パルスオキシメーター知恵袋 活用編

パルスオキシメーターは4種の神器!訪問看護ステーションでのパルスオキシメーター使用法


パルスオキシメーターが小型・軽量化し、その機動性が増したことにより病院・クリニックだけではなく、訪問看護の場でも、パルスオキシメーターの使用が定着してきています。
今回、訪問看護でのパルスオキシメーターの使用を早期から開始し、ステーションの訪問看護師全てがパルスオキシメーターを常時携帯している「日本訪問看護振興財団立 刀根山訪問看護ステーション」の看護師に日常のパルスオキシメーターの具体的な使用方法、看護上のメリット、訪問看護におけるパルスオキシメーターの意味をインタビューしましたので、ここに紹介します。

刀根山訪問看護ステーション概要

住所:大阪府豊中市刀根山5-1-1
日本訪問看護振興財団立。 訪問看護師数8名 (2009年8月11日現在)
大阪北摂地域の豊中市、池田市、箕面市で訪問看護サービスを提供。ケアプランセンターも併設。呼吸器ケアを得意とする。
所長さんからのひと言:「ブログもあります。訪問看護師募集中です。よろしくお願いします。」

インタビュー

安静時のSpO2測定による異常の早期発見


司会 : 「まずパルスオキシメーターの訪問看護での具体的な使用例を教えていただきたいのですが?」

A : 「当ステーションでは看護師全てがパルスオキシメーターを携帯し、訪問の度に安静時の体温、血圧、脈拍とともにSpO2測定をしています。」

司会 : 「安静時のSpO2をまず計ることで、何が分かるのですか?」

B : 「体温、血圧、脈拍測定と同じように、利用者の平常値が分かります。このことにより、SpO2の低下があれば、何か病状の変化があるかなと思います。」

司会 : 「具体的に、どのようなことが起こっていたりするのですか?」

B : 「SpO2が下がっているので、体温や聴診・痰の量などを注意して診ると、肺炎や気胸を起こしていることもあります。看護の時点では確実には分からなくとも、何かおかしいということで医師に報告したり、受診してもらうことで、肺炎などの早期発見に繋がってきます。」

C : 「酸素飽和度の低下が、脱水状態だったことあります。老齢になられると、のどの渇きもあまり感じなくなる方も多く、脱水状態になられる方が多くありますので、早期発見につながると思います。」

B : 「慢性呼吸不全患者さんの場合では、酸素濃縮機や人工呼吸器などの機器の問題が見つかることもあります。」

司会:「例えば、どのような問題ですか」

C : 「動く内容に合わせて酸素流量を調節することを指導されている患者さんで、流量調節が間違っているようなケースがあります。」

D : 「たまにですが、チューブが途中で外れていたりとか」

B : 「機器が止まっていることもあります。加湿のための水のタンクがきちんとはまっていなくて、酸素が送られていなかったこともあります。」 

C : 「NPPVの回路に破損があって、SpO2が上がらないこともありました。」

司会 : 「普段よりもどの程度下がっていれば、おかしいとなるのですか?」

B : 「(判断は)難しいですね。個々人により1~2%の低下でも異常なこともありうるし、平常から訪問の度に2~3%の変動のある人もあります。全身状態、他のバイタルサインと合わせて判断します。SpO2が安定していない時、CO2が蓄積していた患者もいました。」

司会 : 「単純に何%低下ならおかしいというものではなく、普段のその患者さんの変動幅なり病態によって、判断するということなのでしょうね。」

労作時のSpO2測定による急性増悪の予防や呼吸法の指導

司会 : 「安静時の容態チェック以外の使い方にはどのようなものがありますか?」

A : 「慢性呼吸不全患者さんの場合は、訪問中に長時間パルスオキシメーターをつけた状態にして日常生活動作時の変化を見ます。」

司会 : 「変化というと?」

A : 「SpO2の低下度合やSpO2の回復する時間がいつもと同じかを見ます。立ったり、歩いたり、座ったり、家事などの、いわゆる日頃行なっている動作での変化を見ます。」

司会 : 「それで何が分かりますか?」

A : 「ひとつは労作時の酸素流量が適切か、もう一つは急性増悪(慢性疾患の患者さんの症状が著しく悪くなること)の早期発見です。安静状態では分からなくても、労作することで、早く体調の不具合が発見できます。」

B : 「入浴介助時も必ず計ります。入浴の場合、浴室までの移動で酸素(飽和度)が下がる人があります。その場合、脱衣等の行為を行うまでに、回復を待ってもらいます。」

