太陽電池 計測カレッジ

太陽電池の概要

太陽電池と一言で言っても、下表のように多種多様な太陽電池が存在しています。

太陽電池の種類

  特徴
シリコン系 結晶系 単結晶 ケイ素(シリコン)原子が規則正しく配列された高純度のシリコンの塊(インゴット)を薄く(50~300μm)にスライスしたもの。高効率で現在の主流です。
多結晶 複数の単結晶シリコンから構成される結晶体のため、単結晶よりも変換効率は劣ります。また、太陽電池パネルはランダムな模様をしています。
薄膜系 アモルファスシリコン 化学気相成長法(CVD法)で基板上にシリコン材料を薄く堆積させて形成します。結晶系に比べ、性能は劣りますが、製造コストが安いのが特徴です。
微結晶シリコン アモルファスよりも規則性を高めた(微結晶状態)シリコン薄膜です。一般的には光の短波長域を捉えるアモルファスシリコンを上層部に、長波長の光を捉える微結晶シリコンを下層部に配置したタンデム型の太陽電池が知られております。
化合物系 CIS/CIGS 銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)の4元素、或いは3元素から出来た化合物半導体。シリコンを使わないのが特徴です。光吸収係数が高く、シリコン系よりも吸収波長が長いため、波長が長い朝夕の太陽光を効率良く吸収出来ます。年間発電量ではシリコン系よりも大きいという報告もあります。
CdTe 製造コストが低い上、多結晶シリコン同等の変換効率がありますが、毒性の強いCd使用のため、日本では敬遠されています。一方で、価格が安いため、米国では研究が盛んで大規模発電所に利用されています。
有機系 OPV 有機物を含んだ固体の半導体膜です。無機半導体同様の電子受容体(p型)、電子供与体(n型)があり、この組合せで太陽電池が成り立っています。
DSC 酸化チタンは光触媒効果を持つ半導体ですが、励起させるには紫外線が最適で、単体では太陽電池になりません。そこで、可視光を吸収する色素を表面に吸収した酸化チタンと、イオンが移動する電解質層を利用して発電するのが、色素増感型太陽電池です。                    
量子ドット ドットサイズの変化に応じて光吸収波長が変化することを利用して発電するのが、量子ドット太陽電池です。
集光型 レンズなどで太陽光を集光して、効率的にセルに照射して発電するのが、集光型太陽電池です。

太陽電池の発電原理

発電原理から分類すると二つに分類できます。

PN接合(シリコン系、化合物系太陽電池)の場合

PN接合(シリコン系、化合物系太陽電池)の場合

結晶系のようなPN接合の半導体は光を吸収することで、p型側にマイナス電荷、n型側にプラス電荷が生じて電位差ができ、回路に電流が流れます。 この光起電力効果を利用して電流を取り出すのが、PN接合太陽電池の原理となります。


DSC(色素増感太陽電池)の場合

DSCの発電の原理は以下のようになります。

  1. 酸化チタンに付着した色素分子に光が当たると、HOMOからLUMOに電子が励起されます。
  2. LUMOのエネルギー準位は酸化チタンの伝導帯よりもエネルギーが高いので、電子は酸化チタンを経由して透明電極に移動します。
  3. 色素分子では電子がLUMOに移動したことにより、HOMOには電子の不足が生じます。溶液中のヨウ化物イオンI-は色素分子のHOMOに電子を供給して、ヨウ素(I3-)となります。
  4. ヨウ素はプラス電極から電子を供給されて、元のヨウ化物イオンに戻ります。

DSCの発電の原理

太陽電池に関する呼び方について

▪ セル

一般的には15cm角(6インチ)サイズの四角形の太陽電池1枚を言い、1枚のセル発電できる電力は直流で約0.6V、4A程度です。

▪ モジュール

太陽電池セルが何枚も集められたものをモジュールと言い、1枚のモジュールは、4×9枚から6×10枚の構成になっております。
家電量販店にはセルが集められた1枚のモジュールが展示されていることがありますが、このモジュールを複数並べて接続したものをアレイといいます。

1枚のモジュール構成

太陽光発電の国内技術開発の方向性

NEDO(独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構)は、「2030年迄に、太陽光発電がこの先どのように普及していくか その為にはどんな課題や問題があるのか」という項目をPV2030(*1)(PV2030+(*2))としてロードマップ(行動計画)にまとめました。
詳細は、NEDO(独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構)の資料をご覧下さい。

*1
PV2030は、「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ」のことで、2004年に太陽光発電の持続的な発展と普及拡大に向けた今後の技術開発の方向性を示すために策定されました。
*2
PV2030+は、PV2030で示した内容を見直し、時間的なスパンを2030年から2050年まで拡大されたものです。
「太陽光発電が2050年までにCO2削減の一翼を担う主要技術になり、グローバルな社会に貢献できること」をコンセプトにしています。
2050年の国内の1次エネルギー需要の5~10%を太陽光発電で賄うことを目標とした他、発電コスト目標について、2020年に業務用電力並(14円/kWh)、2030年に事業用電力並み(7円/kWh)というPV2030での内容に加え、2050年に7円を下回る発電コストを達成するという新たな目標を掲げました。

PV2030+では太陽電池モジュール変換効率の目標を以下のように立てております。

太陽電池モジュール変換効率目標(%)

太陽電池の種類 2017年 2025年 2050年
結晶シリコン太陽電池 20(25) 25(30) 40%の超高効率太陽電池
(追加開発)
薄膜シリコン太陽電池 14(18) 18(20)
CIS系太陽電池 18(25) 25(30)
化合物系太陽電池 (*3) 35(45) 40(50)
色素増感型太陽電池 10(15) 15(18)
有機系太陽電池 (*4) 10(12) 15(15)
( )内は太陽電池セルの変換効率目標
*3
集光時の変換効率
*4
新しい太陽電池として有機系太陽電池にも開発目標が設定されました
  • 太陽電池はシリコン系だけでなく、多種多様な太陽電池が研究されています。
  • 日本国内では太陽光発電ロードマップ(PV2030+)で技術開発の方向性を示されており、変換効率40%を超えることを目指して研究開発が進められています。

ページトップへ戻る