DYNAVISION-LED
コラム

LEDディスプレイとは?
基本構造と自発光の仕組みを
初心者向けに徹底解説

プラネタリアYOKOHAMA

近年、映像表示技術は目覚ましい進化を遂げています。特にいま、私たちの目に触れる機会が増えているのが「LEDディスプレイ」です。駅の大型ビジョン、コンサート会場の鮮やかな演出、商業施設の目を引くサイネージなど、その活躍の場は多岐にわたります。
従来の液晶ディスプレイとは一線を画す、LEDディスプレイ独自の特性と、それがもたらす圧倒的な映像体験は、なぜこれほどまでに注目を集めているのでしょうか? 本記事では、LEDディスプレイの基本構造から発光の仕組み、そして従来の液晶ディスプレイとの根本的な違いについて初心者にもわかりやすく解説します。

LEDディスプレイの
基本構造と発光の仕組み

LEDディスプレイは、「Light Emitting Diode(発光ダイオード)」を使用した表示装置です。最大の特徴は、一つ一つの画素(ピクセル)が独立して発光する仕組みを持っていることです。 従来の液晶ディスプレイのようにバックライトを必要とせず、画素自体が光を発するため、「自発光型ディスプレイ」と呼ばれています。

LEDディスプレイの基本構成要素

LEDディスプレイの基本構造は非常にシンプルで、主に以下の要素で構成されています:

  1. LEDチップ(発光素子):実際に光を発する部分
  2. 駆動回路:LEDに電流を供給し、明るさを制御する
  3. 制御システム:映像信号を処理し、各LEDの発光をコントロール

これらの要素が組み合わさることで、高精細な映像表現が可能になります。

発光の仕組み

LEDディスプレイでは、赤・緑・青(RGB)の3色のLEDチップが組み合わさって1つの画素を形成します。電流を流すことで各色のLEDが発光し、その組み合わせによって様々な色を表現します。この仕組みにより、必要な部分だけを光らせることができ、不要な部分は完全に消灯させることができます。

なぜ
「自発光ディスプレイ」と
呼ばれるのか?

プラネタリウム満天NAGOYA

LEDディスプレイが「自発光ディスプレイ」と呼ばれる理由は、その名の通り、画素自体が光を発するからです。これは液晶ディスプレイと大きく異なる点です。

液晶ディスプレイとの発光方式の違い

液晶ディスプレイの場合:

  • パネルの背後にあるバックライトという外部光源が常に点灯
  • 液晶分子がシャッターのように働いて光の透過量を調節
  • 光を「通す・通さない」で映像を表示

LEDディスプレイの場合:

  • 各画素が必要に応じて自ら光を発する
  • 外部からの光源は一切不要
  • 光を「出す・出さない」で映像を表示

自発光による主なメリット

この「自発光」という特性により、以下のようなメリットがあります:

  • 深い黒の表現:光を出す必要がない部分は完全に消灯できるため、真の黒を表現できる
  • 高いコントラスト比:明るい部分と暗い部分の差がはっきりと表現できる
  • 省電力性:表示内容によっては、光らせる必要のない部分の電力消費をゼロにできる

液晶ディスプレイとの
構造的な違いとは

LEDディスプレイと液晶ディスプレイの最も根本的な違いは、「光を出す仕組み」にあります。

液晶ディスプレイとの構造的な違いとは
特徴 LEDディスプレイ 液晶ディスプレイ
発光方式 自発光型 バックライト方式
構造 LEDチップ+駆動回路 バックライト+液晶パネル+カラーフィルター
厚さ 薄い(構造がシンプル) やや厚い(複数の層が必要)
重量 軽量 やや重い

構造の複雑さの違い

液晶ディスプレイ:

  • バックライトから発せられた光が液晶層を通過
  • カラーフィルターを経て色がつく
  • 複雑な仕組みで多くの部品が必要

LEDディスプレイ:

  • RGB(赤・緑・青)のLEDが直接色を発する
  • 構造がシンプルで薄型・軽量化が可能
  • 部品点数が少なく信頼性が高い
  • 湾曲させることが可能

形状の自由度

このシンプルな構造により、LEDディスプレイは曲面や球体などの様々な形状を実現できるという大きな利点も持っています。平面だけでなく、球体や曲面など自由な形状のディスプレイを作ることができるのは、この構造的特徴によるものです。

DYNAVISION-LEDで出来ること

「ディスプレイ用LED」とは?

「ディスプレイ用LED」とは、表示装置に使用するために特別に設計されたLED素子のことを指します。一般的照明用のLEDとは異なり、以下のような特徴があります:

ディスプレイ用LEDの特徴

  • 高い色純度:正確な色再現のために、RGB各色の波長が厳密に管理されている
  • 均一な輝度:ディスプレイ全体で均一な明るさを確保するための特性を持つ
  • 高速応答:動画表示に対応するための高速なオン/オフ切り替えが可能
  • サイズと配置:ディスプレイの解像度に応じた微細なサイズと正確な配置

照明用LEDとの違い

一般的な照明用LEDは「明るさ」が最重要ですが、ディスプレイ用LEDは「色の正確性」と「画素としての精密性」が求められます。そのため、製造工程や品質管理がより厳しく行われています。 高性能LEDディスプレイでは、特に色純度と輝度均一性に優れたディスプレイ用LEDを採用し、高品質な映像表現を実現しています。

まとめ

LEDディスプレイの基本的な特徴は以下の通りです:

  • 自発光型:各画素が独立して発光する仕組みを持ち、バックライト不要
  • シンプルな構造:LEDチップと駆動回路の組み合わせでシンプルな構成
  • 高コントラスト:真の黒を表現でき、明暗の差がはっきりと表現可能
  • 形状の自由度:曲面や球体など様々な形状に対応可能
  • 省電力性:表示内容によって消費電力が変動し、黒表示では省エネ

次回の記事では、LEDディスプレイと液晶ディスプレイの詳細な性能比較と、用途別の最適な選び方について詳しく解説します。

LEDディスプレイの基本を理解することで、自分の用途に最適なディスプレイ選びができるようになります。技術の進歩とともに、ますます身近になるLEDディスプレイの世界を、ぜひ楽しんでください。