“ITのプロフェッショナル”として、個人も組織も存在感を高めていく

2025.5.14

コニカミノルタグループでは、グループの親会社である「コニカミノルタ」とグループ唯一の情報機能会社である、当社「コニカミノルタ情報システム」との間で人財の流動性を高める取り組みが動き出しています。取り組みの狙いや背景、得られる社員の成長機会などについて、システム開発本部長の浅田氏にインタビューを行いました。ぜひご覧ください。

システム開発本部 本部長
浅田 敦(Atsushi Asada)
兵庫県神戸市出身。コニカミノルタとして経営統合する前の旧コニカに新卒社員として入社。その後、コニカミノルタ情報システムの前身の会社で、グループの様々なITソリューションを担当。コニカミノルタのIT企画部門やアメリカの販売会社への海外赴任などを経て、IT戦略の立案や事業活動の経験を積む。17年ぶりにコニカミノルタ情報システムへと復帰し、2024年4月より現職に着任。

グループ唯一の情報機能会社として、ITを通じて変革を加速させる

– 「コニカミノルタ」と「コニカミノルタ情報システム」が人財交流による連携を活性化させていく背景を教えてください。

外部環境を見渡しても、クラウドや生成AIなどをはじめとする近年のデジタル技術を活用したDX推進の潮流には目覚ましいものがあります。ITに関わる者だけではなく、一般ユーザーの仕事のスタイルやプロセスそのものを変えるほどのインパクトがあり、もはや見過ごせない存在になっていますよね。

コニカミノルタグループ内部でもデータ活用とAI活用を進め業務生産性と顧客への提供価値の向上を図るべく各事業部、各部門でDX推進の取り組みが行われています。

そんな中で、コニカミノルタグループ唯一の情報機能会社としての「コニカミノルタ情報システム」は、どのような存在であるべきなのか。もちろん、これまでのようにグループへのICT支援を通じた後方支援をしていくことも大切です。その上で、もう一歩踏み込んで、グループの変革の加速に向けて、私たちが“ITのプロフェッショナル”として、新しい技術に積極的にチャレンジし、専門性や技術領域を拡げていくこと。商品開発や販売戦略、生産技術、組織運営など様々な面でDXを推進するべく、IT活用の期待が高まっています。その期待に私たち自身が応えられる存在になっていくことが必要不可欠です。

– グループとしてIT推進をする上で、情報機能会社である「コニカミノルタ情報システム」への要請が高まっているということでしょうか?

そうですね。期待はますます大きくなってきており、今回の連携強化の大きな目的となっています。

私自身の経験としても、これまで事業に近いところで仕事をする機会が多くありましたが、実際にITを活用するユーザーサイドの理解に課題を感じることもあったのは事実です。例えば、何を作り、何を顧客に販売しているのかわからない、どうやって事業として儲けているのかわからない、そこにどんな人がいてどんな状況なのかがわからないなど、ITの利活用やDXの話を進める以前に、そもそも“ユーザー理解”が不足しているのではないかと感じていました。

これまでは、コニカミノルタ本体のIT企画部門がグループ全体のIT戦略を立案し、それを実行するのがコニカミノルタ情報システムという立ち位置だったと思います。ただ、これからはそのような受け身な立場ではなく、コニカミノルタ情報システムがグループ唯一の情報機能会社として、会社の垣根を超えた形でIT人財の流動性を高め、適材適所の人財の配置を進めることで、よりスピーディーにユーザーへ価値を届けていくとともに、戦略の上流サイドからも積極的に関わっていくことが期待されます。

社内だけではなく、グループ内へも活躍フィールドは拡がる

– ますますグループ内での期待が高まる上で、コニカミノルタ情報システムの社員として、どのような心持ちが必要でしょうか?

