が赤成分の光が強くなっていますね。「赤みの強いりんご」と言うふうに見えるはずです。このように、物体の色は、照明光源の違いによっていろいろと変化して見えるのです。分光測色計は、実際には(B)試料の分光反射率を測定し、本体にメモリーされている各種光源の分光分布データと人間の目に対応する分光感度データから、各種光源下での色彩値を演算して表示します。

光源の分光分布×試料の分光反射率×人間の目に対応する分光感度=三刺激値(XYZ)→各種表色系の色彩値

(例1)
(A)標準の光D65の分光分布×(B)試料(りんご)の分光反射率=(C)試料(りんご)から反射される光の分光分布(A)×(B)
(例2)
(A)’標準の光Aの分光分布×(B)試料(りんご)の分光反射率=(C)’試料(りんご)から反射される光の分光分布(A)’×(B)
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