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展示スケジュール
2014年5月の展示
郡川正次 写真展「二つの町 木更津―富士」
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郡川正次 写真展「二つの町 木更津―富士」

展示内容の詳細


作者の撮影ノートより

撮影の前に

昨年、川崎を取材した写真展「土地の記憶、ときの名残り」を終えてから、次は何を撮ろうかとぼんやり考えていた。その時頭に浮かんできたのが柳沢信さんの「二つの町の対話」だった。そうだ、あれをもう一度やってみよう。それもローカリティーが豊かだった柳沢さんの時代と違って、地方の独自性が希薄になった2013年の現在、二つの町を向かい合わせたらどうなるのだろうと思いついた。
木更津。東京から高速バスで1時間ほどで行ける町。それでいてなぜか遠くに感じられる町。そんな理由でこの町を選んだ
「写真撮るんだったら10月がいいよ。秋になったら空気が澄んで富士山がとってもきれいに見えるサ」。木更津港の岸壁。石ガニが沢山入ったかごを海から引き上げていたおじさんが言った。
富士山。そうか久しぶりに富士市に行ってみよう。二つの町を見つめるために。

最も印象に残ったこと

私の古い記憶には富士市が公害の町だったころの景色が鮮明に残っている。当時異才と呼ばれていた写真家の助手をしていた私は、先生のお供をして田子の浦港を訪れたことがあった。そこには製紙工場からの廃液がブクブクと泡立っていて、悪臭を放つヘドロの海が広がっていた。日本が高度成長で沸き立っていたころの話だ。
それから四十年。汚染されていた工場排水はすっかりきれいになり、町のあちこちを富士山の伏流水を水源とする美しい川が流れている。
7月の午後、町はずれ。学校の体操着のまま川で泳いでいる中学生の少女たちに出会った。「そんなびしょ濡れで帰って、家の人にびっくりされないの?」と話しかけたら大丈夫だと言う。多分しょっちゅうこんな事をやっているのだろう。「写真撮ってもいい?」と聞いてみると、少女たちはちょっとはにかんだように顔を見合わせて「顔が分からなければ」と答えてくれた。

作品エピソード

木更津の街、その中でも駅西口から続く旧市街では街を歩いている人があまりいなくて、なんだかひっそりとしている。街の中心地でもシャッターが閉まった商店と、建物が取り壊された後、手つかずのままになっている空き地ばかりが目に付いてしまう。
初夏。大きな神輿で有名な八剣八幡神社祭礼の日。古い店の前で撮影をしていたら「模型の国の写真を撮ってるの」と肩越しに声をかけられた。振り返ると祭りの浴衣を粋に着こなしたおじいさんで模型店の主人だという。五十年以上も続いているというこの模型店はこれまでいったい何人の子供の夢を育んできたのだろう。
その後夏の暑さからしばらく木更津への足が遠のいていたのだが、写真を手渡そうと思いしばらくぶりに模型の国を訪ねてみると店は閉まっていて小さな貼り紙がしてあった。見るとそこには閉店したことが上手な手書き文字で記されていた。


アクセス

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〒160-0022
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)
開館時間 10:30~19:00
(最終日は15:00まで)
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