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尾辻弥寿雄 写真展


作者の撮影ノートより

新たな試み

過ぎ去った時間を写したい。
今という時間と空間を写しとめる道具であるカメラで、過ぎ去った時間を写したいと鎌倉の街を歩きながら考えていました。歩き回るうちに、過ぎ去った時間は遺跡だけでなく、光や風や空気の匂いなど無形の中にも凝縮されて漂っているように感じました。そこで鎌倉の”今”を粗い粒子のフイルムで漉してみました。それが成功したかどうかは見る人にゆだねるとして、歴史という名で呼ばれる幾多の出来事が積み重なった時間に、微かながらも触れたような気がします。

最も印象に残ったこと

景色の中に凝縮した時間を感じる。
夜の海に突き出た稲村ガ崎をレンズ越しに見たとき、岬の存在感は肉眼で見た印象の数百倍にも増幅されて迫ってきました。そのとき、源頼朝が立てこもった鎌倉という砦の城壁であったという古(いにしえ)の時間を見たような気が湧き上ってきました。雪に覆われた由比ガ浜では、その昔寒村であったころの空気が流れているようでした。鎌倉彫の彫り師の指に、権力を掴もうとする武士たちの気骨を感じるのです。昨年の初春、鶴岡八幡宮の御神木であった大銀杏が強風のため根元近くから折れ倒れました。伝説の御神木から歴史の一部となった瞬間でした。
商店の片隅や喧騒の人込み、路地を塞ぐ樹にさえ凝縮した時間の存在を感じます。何よりも耳を澄ませ目を凝らすと、頼朝をはじめ鎌倉の武士団の「城塞都市・鎌倉」の気配が立ち上るようでした。

今後の作品制作について

歴史が染み込んでいる街を取り続けたい。
鎌倉の撮影を再開したのが4年前、2007年以降の作品を今回展示します。構成上、数点それ以前の作品もあります。また、2003年にも鎌倉を被写体にした写真展をコニカプラザで行いましたが、その時と今回、二つの写真展で使用した作品を中心に編集した写真集「鎌倉景」を同時に発行します。会場に持参しますので一緒にご覧ください。
これまで、鎌倉、長崎と日本史の出来事をその大地に刻み込んできた街を撮影してきました。これからもこの視点をかえず、あたらしい街での撮影を始めています。

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