コニカミノルタ

アニュアルレポート2013

Giving Shape to Ideas

社長メッセージ

社長写真
厳しい事業環境の中、増収および営業増益を達成しました。持続的な成長に向けた既存事業の業容転換や新規事業の育成についても順調に進展しています。代表執行役社長 松﨑 正年
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2013年3月期は、欧州債務問題の影響を受けたユーロ圏経済がマイナス成長になり、世界経済の成長を牽引してきた新興国経済が伸び悩むなど製造業にとって厳しい状況が続きました。当社グループは「Growth」をキーワードに2012年3月期からスタートした中期経営計画『Gプラン2013』の成長戦略に沿って成長分野でM&Aを積極的に推進するとともに、各事業における主力製品の販売を拡大することによって、増収を達成し、営業利益も増益となりました。しかしながら、主力の情報機器事業では営業利益が前年比で減益となり、当初掲げた利益目標を達成することができませんでした。業容を転換するための投資に伴う経費増を、生産のコストダウンと主力製品の販売増に伴う利益拡大で補うという当初のシナリオ通りにならなかったことがその原因です。
一方、中長期的な成長に向けた取り組みに関しては、順調に進展しました。
情報機器事業においては、お客様のニーズの多様化、高度化が進んでおり、機器と保守サポートに加え、ドキュメントやITに関連する付加価値サービスの提供が求められるようになっています。このため、オフィス分野では、欧米のITサービスプロバイダーのM&Aを推進し、お客様の業務プロセス改善に対する提案力を高めました。その結果、複合機とITサービスを組合せた販売が増加するなど、従来のビジネスモデルを転換しつつ、MFP販売拡大の実績を着実に上げています。
また、プロダクションプリント分野では、企業内印刷市場における営業力、サービス力、ソリューション提案力を強化し、企業の大量印刷ニーズの取り込みを図るため、日本および韓国ではオンデマンド出力サービスで、欧州ではプリントマネジメントサービスで実績を有する、有力サービスプロバイダーをそれぞれ買収しました。
その結果、出力サービスを含む複合的提案の独自性が評価され、日本の大手企業から大型案件の受注を獲得するなど、M&Aの成果が確実に出始めています。
産業用材料・機器事業では、産業用やプロフェッショナル分野など、安定的に高い収益性を維持できる事業体への軸足のシフトを狙いとして、欧州でM&Aを実施し、計測機器分野における光源色測定領域での競争力の強化を図りました。
ヘルスケア事業では、アナログからデジタルへの事業構造の転換が進み、前年比で大幅な増益を達成しました。さらに事業規模を拡大するため、グローバルに幅広い販売網を有する販売パートナーとの戦略的提携を強化するなど積極的な施策を推進しています。
また、将来の収益源となる新規事業の育成に関しても着実な進展が見られました。産業用インクジェット事業では、当社が市場をリードするテキスタイルPOD用インクジェットプリンターの最上位機を市場投入するなど、成長分野での取り組みが進展しています。
機能性フィルム事業においてはTACフィルムに続く事業の分野を築くべく、開発を進めるOLED(有機EL)照明では、技術面でいくつかのブレイクスルーを達成し、量産化に向けた準備が進みました。
当社グループは絶え間なく変化する経営環境に機敏に対応し、グローバル競争に打ち勝って力強い成長を実現するため、経営体制を再編しました。純粋持株会社であった当社(旧コニカミノルタホールディングス株式会社)が、傘下に持つグループ会社7社を吸収合併し、商号を「コニカミノルタ株式会社」に改めました。
『Gプラン2013』の最終年度となる2014年3月期は、「成長の実現・規模の拡大」「『真のグローバル企業』への進化」「コニカミノルタブランドの認知度向上」の3つの基本方針を着実に推進し、増収増益を確実に達成することを目指してまいります。

株主・投資家の皆様におかれましては新しい価値を創造し、継続的な力強い成長を目指すコニカミノルタグループに、今後とも一層のご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。

2013年8月 コニカミノルタ株式会社 代表執行役社長 松崎正年
社長メッセージ動画(4:13)