任意の光源下で紙の蛍光を加味して色を測定し数値化できる分光濃度計
製品概要
主に印刷物の反射濃度や色彩管理、目視評価用光源の評価用途で活用。
印刷業界向けの分光測色と色彩計算に関する規格 ISO13655 に準拠したD50光源下での用紙の蛍光励起を考慮した色彩評価を可能にした世界初の測定器です。
活用シーン
製品詳細
M0、M1、M2を一挙に取得可能
コニカミノルタ独自開発のVFS(Virtual Fluorescence Standard)技術により、ISO標準測色光源D50(M1)相当のL*a*b* 評価が可能で、M0(A 光源)やM2(UV カット光源)相当も測定できます。
また、偏光フィルター装着によりM3(M2+偏光フィルター)にも対応しており、1台でISO13655全ての測定条件をサポートすることが可能です。
自動波長補正機能を業界初搭載
白色校正時に自動的に波長補正を実施することが可能です。※1
従来はメーカーメンテナンスでしか行うことのできなかった波長補正が日常的に行えるようになり、測定値の信頼性が格段に向上いたします。
※1 偏光フィルター装着時を除く
FD-7で測定した環境光を照明条件としてFDシリーズに登録可能
従来、蛍光増白剤を含む印刷物を測定する場合、目視と測定値が大きく異なるケースがありました。FD-7は光源ボックスなど目視評価を行う環境光の照度値※2 および色温度測定が可能です。
また、測定した環境光をFD-7またはFD-5に照明条件(ユーザー定義光源)として登録し、色彩値が演算できるので、任意環境光下での目視に近い蛍光増白剤の影響の把握やメタメリズムによる色クレームが解決、クライアントとのスマートなカラーコミュニケーションが可能となります。
※2 簡易測定機能であり、JIS規格には非準拠
各国印刷標準に対応する機能搭載
ISO、JapanColor、GRACoL®、SWOP®、PSO及びカスタム基準を含む印刷標準に対する合否確認ができ、印刷現場での品質管理に威力を発揮します。
[ISO12647チェック] ※3 ※4
色差、TVI、ミッドトーンスプレッドがそれぞれ評価可能です。
[グレイバランス]
G7® 評価手法に基づいた評価が可能です。
※3 標準付属ソフトウェアFD-S1wによるターゲット登録(カラーセット)が必要です。
※4 バッキング変換機能を使えばバッキング条件が基準と合わない場合、基準値を変換して評価ができます。
ソフトウェアダウンロード「カラーセット」
ターゲットマッチ機能搭載
調合したインキに対して目標色との差異や目標色に近似させるためにどれだけ濃度を調整すればよいかを表示でき、ターゲットマッチ機能を使えばコンピュータや特別なソフトウェアは必要ありません。
・スポット色およびプロセス色に最適
・目標色に対する色差および濃度値を表示
・目標色に近似させるための推奨濃度調整値および調整後の色差を表示
グローバルサプライチェーンにおけるカラーコミュニケーションを支援
FD-7基準器で測定した環境光を標準付属ソフトウェアFD-S1w経由でFD-5常用器の照明光源として登録することで、複数拠点で同じ照明用光源を使った色管理が低価格で実現します。
また、自動波長補正機能により、複数台使用時の器差を抑えることが可能です。
ソフトウェア/ツール
FDデータ転送ソフトウェア FD-S1w
FDデータ転送ソフトウェア FD-S1wは、測定データのエクセルシートへの転送機能、ユーザー光源登録機能、カラーセット登録機能(ISO12647チェック/ターゲットマッチ)を有した標準付属のソフトウェアです。
ソフトウェアダウンロード「カラーセット」
照明受光光学系 | 45°a: 0°(45/0 円環照明) *1 DIN5033 Teil7、JIS Z 8722 条件a、ISO7724/1、CIE No.15、ASTM E 1164 に準拠 |
分光手段 | 凹面回折格子 |
測定波長範囲 | 380~730nm (分光放射照度は360~730nm FD-7 のみ) |
測定波長間隔 | 10nm |
半値幅 | 約10nm |
測定径 | 3.5mm |
測定用光源 | LED |
測定範囲 | 濃度:0.0D~2.5D 反射率:0~150% |
繰返し性 | 濃度: 標準偏差0.01D 偏光フィルターなし: 0.0D ~ 2.5D、Yellow 0.0D ~ 2.0D 偏光フィルターあり: 0.0D ~ 2.5D、Yellow 0.0D ~ 1.8D (白色校正後、10 秒間隔で30 回測定したとき) 色彩値: 標準偏差⊿ E00 0.05 以内(偏光フィルターなし) (白色校正後、白色校正板を10 秒間隔で30 回測定したとき) |
