吉川恭平 写真展「牛深」

展示概要

作者コメント

牛深の人口は約7600人、熊本県天草市の最西南端に位置する町。牛深の語源は “潮深(うしおぶか)”とも言われ、入江は深く山に迫り山海の恵み豊かな場所で、カツオ船などの漁船のシケや風待ち港として栄 えた歴史のある港町です。「せどわ」と言われる小さい路地が町中いたるところにあります。カツオ漁、イワシ 漁で栄えていた頃の漁村です。けれども、今では少子高齢化や不漁などにより人口も減り、衰退都市と言わ れています。それでも私は生まれ育ったこの牛深の町が好きで、漁業で働いている人や遊んでいる子供たち の姿を見ているとほっと安心してしまいます。町の姿はちょっとずつ変わっていくけれど、変わっていく姿をこれからも記録として撮り続けたいと思います。

作者プロフィール

吉川恭平(よしかわ・きょうへい)

1996年 熊本県生まれ
2016年 九州ビジュアルアーツ 卒業

展示作品

全紙、B0 約35点

作者の制作現場

作者の撮影ノートより

撮影の前に

撮影を始める前に、私はいつも撮影に失敗しないか心配になります。
フィルムで撮っていると、撮った写真がその場で見られないので、ちゃんと撮れているのかとよく思ってしまいます。それがフィルムの面白さでもあるのですが。
特に人物の撮影をしたときに、もし失敗していたら相手に凄く申し訳ない気持ちになってしまいます。写真を撮らせていただいたのにフィルムが空回りしていたり、入っていなかったりしていると全てが台無しになってしまいます。
なのでフィルム撮影を行う場合は必ずフィルムが入っているか、確認を入念にしています。

最悪な体験

私はいつも地元の撮影をしているのですが、ある日35mmのフィルムカメラを持って撮影をしていて、1本撮影が終了したのでフィルムを巻いていると、何かいつもと違う感じがしました。しかし、気にせずにフィルムを取り換えて撮影を続けました。そして全てのフィルムが尽きたので現像を行いました。違和感があったフィルムを現像してみると、何も映っていなかったのです。いつも2本ずつ現像していますが、片方は現像出来ていたので現像で失敗はしていません。だとすると、やはりフィルムをカメラに入れた時にしっかりはまっておらず空回りしていたのです。これはやってしまったと思い、これが私にとって最悪の体験でした。

最高の出来事

撮影のために港を歩いていると、漁を終えた漁船が船着き場に着いていて、お爺さんとお婆さんの夫婦が魚の整理をしていたので、声をかけてみました。すると凄くいい人で、話していると余った魚をあげると言って、数匹の魚を貰いました。私は嬉しくてお爺さんに、写真を撮ってもよろしいですか?と聞いたら、最初は恥ずかしがっていましたが、撮らせてくれて優しいお爺さんでした。私はいただいた魚を持って帰り、早速調理して食べたら凄く美味しく、感動しました。私にとってこの出来事が最高の出来事でした。

同時開催

運営終了のお知らせ

当館は2017年1月23日を以って運営を終了しました。長い間ご愛顧いただき、本当にありがとうございました。

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