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宇井眞紀子写真展


作者の撮影ノートより

新たな試み

2001年出版『アイヌときどき日本人』、2004年出版『ASIR RERA:AINU SPIRITS』では、共に銀塩モノクロ写真でアイヌ民族を表現してきました。今回は、2006年以降撮り始めたカラー写真(デジタル)も含めて、展示します。当初、色は邪魔、モノクロの方がより想像力が働き、アイヌの精神文化を感じてもらえるのでは、と思っていました。しかし、18年間撮り続ける中で、「今を生きるアイヌ」を表現するには、カラーもいいな→必要だなと変化してきました。2009年に16ページ増やしてリニューアル出版した『アイヌときどき日本人(増補改訂版)』では、制作上の都合で、カラーで撮影したものもモノクロで印刷されています。今回は、カラーでご覧いただきたいと思います。また、16ページに納まりきらなかった未発表の写真を多く展示します。

最も印象に残ったこと

2008年6月6日、やっと「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採択されました。採択の瞬間、私もアイヌの友人たちと並んで、傍聴席にいました。「今までの同化政策に対する根本的な反省も謝罪もなければ、諸手を挙げて喜ぶことはできない」と言っていた人たちも含めて、皆の眼に熱いものがこみ上げていました。「頑張って頑張って、亡くなっていったエカシ(長老)やフチ(おばあさん)のことを想ったよ。先住民族だという言葉を聞かせてあげたかった」と、今はフチと呼ばれる年齢に達した女性が言いました。自分たちと違う価値観を持つ先住者を勝手に「野蛮」「劣等」と決めつけ、同化を強いてきた国のあり方を、今こそ問い直さなければならないと思いました。しかし、その瞬間、フリーランスである私は議場にカメラを持ち込むことは出来ず、新聞各社の撮影するストロボの閃光を隣にいるアイヌのみんなと、ただ浴び続けたのでした。

今後の作品制作について

2009年から「アイヌ民族100人のポートレート」の撮影を開始しました。日本全国に暮らすアイヌの方々を撮影し、同時に一言(今一番言いたいこと)を伺い、100人撮り終えたら全員の写真と言葉を載せて、写真集にまとめることを目標にしています。できれば、今まで前に出て発言する機会のなかった方々に登場していただきたいと思っています。撮影時の服装、撮影場所は、ご本人の希望に添って決めています。アイヌの伝統的な衣装の方もいれば、Gパンの方もいます。場所は、自宅だったり、思い出の場所や好きな風景をバックになど様々です。撮られたいアイヌのみなさん、撮られてもよいアイヌのみなさん、または、そんな方を知っている友人のみなさん、どうぞ宇井までご連絡をください。 (weuichan@jcom.home.ne.jp)

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