中国・蘇州に直径20m・リアル8K対応の
LEDドーム・プラネタリウムが完成

導入時期:2026年3月
蘇州科学技術館の外観。球体状のLEDドームが水面に映り込む

中国・蘇州の蘇州科学技術館に、直径20メートル・リアル8K表示に対応したLEDドーム・プラネタリウムが完成しました。本施設では、LEDならではの高いコントラストと高精細な映像表現に、リアルタイム・デジタルプラネタリウム「SkyExplorer」および「FreeDome」を組み合わせることで、宇宙空間や天体現象を臨場感豊かに再現しています。

私たちは、現地パートナーであるMerak Cosmos社と連携し、デジタルプラネタリウムシステムの提供・技術実装や、天文・科学教育に適した映像表現の構築を通じて、本施設の没入型プラネタリウム体験の実現に貢献しました。

直径20m・リアル8K対応のLEDドームを
約7カ月で構築

LEDドームに星雲の映像が映し出されたドーム内観と客席

今回導入されたのは、直径20メートル、リアル8K表示に対応した大規模LEDドームシステムです。LEDの高いコントラストにより、宇宙の深い暗闇と星々の輝きを鮮明に表現。高精細な映像をドーム全体に表示することで、観客を包み込むような没入型の映像空間を実現しています。LEDドームの製造から現地での設置までは、約7カ月という短期間で完了しました。

LEDドームを「プラネタリウム」に
するための技術

施工中のLEDドーム。フレーム内側に銀河の映像が表示されている

LEDディスプレイは高輝度・高コントラストという大きな特長を持つ一方、プラネタリウムで使用するためには、一般的な大型LEDビジョンとは異なる調整が求められます。特に天文映像では、漆黒の宇宙空間の中に、非常に小さく暗い星から明るい天体までを自然に表現する必要があります。

そのため、LEDパネルそのものの性能だけではなく、

  • 黒表示時の表面反射を抑えること
  • ドーム内のさまざまな方向から見ても色を均一に見せること
  • 暗部の微細な階調を正確に再現すること
  • LEDプロセッサーや映像出力を適切に調整すること
  • LEDの画素構造によって生じるモアレやフリッカーを抑えること
  • 星がゆっくり移動しても形状や明るさが不自然に変化しないようにすること

など、天文・科学用途ならではの映像調整が重要になります。

私たちは、長年培ってきたプラネタリウムとデジタル映像に関する知見を活かし、LEDドームを単なる大型ディスプレイとしてではなく、宇宙や科学を正確かつ美しく表現するための映像システムとして最適化するノウハウを蓄積しています。

SkyExplorerが実現する、リアルタイムの宇宙体験

LEDドームに「SkyExplorer」のロゴが表示されている様子

本施設には、リアルタイム・デジタルプラネタリウム「SkyExplorer」が導入されています。

SkyExplorerは、地球上の任意の場所・任意の時刻から見える星空を再現するだけでなく、地球を離れ、太陽系やさらに遠い宇宙空間までリアルタイムに移動することができます。あらかじめ制作された映像を上映するだけではなく、解説者が観客の反応やテーマに合わせて宇宙空間を自由に移動しながら解説できることも、大きな特長です。LEDドーム向けに最適化された映像処理技術と組み合わせることで、星や天体の繊細な表現を維持しながら、高精細かつ没入感の高い宇宙体験を提供します。

天文・科学教育のためのLEDドームへ

LEDドームに星雲の映像が映し出されたプラネタリウムの客席

蘇州科学技術館では、このシステムを天体現象の解説や宇宙・天文学への理解を深める教育プログラムにも活用しています。たとえば皆既月食では、単に現象を映像として見るだけではなく、視点を宇宙空間へ移動しながら、太陽・地球・月の位置関係をリアルタイムに確認することができます。高精細なLEDドームとリアルタイム・シミュレーションを組み合わせることで、教科書や平面映像だけでは理解しにくい天体現象を、直感的に体験しながら学ぶことが可能になります。

蘇州科学技術館 Xiaoyin Zhu館長のコメント

LEDドームに皆既月食の映像が映し出されたプラネタリウムの客席

蘇州科学技術館のXiaoyin Zhu館長は、今回導入されたLEDドームについて、次のように述べています。

「私たちの180度LEDドームスクリーンは、現在、中国国内で最高水準の解像度を誇り、宇宙の深い闇、そして星空の輝きを非常にリアルに再現することができます。この最先端のハードウェアは、リアルタイム・デジタルスカイシステムであるSkyExplorerと組み合わせることで、より大きな可能性を発揮しています。SkyExplorerは、地球上のあらゆる場所から見える空を、任意の時刻で正確に再現できるだけでなく、観客を宇宙の奥深くへと導くこともできます。このシステムを使って皆既月食をライブ配信することは、来館者一人ひとりに高性能な望遠鏡を手渡すようなものです。観客は、まるで宇宙空間を自由に旅しているかのように、天体現象を体感できます。私たちはこの取り組みを通じて、『赤い月』がなぜ起こるのかをわかりやすく伝えるだけでなく、テクノロジーの力で古代と現代の星空をつなぎ、天体観測をより直感的で、心を動かす体験にしていきたいと考えています。」

科学館・プラネタリウムの
LEDドームをご検討の方へ

LEDドームは、高輝度・高コントラスト・高精細という優れた特長を持つ一方、科学館やプラネタリウムでその性能を十分に発揮するためには、一般的なLEDディスプレイとは異なる専門的な設計・調整が必要です。私たちは、プラネタリウムで培ってきた映像・天文シミュレーション・コンテンツ・システムに関する知見を活かし、施設の目的やドーム形状に応じたLEDドームシステムと、天文・科学教育に活用できる映像環境をご提案します。新設施設だけでなく、既存プラネタリウムのリニューアルやLED化についても、構想段階からご相談いただけます。

設置場所

設置場所
施設名:
蘇州科学技術館
所在地:
蘇州高新區獅山広場