ドクターズインタビュー
坂本文彦技師
北海道内科リウマチ科病院 検査放射線課

関節リウマチ(RA)超音波検査でSONIMAGE HS1が活躍

RA診療における画像診断の意義はますます大きくなり、関節超音波検査が急速に普及している。背景には、超音波検査は患者負担が少なく非侵襲的であり、関節内の炎症や関節以外の病変など痛みや腫れを主訴とする部位について、直接かつリアルタイムでの観察が可能であることが挙げられる。また、診断にはもちろん重要であるが、薬剤の有効性を評価するのにも非常に有用であり、最近ではエコー寛解ということも多く耳にするようになってきた。変形性関節症(OA)、痛風性関節炎、偽痛風などRAとの鑑別に威力を発揮する場面にもしばしば遭遇する。このように関節超音波は非常に有用性が高く、多くの医療機関には備わっているため、医師や検査技師のみならず、看護師やリハビリセラピストなど多くのコメディカル部門で技術を習得し、診療の一助としている施設が少しずつ増えつつある。

超音波診断装置

当院では各社の超音波装置を用いて観察を行っている。できれば上位機種が望ましいが、高周波リニア型で10MHz以上のプローブを搭載した汎用装置であれば十分描出可能である。主に観察は検査室内で行うが、検査室以外での使用頻度も高く、特に軽量コンパクトなノート型の超音波装置が非常に重宝している。

関節超音波の実際

評価関節は手指、手関節、肘関節、肩関節、股関節、膝関節、足関節、足趾である。関節超音波でgray scale法(以下、GS法)とpower doppler法(以下、PD法)で総合的判断を行うが、GS法では、関節内、腱、腱鞘、腱付着部、滑液包、骨表、その周囲の観察を行い、病変が描出された場合、半定量4段階評価法や重症度分類でスコアリングを行う。特に活動性の高いRAでは、関節内、腱鞘、滑液包に異常増殖した滑膜肥厚や滑液貯留が多く見られ、骨表には欠損した骨びらんも描出されることがある。
PD法では、関節内、腱鞘、滑液包に増殖した滑膜内血流シグナル(新生血管血流)の存在を確認する。RAにおける活動性の評価にPD法は非常に有用で、異常増殖した滑膜に一致する血流シグナルは現行の炎症を強く示唆する所見であり、明らかな血流シグナルを認める場合は滑膜炎の活動性が高いと考えられる。PD法もGS法同様スコアリングで評価を行う。

関節超音波で見られる異常所見

関節超音波で見られる異常所見

早期に骨変化の出現しやすい手指の関節においては、超音波はレントゲンで検出不可能な初期のびらんの検出が可能(

MC:中手骨
PP:基節骨

関節滑膜炎(手指 PIP関節)

正常では滑膜肥厚、滑液貯留が見られない。血流シグナルも認めない

異常像では高等度の滑膜肥厚を認める。肥厚した滑膜に高度血流シグナルを認める

腱鞘滑膜炎(尺側手根伸筋腱[第Ⅵ区画])

正常の腱は綿状高エコー像が層状配列したFibrillar patternを呈し、腱鞘は低エコー像を示す

異常像では腱鞘は高度の滑膜肥厚と滑液貯留を認める。肥厚した滑膜に高度血流シグナルを認める

骨棘* 手指

レントゲンで小化および骨変形を認める
*骨棘:骨が修復する働きが過剰におこりトゲが形成される。

異常像では腱鞘は高度の滑膜肥厚と滑液貯留を認める。肥厚した滑膜に高度血流シグナルを認める

MC:中手骨
PP:基節骨

滑液包炎(膝蓋上嚢)

膝蓋上嚢に高度の滑膜増殖と滑液貯留を認める
肥厚した滑膜に少量の血流シグナルを認める

P:膝蓋骨 F:大腿骨 Q:大腿四頭筋腱

痛風(尿酸ナトリウム塩 結晶沈着) 足趾

関節内に点状高エコー像(結晶)を認める

MT:中足骨 PP:基節骨

軟骨表層に不規則な線状高エコー像が見られ、二重輪郭サイン(double countor sign)を呈する

おわりに

関節超音波を応用することは、RAにおける病態評価の信頼性を向上させるものである。標準化が進み、多くの医療機関で普及する日も近いと思われる。発症早期に正確な診断と評価を行うことが、RA患者を真の寛解へ導く一助となることを確信している。

Q&A

これから関節リウマチエコーを始めるのですが、全ての関節を見るのでしょうか。

手指の1つの関節でも十分な情報が得られるので、はじめから多くを観察しようとしなくても大丈夫です。

関節リウマチのエコーはどこを観察しているのですか?

滑膜炎(滑膜肥厚、異常血流シグナルの有無)・滑液包炎・骨びらん・腱鞘滑膜炎などを観察します。

関節エコーでRAと他疾患との鑑別はできますか?

「骨びらん」があるとRAの診断に有用とも言われますが、それだけでは決め手とは言い難く、多くの疾患にエコー上異的所見はなく鑑別は難しいと思われます。日々検査をしていく中で疼痛、腫脹のある疾患(感染症・OAなど)や他疾患の炎症所見を捉えることで病態評価ができてきます。

SONIMAGE HS1を使用した感想は?

コンパクトでバッテリーを内蔵しているので、電源を切らずにどこへでも移動してすぐ使えるのが良いです。今まで見えにくいとされていた最浅部の手指などの描出力が高く、初めてGS画像を見た時には正直、衝撃を受けました。観察部位が多く煩雑な関節エコー検査が、画面上のタッチパネル直感的に操作できるし、ボディーマーク操作を簡単にした「RAワークフロー」(*)は手指及び手関節のみ対応ですが、さらに進化していくことで今後のリウマチ診療の効率化につながるのではと秘かに期待しています。

*【リウマチワークフロー機能 オプション】
 多関節を検査するRAエコーのボディーマーク操作の手間を少なくする機能です。①多関節を検査する順番の登録(初回のみ)、②ナビウインドウに従い操作、③ボディーマークが自動に表示、という流れで操作いただきます。
 また、任意の関節取得をするモードもあり、1プッシュでボディーマークが設定できます。これらの操作で取得した画像の全体イメージを見るレビュー画面で、取り忘れも一目で確認できます。

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