器差 | ⊿ E00 0.3 以内 * BCRA シリーズII12色測定時の平均値、マスターボディ基準、偏光フィルターなし、当社測定条件による |
測定時間 | 約1.4秒(スポット反射測定時、偏光フィルターなし) |
照明条件 *2 | M0(A)、M1(D50)、M2(UV カット光源)、M3(M2+ 偏光フィルター)、ユーザー定義光源 |
観察光源 | A、C、D50、ID50、D65、ID65、F2、F6、F7、F8、F9、F10、F11、F12、ユーザー定義光源 |
観察条件 | 2°視野、10°視野 |
濃度ステータス | ISO ステータスT、ISO ステータスE、ISO ステータスA、ISO ステータスI、DIN16536 |
表示言語 | 日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語(簡体字) |
インターフェース | USB2.0 |
PC への転送データ*3 | 表示値、分光反射率(FD-7のみ)、分光放射照度(FD-7のみ) |
電源 | 内蔵リチウムイオン電池(測定可能回数(新品フル充電時、偏光フィルターなし):2000回)、AC アダプター、USB バスパワー |
大きさ | 本体のみ:70(幅)×165(奥行き)×83(高さ)mm ターゲットマスクを含む :90(幅)×172(奥行き)×84(高さ)mm |
質量 | 本体のみ:約350g ターゲットマスクを含む:約430g |
使用温湿度範囲 | 10~35℃、相対湿度30~85%、結露しないこと |
保管温湿度範囲 | 0~45℃、相対湿度0~85%、結露しないこと |
付属品 | 白色校正板、ターゲットマスク、防塵ガラス、ACアダプター(AC-USB 変換アダプター)、USB ケーブル、ソフトケース、偏光フィルター、FD データ転送ソフトウェアFD-S1w、照度アタッチメント(FD-7 のみ)、ルーラー(FD-7 のみ) |
別売付属品 | XY自動測色ステージColorScoutシリーズ |
機能比較一覧
※★新機能
FD-7 | FD-5 | |
---|---|---|
濃度測定機能 | ||
濃度値・濃度差値 | ● | ● |
網点面積率 | ● | ● |
ドットゲイン | ● | ● |
トラッピング | ★ | ★ |
刷版網点面積率 | ★ | ★ |
刷版ドットゲイン | ★ | ★ |
特色濃度 | ★ | ★ |
グレイバランス | ★ | ★ |
ミッドトーンスプレッド | ★ | ★ |
ISO12647 チェック | ★ | ★ |
ターゲットマッチ | ★ | ★ |
色彩測定機能 | ||
L*a*b* | ● | ● |
L*C*h | ● | ● |
ハンターLab | ● | ● |
Yxy | ● | ● |
XYZ | ● | ● |
⊿ E*ab(CIE1976) | ● | ● |
⊿ E*94(CIE1994) | ● | ● |
⊿ E00(CIE2000) | ● | ● |
⊿ E(ハンター) | ● | ● |
CMC(l:c) | ● | ● |
照度測定機能 | ||
照度*3 | ● | |
相関色温度 | ● | |
ペーパーインデックス | ||
WI/Tint(ASTME313-96) | ● | ● |
ISO ブライトネス(ISO2470-1) | ● | ● |
D65 ブライトネス(ISO2470-2) | ● | ● |
蛍光インデックス | ● | ● |
分光反射率 | ||
分光データ出力 | ● | |
メモリー | ||
基準濃度値 | 30 | 30 |
基準色彩値 | 30 | 30 |
カラーセット*2 (ISO12647/ ターゲットマッチ用) |
50 | 50 |
その他機能 | ||
手動スキャン*3 | ● | |
自動機能(濃度・網点面積率・色彩) | ● | ● |
OK/NG 判定 | ● | ● |
ソフトウェア | ||
FD-S1w | ★ | ★ |
ClrChrt (ColorScoutシリーズ専用ソフトウェア) |
● | ● |
- *1 400 nm 以下は一方向照明。
- *2 M0、M1、M2、M3 は、ISO13655 の4.2.2 Illumination requirements and measurement condition に記載された照明の条件です。
- *3 簡易測定機能であり、JIS 規格には準拠しておりません。
- *4 標準付属品FD-S1w により登録。
- *5 PC との接続が必要になります。
- ● ここに記載の内容、仕様および外観は予告なしに変更する場合があります。