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榎本聖一写真展


作者コメント

1971年、真夏のウィーンから夜行列車でヴェネツィアに着いた。寝惚け眼の私は駅舎から出るなり建物や運河に反射した強烈な地中海の光線の洗礼を受けた。そして、運河の水面に映る建物や橋の形や色が太陽の位置や風の強弱によって、限りなく変わり続ける躍動感に溢れたスペクタクルに感動した。
この生気に満ちたうねりくねったバロック的映像をフィルムに留めるため、3年ほど前からしばしばヴェネツィアを訪れている。
華麗な歴史のヴェネツィアを思い描きながら迷宮を徘徊する観光客や現代社会の慌ただしい日常生活に追われている住民にとって、清掃人は“目に止まらない”存在であり、精々ベンチや街灯のような町の背景の一部でしかない。しかし、彼らこそアドリア海に浮かぶ水の都の生理を根本から支える陰の主役であり、寡黙で慎ましく、それでいてエネルギッシュに働く姿に私は強く惹かれた。今回発表する写真はワゴン車を引いて狭い迷路を往き来する彼らを追い続ける過程で捉えたヴェネツィアである。

作者略歴

榎本聖一(えのもと・せいいち)

1949年 東京都生まれ
1971年 芝浦工業大学建築工学科を中退
2004年 「写真:見ることは再び見ることである」展に出品
トリノ市立近現代美術館/イタリア
2006年 個展「永遠の時 榎本聖一のサルデ-ニャ」を開催し図録を出版
カリアリ市立文化センター/イタリア
2007年 個展「永遠の時 島国サルデ-ニャ」
銀座ニコンサロン
2008年 個展「都市のポートレート:ヴェネツィア」
ギャラリーパンジェア/イタリア、パドヴァ

展示作品

モノクロプリント 四切  約55点


アクセス

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〒160-0022
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)

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