コニカミノルタ情報システムの役割そのものは大きく変わりません。ただ、先ほどお話しした通り、最上流面も含めて期待される領域が拡大することになるため、当社の社員にとってはキャリアパスの幅も同様に拡大するチャンスになるはずです。

これまではプロジェクトの実行提案から実装、テスト、保守を担うのを当社側のスコープと捉えていたかもしれませんが、例えば、ERPをはじめとした基幹システムや共通基盤のグローバルでの方向性を決め、戦略を立てるといったガバナンス面での役割を担っていく人財も今後はもっと出てくるはずです。

個人のキャリアの中でも、これまではコニカミノルタ情報システム内部だけの人事異動がほとんどだったものが、異動する先にコニカミノルタ本体のIT企画部や事業部門、海外関係会社への駐在などもこれまで以上に多くなるでしょう。グループの売上の海外比率が約80%ありますので、海外のグループ会社との仕事も増えています。グローバルな視野でも活躍できるフィールドは拡がってくるはずです。

– 社内の異動だけではなく、コニカミノルタのIT戦略部門や事業部門も含めて人財交流が進むということですね。

はい。そのようなイメージです。そうなると、一つの開発案件をとっても、請け負う形で取り組んでいる仕事に関しても、異動によってユーザー側で発注する立場になるなど、逆の立場で関わるような可能性もあるわけです。

ですので、みなさんの日々の仕事についても、その背景にある会社や事業の状況、狙いなどを今まで以上に理解するように心掛けていきたいですね。コニカミノルタ情報システムのことだけではなく、コニカミノルタ全体の視点をもって各プロジェクト案件を理解していくことが大切になってきますね。

ユーザーの深い理解が、コニカミノルタ情報システムの強みに

– 上記のような環境変化の中で、どのような人財が求められ、このステージで活躍できると思いますか?

先にもお話した通り、今ある目の前の自身の仕事や役割の範囲だけではなく、その先にいるユーザー、その部門、事業、会社全体のことを理解するように取り組む意欲のある人にとっては、連携強化が進むことでその先のキャリアが拡がることにもダイレクトにつながっていくことでしょう。

また一方で、これまでのようなITを実装する業務も無くなるわけではなく、むしろグループへの存在感が高まることによってプロジェクトは増えていくものと思います。その際に、ユーザー理解や新技術の理解などを強みにできる人にとっては、これまで以上に活躍の場は拡がっていくはずです。

共通して言えることは、”IT”という手段を通じて、問題解決に取り組み、困っていること、実現したいという声に耳を傾け、ユーザーの背景にある想いを受け止めることです。そういう意味では、特に上流面で必要となるコンセプチュアルスキルやロジカルシンキング、経営陣やユーザーとやり取りする上では高いコミュニケーション能力も必要になってくるでしょう。

もちろん、経験を積むことが習得する上でいちばん早い方法ですが、会社としてもベースとして必要な基礎的なスキル、そして担当業務に特化したスキルの両方について人財育成の施策を開始し、サポートをしていきます。

– ありがとうございます。最後に今後のコニカミノルタ情報システムを担っていくみなさんにメッセージをお願いします。

ユーザーにとって、ITサービスとは何かを考えると、その対象は作業であったり、業務プロセスであったり、環境であったりと状況は様々ですが、その多くは”人”に対するサービスになると思います。我々のようなユーザー系の社内SEの強みは、「コニカミノルタのことや業務、プロセス、ルールや仕組み、環境、そこにいる人を熟知していること」に他なりません。ユーザーやコニカミノルタ全体のことを熟知しているからこそ、かゆい所に手が届き、先回りした提案ができるはずです。

コニカミノルタというグローバル企業として様々な事業ドメインを持ち、様々な領域(開発、生産、販売、バックオフィス、コーポレートなど)の中で、これまで担ってきたITの実行面(主に要件定義以降の工程と保守・運用)だけでなく、戦略・企画といった最上流までを担うことにチャレンジすることが可能になります。国内外問わず、事業や部門に幅広くユーザーがいるコニカミノルタは、ITの上流を極めていく上では恵まれた環境だと言えると思います。

みなさんと一緒に「コニカミノルタ」のITのプロ集団として成長していきたいと思っていますので、一人ひとりが向上心を持って取り組み、ともに成長していきましょう。