コニカミノルタの事業の根幹を担う、製造業DXを牽引する
2025.7.25

コニカミノルタ情報システムで働いている社員にスポットを当て、社員のリアルな想いを届ける「コニカミノルタ情報システムの“ヒト”」。今回は、2017年に新卒入社されたSさんです。(インタビューは2025年6月の情報です)
・サービス開発本部 R&Dシステム部 Production System Group
・中央大学大学院 理工学部 出身
・2017年度入社
理工学部での遺伝研究から一転、未知なるITの世界へ
ーSさんは、大学院の理工学部で生命科学を専攻し、酵母を相手に分子遺伝学の研究をされていたそうですね。そこからIT業界へ進まれた経緯について教えてください。
学部4年生から大学院までの3年間、酵母を用いた遺伝子研究に没頭しました。遺伝の仕組みを解き明かす基礎研究が中心で、先輩たちの進路も特に食品系や研究職に限らず、幅広いものでした。
その中で私は、大きく3つの軸で就職活動を進めていました。大学院時代から人文系の本を読むのが好きで、編集職への興味から「出版」業界。ビールや乳飲料メーカーなど酵母を使った研究が活かせる「食品」業界、そして今に繋がる「IT」業界の3つです。ITは、将来性と安定性に惹かれたのが大きいですね。就活当時も活況で、このウェーブに乗っておけば将来も安泰だろうという考えでした。
ー大学院時代の遺伝子の研究でも、ITを使うシーンはあったのですか?
遺伝子解析サービスや分析用データベースを利用して研究を行うことはありました。自分でプログラムを組むまではいきませんが、ITの恩恵は身近で受けていたので関心も高かったです。
ーその中で、最終的にコニカミノルタ情報システムを選んだ決め手は何だったのでしょう。
社員の皆さんの人柄が大きかったですね。面接で経営陣や先輩社員と話す中で、人あたりの良さを感じて、「この人たちとなら、一緒に働いていけそう」という未来を描けました。終始にこやかで、居心地の良い雰囲気だったことを8年近く経った今でも覚えています。
ー働くイメージが湧くというのは、決定打になりますね。
大きな後押しでしたね。それと実は、もともとコニカミノルタ情報システムに、知り合いの方がいたんです。八王子の野外音楽イベントで仲良くなった方なのですが、その先輩から「うちの会社、良いよ。来なよ」と声をかけてもらって。それで会社のことを知り、応募のきっかけになりました。
ー“魅力がある会社”と自負しているからこそ、その先輩社員の方も、自信を持って知人を誘えるわけですもんね。面白いご縁ですね。ご自身の志向や理想の働き方とのマッチングは、いかがでしたか?
はい、その点も合っていましたね。外部企業の案件を幅広く請け負う独立系のSIerより、親会社が使うシステムを受託して作るような、“決まったルート”があるユーザー系SIerの方が、自分の志向にマッチしていたんです。コニカミノルタ情報システムは、コニカミノルタという大きな母体企業の情報システム部門を担うポジションですから、まさしく理想的な環境でした。
一時的な関係や、一部のフェーズを担うだけでなく、システムの構想から開発、運用・改善まで、長く見守っていけることが魅力だと感じています。
ーその分、業務理解を深めて、先導していく手腕が求められるのは大変なところでもありますが、やはり一貫して見届けられるからこそ、自分の仕事がどう役に立っているか実感しやすいですよね。

