角田直子写真展「White Sands -息づく砂丘-」

展示概要

作者コメント

米国ニューメキシコ州にあるホワイトサンズ国定公園を初めて訪れたのは、20年以上も前のことになる。

その時はただの観光客として友人達と記念撮影をしてすぐに帰ったが、雪原のような白い砂丘と幻想的な雰囲気が非常に印象に残っていた。それから15年後、写真撮影のために再び訪れた私は、たちまちその魅力にとりつかれ、それから毎年撮影に行くようになった。

どこまでも続く白い砂丘が光によって色を変え、刻一刻と風紋は変化していく。どこからともなく現れては消えて行く不思議な雲は、まるで目に見えない存在に操られているかのようだ。そして、動植物は環境に適応してたくましく生きている砂丘の大切な住人だ。

一見、無機質にも思える石膏の粒でできたこの白い砂丘は、まるで意志や心を持ち絶えず呼吸している生き物のようだ。その情景を捉えようと足掛け8年、10回に亘る訪問で撮り溜めた作品をまとめて写真展を開催することとした。

作者プロフィール

角田 直子(つのだ なおこ)

香川県生まれ、千葉県在住

2005年
独学で写真を始める
2008年
写真集「sand planet」出版
2010年
サンフランシスコ日本領事館にてグループ展
2011年
キヤノン企業カレンダー世界版作家
2012年
写真展「ゲニウス・ロキ -地球に宿る精霊達―」コニカミノルタプラザにて開催
同内容の写真集出版
2014年
写真展「Light Magic ―神秘のモノ湖―」コニカミノルタプラザにて開催
カレンダー、ポスター、雑誌等に写真を提供

展示作品

カラー A2、A1 約40点(予定)

作者の制作現場

作者の撮影ノートより

撮影の前に

風景写真撮影は、どこへ行くにしても下調べや機材の選択が大切ではありますが、砂丘での撮影でも、天候や季節、太陽や月などの条件を考えて、衛星写真の地図を参考にしながら、あらかじめどの辺りに向かい、どのように撮影するのかなどをイメージします。しかし、砂丘の中に入ると、只々白い砂の大地が広がるだけで、方向感覚もなくなり、GPSだけが頼りであるし、どのような風景が目の前に現れるのかは全くの未知数。気に入った場所はマークしておきますが、再び訪れてみても前回とは違っていたり足跡だらけだったり、光の当たり具合では全く良くなかったり・・・と予測不可能な撮影となります。毎回、砂対策、日光対策、飲料水に加え、どのようなことになっても後悔しない機材の選択をしつつフットワークが軽くなるよう荷物を少なくして、期待と不安を胸に宝探しの旅をする気分で撮影に出発します。

最も印象に残ったこと

今回の写真展のDMで使用している作品を撮ったのは、ホワイトサンズの撮影はこれで最後にしようと思っていた最終日の朝のことです。事前に特別な許可を取って夜明け前から公園に入ることになっていましたが、係りの人が私のことは忘れていて、たまたま他の人のために来ていたので、運よく入ることができました。そして、いつものように心の赴くまま歩き出しましたが、取り立てて面白くなりそうな雲は無く、せっかく来たけれど平凡な日の出になるのかな?と残念に思いながら撮影ポイントを探していました。ところが、日の出が近付くと、それまでほとんど何も無かった空にモクモクと雲が湧き出てきて、まるで龍が踊っているかのような雲が空いっぱいに広がってくれました。と、同時にあたり一面ピンク色の世界になり、まるでホワイトサンズが祝福してくれているかのようでとても嬉しくなりました。

作品エピソード

ホワイトサンズの白い砂は、石膏の粒からなる無機物ではありますが、そこに光、風、雲などが絶妙に組み合わされると、まるで生きているかのような景色が目の前に繰り広げられます。そして、特異な環境に順応した動植物は、たくましく生き抜きホワイトサンズの風景に彩りを添えてくれています。毎回、行く度に変化する砂丘は、いつも新しい発見や驚きに満ちていて、とても魅力的な被写体でした。しかし、ホワイトサンズ国定公園は、米軍ミサイル実験場の中にあるためか、入園時間の制限があり、自由に撮影することができません。朝は開園と同時に入って砂丘に走っていき、夕方は公園レンジャーに帰るように催促されながらもギリギリまで粘って夕暮れの撮影をしました。「White Sands 息づく砂丘」は、足掛け8年、10回に亘り白い砂丘に命宿る情景を追い続けて撮り溜めた作品です。多くの方にホワイトサンズの魅力を感じとって頂ければ幸いです。

同時開催

運営終了のお知らせ

当館は2017年1月23日を以って運営を終了しました。長い間ご愛顧いただき、本当にありがとうございました。

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