メンバーの“個”を活かすマネジメントで、チーム力を最大化

2025.8.25

コニカミノルタ情報システムで働いている社員にスポットを当て、社員のリアルな想いを届ける「コニカミノルタ情報システムの“ヒト”」。今回は、キャリア入社として2007年に入社されたAさんです。(インタビューは2025年9月の情報です)

・情報セキュリティ部 リーダー/情報セキュリティ推進Gリーダー
・前職:IT企業にて、ネットワークの保守・運用・監視
・2007年度入社

先進的なセキュリティ戦略を支える、新設部門を牽引

-現在Aさんがリーダーを務めておられる情報セキュリティ部は、コニカミノルタグループの中でどのような役割を担っているのでしょうか?

情報セキュリティ部は、2025年4月に新設された部門です。主に国内のコニカミノルタグループで働く社員が安心・安全に業務を遂行できるよう、セキュリティ領域の運用と改善を担っています。

具体的には、外部公開しているサーバーや製品・サービスの脆弱性チェック、展開中のWebアプリケーションに対するセキュリティ対策支援ネットワークの異常検知などが主な業務です。また、クラウドプロシキを活用したリモートワーク時のセキュリティ対策や、モバイルデバイスのセキュリティを守るための認証システムの運用なども担っています。チームメンバーで一丸となって、コニカミノルタグループのセキュリティ向上とリスク低減を実現し、安全な業務環境を守っています。

-情報セキュリティ部が新設された背景は何だったのでしょうか?

リモートワークを併用するハイブリッドなワークスタイルのあり方や、ゼロトラスト(全てのアクセスを信頼せず、安全性を検証・認証を厳格化して情報資産を守る対策を行う)への注目が、セキュリティ強化の必要性を更に高めていることが大きいですね。

その潮流の中で、コニカミノルタ本体のIT企画部内にセキュリティ企画管理のグループが立ち上がり、実働部隊の窓口として、ユーザーに近い立場からの課題発見や提案を行うことが期待されているのが、私たち情報セキュリティ部です。単に実装や保守だけを行うのではなく、課題発見から連携し、グループの全体的なガバナンス強化や規定の見直しをする立ち位置となっています。

-運用の中で見えてきているリアルな問題を知っているからこそ、ロードマップを描く上で、セキュリティ戦略の上流サイドから関わることが求められているのですね。

はい、仰る通りです。単なる実行部隊やコストセンターとしてではなく、親会社やグループ全体のビジネスを支える“技術戦略パートナー”であるべきだと考えています。

システムを作る、運用するだけでなく、安全で信頼性の高いサービスを支える基盤を構築・維持し、継続的に改善していくこと、それが私たちが担うべき本質的なところです。コニカミノルタグループの情報システム部門を担う立ち位置だからこそ、現場の業務把握や、親会社の文化への理解を強みに、“どうすればより良くできるか”を提案・実行できるパートナー的な存在でありたいです。

また、近年はセキュリティやクラウド運用、データ活用などにおけるITの役割そのものがより戦略的になっています。ITのプロフェッショナルとして、専門技術や知見を生かし、コニカミノルタグループの価値向上や、社会課題の解決に貢献していくことが私たちの使命だと考えています。

課題発見力と、協働しながら改善提案ができる力が必要

-情報セキュリティ部に求められる役割をお聞きすると、自ら課題を見つけ、推し進めていく…といったフロントラインに立てる力が大事になりそうです。実際、セキュリティ領域の仕事は、どんな思いやキャリア志向を持った方が活躍できるとお考えですか?

