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今森光彦写真展


トークショー

「今森光彦 スライドトークショー」が開催されました。

2010年6月20日(日)午後2時より、コニカミノルタプラザ・ギャラリーCにて写真家・今森光彦さんによるスライドトークショーが行なわれました。今森さんがこれまで撮影されてこられた琵琶湖周辺の「里山」の写真の中から、今回の写真展に展示されていないものを中心に選ばれた数十点を大型モニターで上映。写真を見ながら解説していただき、撮影時のエピソードや「里山」に関する興味深いお話などを約1時間たっぷりと語っていただきました。

お立ち見のお客様も入られて満員となった会場に、大きな拍手に迎えられて今森光彦さんが登場。自身の紹介も兼ねて、今森さんがライフワークにしている琵琶湖とその周辺の「里山」の変化というお話からトークショーがスタート。滋賀県・大津市に生まれ、幼い頃から琵琶湖を見続けてきた今森さんですが、琵琶湖の環境は高度成長期を境に決定的に変わり、その後荒廃が進んでいったとのことです。

現在、琵琶湖の水は自治体などの努力もあり、水質がかなり改善されているそうです。しかし、飲料水を基準にした“きれいな水”が必ずしも環境にいいことではないと今森さんは言います。水でも、また生物でも、ただそれだけを捉えるのではなく、もっと広い範囲の循環(エコシステム)として捉えなければ本当の環境保護にはつながらないんじゃないか。そして、その理想形が「里山」という考え方にあることを、本人の体験とともに語ってくださいました。

モニターに映し出される写真には、同じ風景(棚田)を季節ごとに撮った定点観測的な作品も多くありました。自らも農作業をされる今森さんは、その解説の中で田植えから収穫までの行程で“草刈”が一番重要だとおっしゃっていました。“草刈”によって土地のディテールに触れることができ、「里山」を深く理解することができるのだそうです。また、人間が草を刈るのを待っているかのように、刈った部分の草だけが急激に成長するという、不思議な現象のお話は特に印象に残りました。

「里山」の全景を遠くから写した1枚を、今森さんは“未来のランドスケープ”だと言います。将来、自然環境や生態系に関する研究が進めば、理想の環境は田畑や雑木林やため池などが機能的にレイアウトされたこの風景に必ず近づくと確信を持っておっしゃっていました。しかし、30年の長きにわたり同じフィールドを記録し続けてきた今森さんにも、いまだにわからないことがたくさんあるそうです。そのひとつの例として、複数あるため池の中で、なぜかひとつのため池だけに1000匹以上ものミズカマキリがびっしりと生息していたというエピソードを披露してくださいました。

何十点もの写真を1枚1枚丁寧に解説していただき、あっという間に1時間が経過。トークショーの締め括りは、お客様から今森さんへの質問の時間となりました。滋賀県から来られたというお客様からは、今森さんの写真に写っている「里山」はどこなのかという質問が。お客様が持参された大判の琵琶湖の地図を広げて、今森さんが「ここですよ」と教えてあげる一幕もありました。イベント終了後にはサイン会も行われ、こちらも大盛況となりました。たくさんのお客様にご参加いただき、誠にありがとうございました。


アクセス

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