POD向け電子写真定着プロセス技術~デジタル印刷でもコート紙を美しく仕上げる~

POD向け電子写真では、普通紙だけでなくコ-ト紙や厚紙も使えるように記録用紙の適応幅を広げています。コート紙は、原紙の表面にコーティングが施された紙で、印刷物に高級感を与えます。一方で、電子写真の熱定着プロセスにとっては、その通気性の低さに起因するコ-ト紙に特有な課題がありました。

(a) トナーブリスタ

トナーが定着部の熱で溶融した時に、トナーに含まれる水分やトナー層中の空気が気化・膨張します。コ-ト層があると、この水蒸気が紙側へ逃げられず、トナ-層表面を押し上げたり、破裂したりします。画像表面は荒れた状態になり、出力物の品位は著しく低下します。

(b) ペーパーブリスタ

コート紙にさらに過剰な熱が加わると、気化・膨張した原紙内の水分がコート層を水ぶくれ状に押し上げてしまいます。

Fig.1(a)トナープリスタ(b)ペーパープリスタ

トナ-ブリスタやペーパ-ブリスタを発生させないためには、熱定着する際にトナーは融かして水分はなるべく気化させないような少ない加熱量で定着を行うこと、そのためには、紙の裏側の加圧ローラを、低温に安定維持することがポイントになります。
加圧ロ-ラは、高温に保たれている定着ベルトと接触しているため、そのままでは温度が上がり、ブリスタを引き起こします。一方で加圧ロ-ラの温度が低すぎても、トナ-の固定が不十分になってしまいます。
この矛盾を解決するため、加圧ロ-ラの加熱と冷却の制御ができる構成としました。Fig.2に本定着装置の断面図を示します。加圧ローラの中に、ヒータとなるハロゲンランプを内蔵し、さらにこのロ-ラの中に機械の外の空気を送り込んで冷却できるよう、ダクトとファンを設けています。

Fig.2(a)定着装置断面模式図(b)加圧ローラ冷却構成

このクラスとしては非常にコンパクトな機械の中に、この機構を組み込むことで、高い画質と生産性、省スペ-スを実現しています。

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