齋藤大輔 写真展 「石巻市定点撮影 2011/2015」

展示概要

作者コメント

東日本大震災で東北最大の被害を受けた宮城県石巻市。震災とその後の復興がもたらす街の変貌を捉える事が出来れば、との考えから、2011年5月から現在まで継続的に定点撮影を行っている。今回の写真展では2011年と2015年に撮影した、旧北上川河口周辺約40箇所の写真を展示する。震災直後の風景と現在の風景を対峙させる事によって、4年間の街の変化を表出させる試み。

少しずつ過去の出来事となってゆく震災と、復興によって姿を変えてゆく被災地について改めて再考する契機になればと思う。

作者プロフィール

齋藤大輔(さいとう・だいすけ)

1982年 東京都生まれ
東京造形大学卒業
出版社、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス
写真展「sight seeing」(同タイトルでガレリアQにて2007年から4回開催)

展示作品

モノクロプリント 大四切他 約75点

作者の制作現場

作者の撮影ノートより

撮影の前に

震災直後、震災と被災地について多くの報道がなされたが、4年が経過した現在、人々の被災地への関心は当時とは大きな隔たりがあるように感じられる。定点撮影では時間の経過によって立ち現れる街の変化を、明確に捉えることが可能である。日本では戦災や災害によって大きく被災した街は、再建の際に大規模な再構築が行われる事が多い。震災を契機として石巻の街に大きな変容が起きる。その変容を写真で捉える事によって、震災とその後の社会について考える事ができるのではと思い、撮影を行っている。

最も印象に残ったこと

震災から4年が経過し、街の復興が少しずつ進んでいく。しかし、復興によって再建される街は震災以前と同じ姿をした街とはかぎらない。石巻は川湊の街として発展した歴史を持ち、人々の生活と海や川は親密な関わりを持っていた。復興計画に関連して、川岸の巨大な堤防建設や水辺の地域の居住制限などが予定されている。些細な事柄かもしれないが、旧来から続いてきた海や川と人々との関係性に変化が起こる事となる。再建が終わった新しい街では、人々の暮らしや街の風土はどのようなものになるのだろうか。

作品エピソード

撮影開始当初は定点撮影のノウハウが無く、撮影を重ねながら精度を少しずつ上げていくことになった。場所によってはカメラの位置が50センチずれただけでも、画像に大きなズレが生じ、定点撮影としての写真の精度が低くなってしまう。また、目標物が撤去され撮影地点が分からなくなってしまったり、草木が生育し画面に大きく入りこんでしまう事などがあった。撮影開始から2年ほどは市内の約300箇所で定点撮影を行っていたが、現在では必要と思われる約100箇所ほどに絞り込み、撮影を行っている。今後、10年、20年と長期間にわたって定点撮影を続けてゆき、震災が街へ与えた変化を記録として残してゆく事ができればと思っている。

同時開催

運営終了のお知らせ

当館は2017年1月23日を以って運営を終了しました。長い間ご愛顧いただき、本当にありがとうございました。

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