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金子裕昭 写真展


作者の撮影ノートより

新たな試み

セレンゲティに通い始めて10年。最初は野生動物達をきれいに撮影する事にこだわっていた。例えば真っ赤な太陽と動物達、朝夕の光が照らし出す動物達等…。しかし、4~5年程前から動物達の暮らしの中の一瞬に、こだわるようになった。元々私は撮影期間中はテント生活なのだが、「何故テントなのか?」は、自分自身を最も自然に近い場所に置く事で、より動物達の気持ちに近付ければと考えたからだ。広く美しくのどかに思われるその風景は、日中はとても暑く夜はとても寒いという厳しい環境の中に成り立っている。そんな環境の中に暮らす動物達の生活の一コマをありのままに撮影し、彼らの気持ちになって表現していく事で、この素晴らしいサバンナをもっと深く知ってもらえると考えたからだ。

最も印象に残ったこと

3年前の事だった。その日は撮影最終日で、セレンゲティを出発して町へ戻る帰り道、行く手にキリンが見えた。そのキリンは母親らしく子供3頭と一緒だったが、子供は疲れたのか皆座り込んでいる。車を止め、キリンまで約40mといった所、私はカメラを構え撮影を始めた。しかし、キリンの母親はじっとこっちを見つめている。そう、不安なのである。子供を抱えているからなおさらの事だ。こちらに悪気はなくても相手は不安一杯なのだ。するとキリンの左後方から、昔からここに住んでいるマサイ族のおばあさんが歩いてきた。どんどんと近付いてくる。距離にして約10m、キリンの前を何を気にする事もなく通り過ぎた。また、キリンも全く気にする素振りも見せず事は終わった。太古の昔からここで暮らしてきた仲間なんだなぁと思った時、本当に自分も同じ人間なのかと考えさせられた瞬間だった。

今後の作品制作について

これからも私は大好きなTanzaniaのセレンゲティの地を訪れることだろう。あの場所に行くと故郷に戻ったような気がしてならないし、野生動物、Tanzaniaの人々と接していると、自分自身に力がみなぎる。今後のテーマとして、人と野生動物の共存を目標に撮影に臨んでいければと考えている。共存と言えば難しいと思われるだろうが、私にはそうとは思えない。何故なら周辺に住むマサイ族は昔から野生動物と共に共存してきた。それは彼らが必要以上に動物を狩る事もなく、自然に身を委ねて生活してきたからだと思う。一人一人の人間が自然の恩恵があるから生きていけるという事を理解し、自然に対して少しでも思いやりを持って行動すれば、簡単な事ではないのかなぁと考える今日この頃である。

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