司会 : 「回復を待たないとどうなるのですか?」

B : 「回復を待たずに行なうとSpO2がどんどん下がって、当然、呼吸困難も強くなります。 安全は生活指導のために回復の数値の目安を設定している方もあります。」

司会 : 「入浴以外でも、注意なされる日常生活の動作は何がありますか?」

C : 「着替えやトイレなどですね」

B : 「老齢な方は、呼吸の仕方が下手なかたが多いですので、パルスオキシメーターの数値を見ながら、正しい呼吸法を指導するということもあります。」

24時間メモリによる夜間・昼間の患者状態の把握


司会 : 「安静時の容態チェック・労作時の変化を見て酸素流量が適正かどうかのチェックや急性増悪の予防・SpO2の低下を招く入浴などの日常活動でのリスク管理、呼吸法の指導、を幅広く利用されていますが、主なところは出ましたか?」

D : 「吸引前後や、人工呼吸器の回路の交換中などにも必ずパルスオキシメーターを使います。」

A : 「メモリーできるパルスオキシメーターでの24時間測定なども時々行ないます。 睡眠中や朝起きたときに具合が悪いなどの訴えがあるときなどに、睡眠中をモニタリングし何か問題があるのかを調べます。また一日をモニタリングすることで、昼間の患者さんの動きや酸素、脈拍などの変化を見ることができ、安全な生活が営めているか確認できます。」

パルスオキシメーターのメリット -患者、医療者間、患者家族の連携を客観的指標で繋ぐツール-

司会 : 「パルスオキシメーターを使う訪問看護師側のメリットには何がありますか? 例えば、安静時の容態チェックで、肺炎などの病気の早期発見の頻度などはどうでしょうか?」

C : 「それは患者さんが悪くならなければ出てこないわけですので、そうそう頻度が高くあってもらいたくはありません。病院と違い訪問看護ではモニタリングできる指標が多くありません。パルスオキシメーターがあるから呼吸・循環の評価を在宅でできること自信が大きなメリットです。」

B : 「何か悪いことが患者さんに起こっているが、容態だけではもやもやとした説明しかできないようなときでも、パルスオキシメーターではSpO2が低下していることを客観的な数字で示せるので、先生(医師)に報告しやすいということがあります。」

D : 「逆に先生自身が、SpO2がいくらなのかを絶対に聞かれます。」

司会:「医療者間の連携を客観的に繋ぐツールということですね。」

B : 「気管切開患者で痰がどこかに貯留して、SpO2が下がることがあります。排痰(痰を出させる)の補助をしているとSpO2が戻ってきますが、ご家族の方にSpO2を見てもらい評価してもらうこともあります。

司会 : 「患者、医療者間、患者家族の連携にまで広がりますね。」

パルスオキシメーターは訪問看護の4種の神器!

司会 : 「パルスオキシメーターは訪問看護にとってどのようなものかを、一言で表現されると?」

A : 「訪問看護にとっての三種の神器ならぬ四種の神器!」

司会 : 昔(1950年代後半)言われた「三種の神器」は、冷蔵庫、洗濯機、(白黒)テレビでしたが?

B : 「訪問看護にとっては、血圧計、体温計、聴診器、そしてパルスオキシメーターが、なくてはならない四種の神器です。」

C : 「昔はパルスオキシメーターがなかったわけですが、今、パルスオキシメーターなしでは、どうやって訪問看護ができるか想像もできません。これなしでどうやって呼吸評価をすればいいのか???」

A : 「訪問看護にとって、必ず必要なもの。なくてはならないもの。それがパルスオキシメーターです。」

小型・軽量・頑丈! PULSOX-1は訪問看護にぴったりの特徴を持ちます。


司会 : 「最後に、これまでいろいろなパルスオキシメーターを使って来られたかと思いますが、指先一体型パルスオキシメータ PULSOX-1も使っていただいて、特に訪問看護にぴったりというところはありますか?」

A : 「勿論。まず小型で軽量なこと。それと頑丈なことです。」

司会 : 「何故かを少し説明いただけますか?」

A : 「一日に患者さん宅を何件も訪問するのですから、訪問備品はできるだけ軽くしたいということがあります。PULSOX-1は電池1本ということもあるからか非常に小型軽量で有りがたいです。入浴時の看護でも、ネックストラップにかけて胸ポケットに収納しておけることも助かります。」

司会 : 「頑丈さのメリットは?」

A : 「故障などの心配が少ないことです。メンテナンスコストを心配せず安心して使えます。」

司会 : 「PULSOX-1は耐用期間6年、保証期間3年と、ユーザー様に長期間安心して使っていただけることをコンセプトとしており、それをご評価いただけており嬉しい限りです。
本日は、訪問看護におけるパルスオキシメーターの具体的な使用方法に関し長時間のインタビューにお付き合いいただき有難うございます。これからも、ユーザー様に喜んでいただける製品をご提供できるようユーザー様のニーズの把握に努めさせていただきたく、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。」

2009年8月11日 刀根山訪問看護ステーションにて

ページトップへ戻る