要望の奥にある課題を探り、“投資対効果”の高いシステムを
ー現在は、R&Dシステム部で、部品表管理システムの保守開発プロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)をされているとのことですが、これはどんな役割を持つシステムなのでしょうか?
部品表管理システム(BOM)というのは、「Bill of Materials」の略で日本語では「部品表」と訳されるものです。例えば、コニカミノルタの主力製品である複合機が、どういった部品構成や組み合わせでできているのかを正確にデータとして管理するものになります。電源ユニットや外装などそれぞれを組み立てる製造ラインがあるわけですが、不具合などで部品が変更になった…といった仕様変更が突発的に起こる中で、変更管理も正確に行えるようなシステムです。
ー機種によっては数万点もの部品から構成されるわけですから、その一つひとつを管理して、コニカミノルタの精度の高いものづくりを支える重要なシステムなのですね。製造業の“背骨”とも言えそうです。その責任重大なシステムのPMとして、今はどのような仕事をされているのですか?
今は、システム稼働後の保守フェーズに入っていて、「ここをこうすればもっと便利になる」といったユーザーからの要望に基づいて、機能改修を進めるプロジェクトを取りまとめています。
ーより使い勝手が良くなるよう、チューニングを続けておられるんですね。システムの改善を進める中で、PMとして意識されていることはありますか?
要望の“奥”にあるニーズを探ることですね。ユーザー側の「〇〇したい」というオーダーをそのまま具現化するのではなく、それを実現したいのはなぜか、一歩踏み込んで課題に対する解決策を練ること。目的や背景をじっくり探り、課題認識を擦り合わせていくコミュニケーションを取ることが大切だと思っています。そこを疎かにしてしまうと、投資対効果が上がっていかないですから。
要求の中には、実現が難しいことも時々出てきますが、その改修内容に効果が見込めない場合は、「それはやめた方が良いですよ」と正直に伝えています。そういったケースでも、システムで実現したい真の目的さえきちんと理解できていれば、代替案を提示できますしね。PMに求められる姿勢は、課題に対してITで何ができるか、こちらでリードしながら積極提案していくことだと思います。
製造業を支えるITの知見は、どこでも通用する価値がある
ーSさんが所属されるR&Dシステム部は、その名の通り、コニカミノルタのR&D…いわゆる市場で勝ち抜くための新製品開発などを支える位置付けということですよね。リリース前の秘匿性の高い商品やサービスをITでサポートするような業務も多いのですか?
そうですね。ご認識の通り、R&Dシステム部は主に、コニカミノルタの設計開発部門や生産部門が利用するシステムの運用・保守・開発をしており、新製品の試作機を作るための管理システムなどを扱うケースも少なくありません。私たちの部署は特に、コニカミノルタの開発設計の根幹に近いポジションに位置しており、事業にもかなり深く食い込んでいる部署だと言えます。
ーそうなると当然、コニカミノルタの経営戦略面へのキャッチアップも欠かせませんし、IT知識だけでなくメカトロニクス…いわゆる機械工学や電気・電子工学の知識なども必要になりそうです。
そうですね。例えば、ユーザーが毎日のように使う設計ツールでは、「〇〇を厳密に確認可能にしたい」「〇〇のデータと△△を連携できるようにしたい」など、業務ベースに沿った専門的な要望がたくさん出てきます。製造のプロセスや品質へのこだわりなどを理解した上で、それが仕組み的にできるかどうか、どう改善して叶えるか、舵を切っていくのが私たちR&Dシステム部の仕事です。
扱う製品やシステムに即したハードウェア面の専門知識は、一朝一夕で身につくものではなく、OJTで地道に学んでいきます。担当する製品が、どんなフェーズを辿って開発され、量産されていくのか、どんなソフトやツールが使われているのか。そのシステムはどんな仕様なのか。ものづくりの現場を知り尽くすことで、真のニーズを掴むトレーニングを重ねていくことが大切です。
ーソフトウェア、ハードウェア両面の知見を求められる特殊な立ち位置ですね。メカ設計や電気設計にまつわるバックグラウンドを持っている方は、培ってきた専門知識やスキルを活かせそうです。
そうですね。ユーザーの“潜在的なニーズ”を汲み取る上で、アドバンテージになると思います。
ーコニカミノルタ情報システムで得られる経験は、今後のSさんのキャリアにとって、どんな魅力や価値があると感じていますか?
製造業を支えるITのプロとして得た知見は、これからどんな分野へ身を移しても通用すると感じています。自動車も食品も家電も医薬品も、どんな製造業においても、一連の製品開発プロセスは共通するものです。その製造プロセスの最適化・効率化を図る上で必要となる、現状分析やボトルネックの特定、仕組み作りや継続的な改善の実践経験は、あらゆる現場にも活きるものだと思います。
また、コニカミノルタという大きい母体を持つからこそ、プロジェクトの規模やIT投資のスケールも大きいです。グローバルでダイナミック、かつ最先端の案件で経験値を積めるのは大きな魅力ですし、エンジニアとしての市場価値を高めてくれると考えています。

受け身ではなく、ITのプロとしてリードできる存在へ
ーこれからの目標について教えてください。
運用・保守のスキルだけでなく、“業務寄り”の知識を身につけることが重要と考えています。ユーザーの業務知識や製造プロセスを深く理解し、こうあるべきという青写真を描ける知識を蓄え、技術力を高めたいです。また、最新のIT動向を注視し、例えば今であれば生成AIをユーザーの業務にどのように取り入れるのが有効か、検証を重ねることも大切と考えています。ITのプロとして、受け身の仕事ではなく、ユーザーをリードしながら改善提案していく存在になっていきたいですね。
また、何がベストプラクティスなのかを問う姿勢を忘れないようにしたいです。今は、部門ごとに様々なデータベースやシステムが稼働していますが、運用していく中で導入時の目的が薄れ、「これまでこうだったから同じ方向で…」と機械的に更新するケースも生まれがちです。“製造業の情報システムとしてあるべき形になっているのか?”“リードタイムを減らす最適な手段が取られているのか”など、常にクエスチョンを頭に置き、改善を働きかけていける高い視座を持ちたいです。
ーコニカミノルタの事業や製造領域に深く踏み込み、ITによる解決アイデアを一緒に考えていく。そんな上流の動きを、ますます強く求められつつあるのですね。“事業パートナー”として期待されているからこそ、手応えある仕事ができ、キャリアの可能性を広げるチャンスに繋がっているのですね。
私が大切にしたいコニカミノルタのバリュー
Open and honest
Customer-centric
顧客の業務課題に対して向き合い、システムを通して“何を実現したいか”を掘り下げて、改善策を提案することを大切にしています。ただ要求を受け入れるのではなく、改修の必要性やその手法について慎重に見極め、ITのプロとして、“投資対効果を最大化”するための模索を行います。


