事業所における環境配慮

事業所における環境配慮 全世界のコニカミノルタグループ各社で、従業員が一丸となって環境負荷の低減に努めます。

優先削減化学物質

化学物質総合安全管理計画に基づき、化学物質のリスクを低減しています。

コニカミノルタグループでは、工場で使用している化学物質の中で、有害性と使用量からリスクが高いと判断されるVOC(揮発性有機化合物)※について、1997年から自主削減目標を定め、化学物質のリスク低減に取り組んでいます。海外生産事業所を含めたグループワイドの目標であり、国内外に関わらず同じ基準で削減活動を展開中です。

VOC削減に当たっては、VOCの大気排出の影響によるリスクを、直接的なヒト健康影響リスクと大気汚染リスクの和と定義し、コニカミノルタ独自のリスク管理指標を定めています。この指標に基づき大気排出リスクを「2008年度には2000年度の1/10に削減する」という目標を2005年度に新たに掲げ、低減に取り組んでいます。

VOC大気排出総量

2007年度は、単年度の目標「2000年度の90%削減(10%)」に対し「89%削減(11%)」の実績で目標未達となりましたが、あと一歩のところまで到達しました。2008年度以降も、引き続き大気排出リスクの低減を推進していきます。

VOC(揮発性有機化合物)は、洗浄剤や溶剤、燃料として幅広く使用され、光化学スモッグなどの公害やシックハウス症候群などの健康被害を引き起こす有害物質として、近年問題視されている。

化学物質の取扱管理

化学物質のリスクを事前に評価し、事故や環境への悪影響の未然防止に努めています。

コニカミノルタでは、独自の評価基準に従った事前評価・リスク評価(安全性確認システム)を実施し、新たに使用される化学物質に対して必要なリスク管理を予め検討することにより、事故や環境への悪影響の未然防止に努めています。

2007年度は、この安全性確認システムの評価スキームの改定を行いました。これまでは化学物質固有の危険有害性および使用量でポイント計算を行っていましたが、そこに暴露形態を組み入れることで、より効率的にリスクの一次評価が実施可能となっています。

このシステムを使って、製品安全、環境保全、労働安全等さまざまな見地からリスク評価を実施し、使用を回避すべき物質、厳重な管理の必要な物質を使用状況に応じて見極め、取扱い管理の内容を決めています。

リスク評価の項目と判断の概念図 ※球の中心に近づくほど、リスクが高いといえます。

取扱い管理上注意が必要な物質を「コニカミノルタ管理物質」と定め、新たに生産工程に持ち込む場合は、国内・海外に関わらず、産業医および社内外専門家による安全措置の事前確認を行っています。

土壌・地下水汚染への取り組み

定期観測による確実な汚染状況管理。浄化促進による汚染拡大防止。

土壌・地下水汚染の原因となる化学物質を使用した履歴のある事業所で、事業所内に汚染を発見した場合は、汚染物質が周辺へ影響を及ぼすことがないよう、定期観測により確実な管理を行っています。

汚染に対する浄化や汚染拡大防止には、専門チームを編成しその管理のもとで、対策策定のための詳細調査の実施や、浄化技術の検討を行い、それらの結果に基づき取り組んでいます。

浄化の取り組み結果、観測結果の推移は、定期的に行政、近隣報告を行い、了解いただいています。

土壌・地下水汚染が確認されている各事業所の状況
事業所 物質 2007年度の進捗
東京サイト日野 フッ素 05年度発見したフッ素による汚染土壌は、06年8月土壌置換法により大部分の浄化を完了しました。引き続き地下水を観測し、周辺への影響がないことを確認しています。
東京サイト八王子 六価クロム 敷地内に設けた揚水井戸により引き続き揚水浄化と、地下水観測を行い、周辺への影響がないことを確認しています。
新たな対策として電気泳動を応用した地下水中の六価クロム回収技術を導入し、11月より稼動開始しました。
伊丹サイト 鉛、ヒ素、ホウ素、カドミウム、フッ素 05年から実施した土壌・地下水詳細調査により、光学ガラス材料として使用した鉛等5物質の環境基準値を上回る汚染を確認しました。これらの汚染は敷地内に留まっております。
行政や近隣と調整を行い条件が整いましたので、07年1月から対策工事(汚染土壌の掘削と汚染のない土壌埋戻し)に着工しました。08年度末には完了の予定です。
堺サイト TCE、PCE、c-DCE 引き続き揚水浄化を進めています。TCE、PCE、c-DCEの汚染詳細調査を実施し、汚染源に対する浄化対策を検討中です。
鉛、ヒ素、カドミウム 観測を行う中で、汚染は限定的で地下水にも影響を与えていないことを確認しています。引き続き観測を行います。
大阪狭山サイト TCE、PCE、c-DCE 揚水浄化を中心とした浄化策を引き続き実施しています。さらに汚染地下水のある帯水層を特定し、ガス吸引と揚水、さらにバイオレメディエーションを組み合わせた方法により浄化促進を進め、この方法の有効性を確認しております。現在、追加策を検討中です。
南海光学工業(株)跡地
(和歌山県海南市)
TCE、PCE、c-DCE 04年度開始しましたバイオレメディエーション法による浄化が計画通り進行し、敷地内にある観測井すべてで基準値以下を達成しました。現在経過観察中です。
豊橋精密工業(株)
(愛知県豊橋市)
TCE、PCE、c-DCE TCE、PCE、c-DCEについては多くの観測井で基準値以下に達しています。六価クロムについては05年度に浄化掘削後、引き続き揚水浄化を進めております。
また、地下水観測で敷地外に流出していないことも確認しています。今後も継続して、観測・揚水浄化を行います。
六価クロム
コニカミノルタ
オプトプロダクト(株)
(山梨県笛吹市)
TCE、PCE、c-DCE 透過反応壁、およびバイオレメディエーション法による汚染拡散防止策を継続中です。サイト内の詳細調査により検出した汚染源域に対し、地中ガス吸引と揚水を組み合わせた浄化促進策を05年から開始しました。現在継続中です。
(株)コニカミノルタ
サプライズ
(山梨県甲府市)
TCE、PCE、c-DCE 揚水浄化を一時中断し、04年からバイオレメディエーション法による浄化を開始しました。現在引き続き経過観察中です。
鉛、ヒ素、カドミウム、六価クロム、TCE、PCEはすでに使用全廃済みです。
TCE: トリクロロエチレン、PCE: テトラクロロエチレン、c-DCE: シス1,2ジクロロエチレン(TCE、PCEの分解物)

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