先ほどお話ししたビジネスを支える技術戦略パートナーであるために求められるのは、単に技術スキルの高さだけでなく、変化に適応し、ビジネスの本質を捉えられることだと考えています。

そのために必要なのが、「課題発見力」と「提案力」。具体的には、何が本質的な課題なのか、どうすればより良くなるのかを自ら考え、周囲を巻き込みながら改善に向けて動く力です。

技術的な知見と、ユーザーの状況をキャッチアップできる現場に近い視点の両輪が必要になるため、その領域に行き着くまでのハードルが高そうですね。

はい、非常に難易度が高いです。だからこそ、「コミュニケーション力」と「チームワーク力」が欠かせません。一人でできることには限界がありますから、メンバー同士が相手の立場や状況を理解しながら信頼関係を築き、互いにナレッジや技術を共有しながら対応していくことが必要です。

チームの力を最大化することで、アイデアの可能性も広がるわけですね。

そうですね。そしてもう一つ、「変化を前向きに受け止め、学び続ける姿勢」です。技術や働き方のトレンドは常に変わっていくわけですから、その都度適応し、自分の役割をフレキシブルに更新し続けられる人が、コニカミノルタ情報システムの存在価値を押し上げてくれると期待しています。

社員の個性やモチベーションの源泉を踏まえて役割を分担

-メンバーのマネジメントを行う上で大切にしていることを教えてください。

まず心がけているのは、「信頼関係の構築」です。ここが成り立っていないと、どれだけ正しいことを言っても伝わらないですし、報連相が滞ることになります。そのため、日頃から小まめにコミュニケーションを取って、“この人には相談しやすい”と思ってもらう関係性を築くようにしています。

例えば、週次の定例ミーティングでは、進捗だけでなく、困っていることや気になっていることを話す時間を設ける…など業務外のことも含めてフラットに話せる機会を作っていますね。

-メンバーが、自分の意見や課題を発信できる環境作りを大切にされているのですね。

そうですね。それからもう一つは、「個々の特性を理解すること」。得意なことやモチベーションの源泉は人それぞれですから、それを把握した上で役割を任せています。

また、全員に同じ接し方をするのではなく、それぞれフィードバックの仕方を変えるなど、その人に合ったコミュニケーションを取ることも心がけています。

うまくいかなかった時も、なぜそうなったか一緒に振り返るようにしていますね。結果だけで判断するのではなく、そこに至るまでのプロセスもたどって、次にどう活かすか考えていくことが大事ですから。何か問題があった時も、誰かを責めることはしません。“なぜそうなったのか”“次にどうするか”に目を向けます。そうすることで、失敗を恐れずにチャレンジできる空気感が生まれますし、建設的な議論ができるようになりますから。

-1to1でじっくり寄り添ってメンバーの志向を捉え、挑戦意欲に繋がる“スイッチ”を押す。とても大事ですよね。そのようなマネジメントの考えは、どのような過程で身につけられたのですか?

ユーザーとの関わりの中で身につけたコミュニケーションスキルが、今のマネジメントに上手く転用できているのかもしれませんね。相手が何を求めているか、何に重きを置いているのか、本質的に掴むのは簡単なことではなく、真摯に対話を重ねていくしかありません。様々なタイプのユーザーや多様なシチュエーションに、どうアプローチしていくか試行錯誤を重ねていく中で、どう信頼を得ていくか、その関わり方や進め方を自然と身につけていくことができたのかなと思います。

-今は価値観も多様化して、その人にとって“何が成功や成果となるか”も多岐に渡りますよね。ですので、昔のようなトップダウンによる指示や命令でなく、Aさんがされているような、メンバーの考えに共感して背中を押す、“サーバントリーダーシップ”というのが求められていると感じます。

もちろん、方向性をしっかり示してみんなでそこに突き進む、というリーダーの在り方も大事で、それが必要な場面もあると思います。私自身、ずっと模索を続けている状態ですね。

-マネジメントはこれが正解というものはないですし、人が相手だからこそ、その都度、時代ごとに求められる形が変わってくるもので、それに適応できるかが非常に重要だと思います。その点、常に最適なやり方を追求して柔軟にアップデートをされている、そういった経験と実績があって、Aさんが今のポジションに抜擢されてらっしゃるのでしょうね。

