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知っておきたいカフェインのこと

知っておきたいカフェインのこと

朝に目覚めの1杯、食後の1杯、仕事の合間の1杯……。
なんとなく体に悪いものと思われていますが、実際のところどうなのか、カフェインに詳しい杉田学先生にほんとのところを聞いてみました。

目覚めが悪いとき、仕事がはかどらないときなど、ついつい手が伸びてしまうカフェイン飲料……。疲れが溜まっているときや、生理前、生理中など強い眠気を感じる時に、眠気覚ましや気分転換として、飲む回数が増える方もいらっしゃるのではないでしょうか?

カフェイン(主にコーヒー)を飲んで、眠気がなくなることや、頭が冴えわたるような感覚になるのは、カフェインが持つ覚醒作用によるものです。この覚醒作用は、脳の神経細胞の活動が活性化することで起こる中枢神経興奮作用と呼ばれる作用の1つです。カフェインは世界で最も広く使われている神経刺激薬といわれています。

知っておきたいカフェインのこと

覚醒作用を利用したコーヒーナップ

じつはカフェイン、摂り方をちょっと変えるだけで、午後の生活が変わるのをみなさんは知っていますか? カフェインが体内に入ると、胃や腸管から速やかに吸収されて15~45分で血中濃度が高まるとされています。

昼食後、眠気で仕事の効率が下がるという人は、カフェインを飲んで15分ほどの仮眠をとると、ちょうど起きる頃に効き始めるので、覚醒した頭で午後の仕事に取り組むことができます。

適度なカフェインの摂取は、頭がすっきりしたり、疲労感を解消する作用があるのでおすすめです。コーヒーや紅茶、お茶などに含まれる量のカフェインを適量飲む程度なら、カフェイン中毒の心配もありません。生活の中でうまくカフェインとることを取り入れれば、いまよりも仕事の効率がアップし、疲労感を感じることなく1日を過ごすことができます。

カフェインはどれくらい
摂取してよい?

では1日にどれくらいまでカフェインを飲んでいいのでしょうか? 

カフェインの致死量は5~50gといわれています。コーヒーのカフェインの含有量は60mg/100mlなので、コーヒーカップ1杯が200mlとすると1杯で120mgのカフェインを摂取することになります。1日3杯のコーヒーを飲んだとしても、カフェインは360mgであるので、カフェインの過剰摂取で有害な影響が現れることはまずありません。

そもそもカフェインに対する感受性は個人差が大きいため、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しく、カフェインの1日摂取許容量(ADI※1)は設定されていないのが現状です。これらのことから一般の女性は普段どおりカフェインを摂っても健康を害することはないと考えられています。
(なお、一部の国や国際機関では、主にリスクが高いとされる妊婦や子供に対して、摂取しても問題のない量の目安を設定しています)

※妊婦の場合は、胎児の成長が阻害されたり、流産のリスクが高まるといわれています。そのため、世界保健機関(WHO)は妊婦に対し、コーヒーを1日3~4杯までに制限。英国食品基準庁(FSA)はWHOよりも厳しい200mg(コーヒーマグカップで2杯程度)に制限。カナダ保健省(HC)では健康な成人で400mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mgまでに制限しています。
日本では妊婦のカフェイン摂取に対して制限はないですが、多く摂りすぎないよう気を付けることをおすすめします。

なぜカフェインはクセになるのか?

またカフェインを繰り返し摂取すると、"カフェイン耐性"といって、カフェインが効きにくくなることも。いままで眠気覚ましに飲んでいたコーヒーや紅茶が効かなくなり、より大量のカフェインを摂取したくなるのが"カフェイン耐性"です。

そして、このときカフェインを摂らずにいると、頭痛、集中力の低下、疲労感、眠気の症状が現れる状態を"カフェイン離脱"といいます。しかし、これらの症状は少量のカフェインを摂取すれば治まり、何もしなくても1~4日で消失するので後遺症もありません。

すでに"カフェイン離脱"の症状がみられていたり、カフェインを摂りすぎているなと感じたときは、カフェインレスと呼ばれる飲み物で置き換えてみるのも1つの手です。最近ではカフェインレスの飲み物の種類も増えてきており、味や風味もカフェイン入りの飲み物と大きく変わらないことから人気が出ています。
また、毎日大量のコーヒーやお茶を飲んでいる人の一部は、カフェインを欲しているのではなく、飲み物を飲むという行為を体が欲している場合も多いと言われています。

最近はコンビニやコーヒーショップでもカフェインレスのコーヒー、紅茶、お茶が売られているので、まずは手に取ってみることから始めましょう。

飲んでいる飲み物をカフェインではなくカフェインレスに置き換えるだけで、簡単にカフェインを卒業できたという人もいるので、試してみるのもおすすめです。

自分と向き合い感性を磨いて

まとめ

朝の1杯、仕事中の眠気覚ましの1杯……など、気分転換のためのカフェイン摂取はおすすめ。コーヒーナップなど、カフェインの摂り方を変えると、昼食後の眠い時間帯を快適に過ごせるようになります。

By Monicia編集部

杉田学先生

監修
杉田学先生

順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科 教授。一般社団法人日本中毒学会理事。

【参考文献】
(※1)ADI(Acceptable Daily Intake)ヒトがある物質を一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される1日あたりの摂取量のこと。体重1㎏あたりの物質の摂取量で示される(mg/㎏体重/日)。

※「カフェイン中毒の臨床」(第40回日本中毒学会総会・学術集会 クリニカルトキシコロジスト認定/更新セミナー 杉田学)より
※「食品中のカフェインについて」(「食品安全 第51号 2017年7月」)
※「コーヒーの科学」(旦部幸博著/講談社ブルーバックス)