パルスオキシメーター知恵袋 活用編

プラネタリウム用の番組撮影時の高山病予防

コニカミノルタグループの一員であるコニカミノルタプラネタリウム株式会社は、世界有数のプラネタリウムメーカーで、日本一の集客を誇るプラネタリウム池袋サンシャインの「コニカミノルタ プラネタリウム満天」の運営も行っています。
プラネタリウム機器の開発・製造・販売だけではなく、プラネタリムで上映する番組の制作も自ら行っています。

今回、「コニカミノルタ満天」で上映する番組撮影のために、チリのアタカマ砂漠・チャナントール山に向かった際に、パルスオキシメータ PULSOX-1を活用して高山病の予防に役立てました。
(番組は、東京大学が星にもっとも近い天文台として、チャナントール山頂に赤外線望遠鏡を建設する計画(TAO計画)をテーマにしております。)

撮影スタッフ自らの執筆する臨場感あふれる『PULSOX-1使用報告書』をご紹介いたします。

PULSOX-1使用報告書

  • 使用目的:チリ(ラオス国立公園、アタカマ砂漠、チャナントール山頂など)高地でのプラネタリム番組素材撮影における健康管理のため)
  • 使用日:2009年5月

撮影1週目 プトレ村(標高3500m)~ラウカ国立公園(標高4500m)


チリ到着後翌日から直ぐに高地での撮影となり、スタッフ一同高山病の恐れを気にしつつ移動。しかし車で時間をかけた移動と日本と違う景色に感動し、高山病の初期症状的なものは一切発症せず。(現地コーディネーター曰く、最初はテンションが高いので、勢いで高山を乗り切ることは良くあるとのこと)
プトレ村周辺へ到着。PULSOX-1を使用して各自の血中酸素濃度を確認。たしかに85~95と個人差はあるが、低地とはあきらかに違う数値が出ていた。各自に深呼吸を促すと数値の改善が見られた。
宿泊するプトレ村へ移動。就寝中に息苦しくて目が覚める。深呼吸をして直ぐに就寝。さすがに寝起きではPULSOX-1を使用するという頭は働かなかった。
ラウカ国立公園では、80~90程度の数値を記した。

撮影2週目 サンペドロ・デ・アタカマ周辺(標高2500m~5640m)


早朝タテオ間欠泉(4300m)へ向かう。寝不足と疲労で移動車の中ですこし気持ちが悪くなった。高山病の症状なのか、すこし頭痛もする。PULSOX-1を使用してみたところ、数値が70台になっていた。深呼吸をすれば90近くまで回復はする。
車内で寝ていたので、呼吸が浅くなったのだと推測。常にPULSOX-1を首にかけていたので、すぐに血中酸素濃度を測れるのがとても便利である。体調の変化を感じても、すぐに数値回復を確認でき安心できた。

今回の撮影でもっとも過酷なチャナントール山頂(5640m)へ向かう。サンペドロ(2500m)から片道2時間30分かけて毎日往復した。チャナントールの麓までで既に5000mある。今までの4500m級の高地での経験もあってか、誰も体調に変化が見られない。しかし、念の為PULSOX-1を使用すると数値は80~90といった値を示した。体感ではなく実際の酸素濃度で自らに深呼吸の注意を持てたことが、今回の撮影で誰も高山病にならずに済んだ要因として挙げられると思う。
いざ山頂へ。麓から酸素ボンベを着用する。山頂はとにかく風が強く寒い。外気温は定かではないが、休息するコンテナの中で-8℃。外は体感的には-20℃くらいなのではと推測。低地のような動き方をしていると直ぐに息が切れる。
酸素ボンベをしていても、慣れないためか息苦しく感じる。PULSOX-1で計測してみると、個人差はあるが低い人は70近かった。現地ドライバー、東大の方も測定器をぶら下げていたが他社製品である。大きさ・形はほぼ同じ。試しにそれらも使用させてもらうと、現地ドライバーの機種は、ほぼ同じ数値。東大の方の機種では少し低い数値が出た。


図1.撮影地点

山頂では息苦しさを感じる。酸素ボンベもあるからと気を抜いていられない状況だと感じた。 どういった呼吸が数値を下げないかをPULSOX-1を見ながら試す。酸素ボンベが鼻にのみ管があるタイプなので、鼻で呼吸するようにと聞いていたが、口と鼻を使って酸素を取り入れた方が楽だった。数値も安定している。(酸素ボンベの吸引量をダイアルで増やすこともできたが、酸素残量に余裕が無かったためできるだけ長持ちする酸素量で作業する必要があった)
このどういった呼吸方が安定しているかが分かったのは大きい。これもPULSOX-1を所持していたお陰だと思う。
また、夜間の撮影がメインだったこともあり、自動で液晶が光るのはとても良いと感じた。東大の方の測定器は光らないタイプらしく羨ましがっていた。

という訳で、4日間の山頂撮影も終了し、体調不良もなく全員無事に帰国することができた。現地コーディネーターもこんな過酷な撮影スケジュールで誰も高山病にならなかったことに驚いていた。
2週間の高地撮影を行う高地初心者にとってPULSOX-1はとても頼もしかった。これといった不具合もなく安定していたのではないかと思う。

撮影地点は図1、血中酸素濃度の変化は図2を参照
図2.血中酸素濃度計測表
5月17日~19日 プトレ村(標高3500m) ラウカ国立公園(標高4500m)
  通常 深呼吸後 通常 深呼吸後
スタッフA 85~95 90~95 80~90 90~95
スタッフB 80~95 90~95 75~90 85~95
5月23日~26日 タテオ間欠泉車中(標高4300m) チャナントール山頂(標高5640m)
  通常 深呼吸後 通常 深呼吸後
スタッフA 75~80 80~95 80~90 90~95
スタッフB 75~90 85~95 75~90 85~95
タテオ間欠泉の数値は車内での数値であり、悪路のため揺れが大きかったことを補足
チャナントール山頂では酸素ボンベを常時着用しての数値

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