働く場を問わないからこそ、心の繋がりや一体感を大事に

-リモートワークの比重も大きいと思いますが、不安感も取り除きながら、生産性を維持していくことはなかなか難しいのではないでしょうか。何か工夫されていることはありますか。

マイクロソフトのTeamsを活用して、グループ内の連絡や情報共有が円滑に行えるようにしています。チャンネルごとに、「連絡事項」「日報」など、議題や目的を明確にし、必要な情報が適切なタイミングで全メンバーに届くように運用できるよう工夫していますね。

また、仕事の進め方や課題が見え辛くならないように、Teams上でタスクや進捗状況の可視化をして、誰かが困っている時に周囲がフォローしやすい状態にしています。こうした運用体制を整えることで、認識のズレや伝達漏れを防ぎ、スピード感と一体感を高めることに繋げています。

-働く場所を問わない働き方が進む中、出社してメンバー同士が顔を合わせる機会が限られてきますから、“一体感”を作ることは重要ですね。

そうですね。マネジメント上の課題だと思います。特に難しいのは、ちょっとした変化や悩みに気付き辛くなることです。オフィスで顔を合わせれば、自然と声をかけるタイミングもたくさんありますが、リモートだと雰囲気や表情も読めず、声をかけるきっかけが掴みにくくなります。

“心理的な繋がり”をどう保つかというのは、とても重要だと感じています。ですので、週1回の出社機会を活用して、対面での1on1を増やすなど、ちょっとした雑談時間を意識的に生み出すようにしていますね。私自身もできる限り出社回数を増やして、“いつ出社しても気軽に話せる人が居る”という場を作るようにしていて、メンバーとの繋がりを保つ手段にしています。

ナレッジ共有の文化を醸成し、グループ全体の底上げを

-会社をより良くする上で、ここをもっと強化したいと感じている部分はありますか。

業務を通じて得た気付きや改善点は、自分の中で留めるのではなく、チームや他部門とも共有し、組織全体の底上げに繋げることが大事だというのが私の考えです。

そういう点において、部署間やプロジェクト間で、それぞれの取り組みや素晴らしいナレッジが、他チームに伝わりきっていないことが今はあると感じています。一人ひとりの小さな工夫や前向きな行動の積み重ねは、最終的にコニカミノルタグループの事業成長を大きく促す力になりますから、情報共有の仕組みや文化をより強化して、グループ全体のスピード感、一体感を高めていきたいです。

-最後に、今後のキャリアの中で目指していくリーダー像を教えてください。

セキュリティは全社的な課題であり、情報共有や方針調整をスムーズに行うことで、組織全体のセキュリティレベルを高めることができます。私がリーダーを務める情報セキュリティ部は、本社のリソースや戦略を活かしながらも、現場のニーズに即した柔軟かつ迅速な対応を実現する“架け橋”として機能していくことが求められます。

そこで私が、この新しい情報セキュリティ部という組織を率いるにあたって掲げるのは、「信頼」「迅速な対応」「継続的な改善」です。変化の激しいセキュリティ環境において、コニカミノルタグループが、確実に成果を出し続けるための柱となるものと考えています。

リーダーとしての責任を持ちつつ、この3つのキーワードを軸に、コニカミノルタ本体との連携を強化し、グループ全体の安全と信頼を支えていけるようチームを牽引していきます。

私が大切にしたいコニカミノルタのバリュー

Passionate(情熱)

自分の業務が単なる作業で終わらず、会社の価値向上や、より良い組織作りに繋がるよう意識して行動しています。例えば、セキュリティ領域では“万が一を起こさない”ための地道な取り組みが多いですが、見えにくい部分こそ徹底することが、会社全体の信頼やサービスの品質を支えていると考えています。そうした裏方的な仕事にも、責任と誇りを持って取り組んでいます。