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「Sign -写真家たちの311-」

展示内容の詳細


トークショー

6名の写真家によるトークショーを開催

6名の写真家によるトークショーを開催2011年8月7日(日)午後2時より、コニカミノルタプラザ・ギャラリーCにて、「Sign ―写真家たちの311―」に参加した6名の写真家によるトークショーを開催しました。アジアプレス・インターナショナル代表、野中章弘さんの進行のもと、東日本大震災の被災地に赴いてシャッターを切り続けた6人の、取材の模様やそれぞれが抱いた被災地・被災者への思いなどを、約1時間にわたり語っていただきました。

拍手に迎えられて、關口寛人さん、今村拓馬さん、山内浩さん、佐藤慧さん、渋谷敦志さん、安田菜津紀さんがステージに登場。まずは、山内さんの発案に他の方々が賛同して決まったというタイトル「Sign」のお話からトークショーがスタート。そして、それぞれがどのように3.11を受けとめ、被災地の撮影へと向かい、どう関わったのかを、お1人ずつギャラリーに展示された作品を見ながら語っていただきました。

關口寛人さん

關口寛人さん3月12日、仕事で石巻市へ入った關口さんは、その破壊の様子に、ここは日本じゃないんじゃないかと感じたそうです。建物等が比較的残っていながらも、津波によってそこに孤立する多くの人々の姿を目にし、取材を続けるうちに遺された方々の多様な被災の形に触れたといいます。それ故に、人間の感情が出ているものを写真にしたいと思い、被災の状況よりも人物に焦点を当てた作品が多くなったと語ってくださいました。

今村拓馬さん

今村拓馬さん以前から子どもの写真を撮ることが多かったという今村さん。地震が起きてからは、なかなか機会に恵まれず、子どもたちがどんな環境でどう過ごしているのかずっと気になっていたそうです。4月になって避難所にいる子どもたちを撮影することができ、その様子を語ってくださいました。遊び場がなく、発散できないことで抑圧を感じていたり、一見明るくふるまっているものの複雑な思いを抱えていたり、子どもたちの様子から震災の大きさを知らされたといいます。

山内浩さん

山内浩さん報道の仕事で現地をまわるうちに「自分なりの記録の残し方ができないだろうか」と表現方法を模索した山内さん。選んだのは、パノラマカメラを使ったモノクロ写真でした。被災の様子をランドスケープ的に記録することで、自然に対する“畏怖の念”を視覚化し、常に心に刻んでおけると考えたそうです。一面ががれきに覆われた光景、中でも南三陸町で目にした破壊の凄まじさを語りながら、この震災を作品化する意義について話してくださいました。

佐藤慧さん

佐藤慧さんご家族が被災された佐藤さんは、他の方々の作品とは「少し違います」と、今回の撮影に至った経緯を語られました。その写真は、意図的に何かを伝えるためというよりも、ごくパーソナルな視点をそのまま記録したものだといいます。「私自身の物語を通して、見てくれた人が自分の物語としてその痛みを理解してくれれば」と話されていたのが、とても重みのある言葉として心に残りました。

渋谷敦志さん

渋谷敦志さん写真家として自然災害を伝えることに自分なりのこだわりがあったにもかかわらず、今回は“言葉にならない”状況だったと話す渋谷さん。積極的に現地での撮影を続けていたある日、取材拒否がきっかけで被災者とどう向き合っていいのかわからなくなったといいます。それでも、焦らずに向き合っていくことを決意し、震災の影響で変わりつつある自らの写真について語ってくださいました。

安田菜津紀さん

安田菜津紀さん佐藤さんと行動をともにし、震災を経験するうちに、安田さんは撮影への意欲を失っていったそうです。転機が訪れたのは、陸前高田市の或る小中学校で記念写真を撮るお手伝いをしたとき。その日を境に写真のなせる役割が自分の中で大きく変わったといいます。また、写真のNPO活動で被災された方々と接し、大切な人との思い出をつなぎとめるものとして写真の役割が大きいことも痛感。だんだんと"伝える"から"残す"に自分の写真への意識が変化していることを話してくださいました。

最後は、写真家のみなさんに今後の活動を含めた感想を伺いました。復興を急ぐばかりに現地が"何もなかったように"きれいになっていく姿に違和感を覚えると語った山内さん。そして、復興は必要だが"死"を悼む時間も大切だとおっしゃっていた佐藤さん、安田さん。被災地や被災者への思いが感じられるお話は、多くのお客様の心に響き奥深くに刻まれたことと思います。

6人全員が今後も3.11と関わり続け、さらには、被災地でのよりパーソナルな関係を続けていければと語ってくださいました。それぞれの思いで震災の現実と向き合い、人間の命や人間の営みを見つめ続けていく写真家たちに拍手のエールが送られ、今回のトークショーは終了となりました。本日もたくさんのお客様にご参加いただきありがとうございました。


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