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南 しずか写真展


作者の撮影ノートより

撮影の前に

大学生だった2001年、何気なく付けたテレビから流れていた、トリニダード・トバゴ共和国のカーニバルの映像。色鮮やかなコスチューム、カリブ特有の暑い日差し、初めて耳にするスティールパンやソカの音。そして画面からあふれんばかりのその熱気に衝撃を受けた。それから3年後の2004年、ニューヨークの写真学校ICPの学生だった時、ハーレムでトリニダード出身の60代後半の男性に出会った。「来年のカーニバルは100周年だからすごいことになるよ。興味があるなら絶対に行った方がいい。」と勧められた。一度、生のカーニバルを体験したいと思っていたので、学校を休み、ひとりでトリニダードへ旅立った。

最も印象に残ったこと

カーニバルといえば、色鮮やかな衣装を着た大勢の参加者達が楽しそうに踊る、ということを漠然とイメージしていたが、トリニダードのカーニバルの代表的なイベント『ジューヴェイ』は全く想像と違っていた。『ジューヴェイ』はフランス語で『始まり』という意味であり、午前2時頃から早朝まで行われる。人々が泥やペンキ、オイルなどを体中にかけ合って、ソカやスティールパンの音楽に合わせて踊りながら街を練り歩く。泥をかぶってしまえば人種の見分けがつかず、皆でカーニバルを楽しむことが出来るという歴史的背景の意味合いも持っている。容赦なく首にチョコレートを吹きかけられたり、服にペンキをつけられたりと、全身泥まみれになりながらもカメラを守り、写真を撮り続けたことは予想外の初体験で、今でも強く印象に残っている。

作品エピソード

トリニダード・トバゴのカーニバルに欠かせないスティールパンは、トリニダード・トバゴで生まれた20世紀最後のアコースティック楽器と言われている。カーニバル中に開催される国民的大イベント『パノラマ』は、スティールパン・バンドのコンテストであり、地区予選を勝ち抜いた8バンドが演奏して、その年の優勝チームを決める。1チーム約100人で構成された各バンドは、毎年クリスマスを過ぎたあたりから地区予選に向けて、ほぼ毎日練習をする。パンマン達(スティールパンの演奏者)にとって『パノラマ』のステージに立てることは名誉であり、自分の所属するバンドの優勝を信じて、思いっきり演奏する。演奏者達の気合いと決勝戦の緊張感が写真に乗っかりますように!と、願いを込めてシャッターを切った。

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