デジタルトナー~より低い温度で! 低温定着の追求~

開発の背景

複合機では、定着プロセスでの消費電力が大きい

複合機では、紙にトナーを定着させる際に、熱を加える必要があります。複合機では、この定着装置の消費電力が全体の6割以上を占めています。そこでコニカミノルタでは、定着での消費電力削減を目指し、IH定着といった定着装置の省エネと並行して、より低い温度でも定着できるトナーの研究開発を進め、過去3世代の新トナーにおいて定着温度を毎回更新してきました。この低温定着の追求は最新のトナーでも行われています。

厚みのある紙でも高速印刷したい

名刺などの厚みのある紙では、定着装置の熱が紙全体に伝わるまでに時間がかかり、印刷速度が遅くなります。しかし、トナーが低い温度でも定着できれば、それほど紙面の温度を上げる必要が無くなり、印刷速度もアップします。
1分間に60~70枚レベルで印刷する商業印刷用デジタル印刷機の場合、厚みのある紙においても効率を落とすことなく高速印刷をする事が要求されており、より低い温度でも定着できるトナーを開発することでこの要望にお応えすることができます。

課題

  • より低い温度でも、より美しく定着するトナーを作る

コニカミノルタの技術

定着温度を約25℃ダウン

トナーが低い温度で融ければ定着温度は下がりますが、複合機内の温度が高かったり、暑い季節のトラック輸送などで簡単に融けてしまうと困ります。そのためトナーは、通常は融けにくく、定着装置では容易に融けるという相反する性質が求められます。
コニカミノルタは、トナー粒子に複数の樹脂をブレンドして使い、表面近くには融けにくい樹脂を、中心部周辺には融けやすい樹脂を集めることによってこの課題を解決しました。また、転写する際ローラーに貼りつかないようにするためのワックスも、低い温度で融け、かつトナー粒子内部から染み出す速度をアップすることで、低温でも定着装置から剥がれやすくしました。これにより、定着温度を従来機種よりも約25℃もダウンすることに成功しました。

デジタルトナーHDE 電子顕微鏡で見たトナー粒子

さらに、1粒のトナー粒子に含まれる色材の含有率を大幅にアップしたことにより、濃色部分の樹脂やワックスによるぎらつきやテカリを抑え、紙と濃色部分の質感が自然になりました。

成果

  • 従来よりも約25℃低い温度でも定着するトナーを完成
  • 濃色部のぎらつきやテカリを抑え、紙表面の質感はそのままに

技術ポイント

成分を自在に配置する凝集反応制御技術

コニカミノルタの「デジタルトナー」は、重合法という製法で、樹脂成分とワックス、そして着色剤(色材)を化学反応で結合させてトナー粒子を作ります。

このトナー粒子を形成する際、凝集反応を高度にコントロールすることが必要です。コニカミノルタは、2000年に重合法トナーを世界で初めて複合機に搭載して以来、重合法トナーの進化を常にリードし、この技術を磨いてきました。現在では、トナー粒子の大きさや形を自在に制御できるだけでなく、樹脂成分やワックス、色材をトナー粒子中に思い通りに配置することまでも可能にしました。この技術により、直径約6μmという微細なトナー1粒1粒の中で、低温定着に求められる樹脂とワックスの適切な配置や、高濃度な色材を偏りなく分散させるというミクロな制御が行われているのです。

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