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谷本美加写真展


作者の撮影ノートより

撮影の前に

はじまりは、朝鮮民主主義人民共和国から脱北した1人の少年でした。
1994年、中朝国境で出会ったその少年は、13歳。はだしで、何日も洗っていないような汚いTシャツ一枚で、観光客に物乞いをしていました。いかにも寒そうで、お金がなくて、お腹がすいているように見えました。しかし、観光客がみんな帰ると、植木の根元に隠してあった靴ときれいなジャンパーを取り出して身につけ、集めた小銭を数えているのです。
その姿を見ながら、私の通訳が、「あの子は、学校は行っていないけれども、頭がいいよ。生きるための力がある」といっていたのを良く覚えています。
その後、世界中には、様々な理由で仕事をせざるをえない子どもが、2億1800万人もいると知りました。

最も印象に残ったこと

児童労働をテーマに撮影をしようと決めてから、様々な国の子どもと労働の現状を調べました。調べていくうちに、商業的性搾取の犠牲となっている子どもの存在を、少しでもすくい上げることが出来ればと考えました。しかし、とても難しい撮影でもあります。
今回の展示では、40枚のモノクロ写真の中で、6枚だけカラー写真があります。バングラデシュの娼婦街の写真です。2005年から時間をかけて少しずつ、娼婦街の女性たちと話を続けました。
中でも、望まれずに生まれた赤ちゃんを、借金返済のために売るか、それとも娼婦街で女手ひとつで育てるか、その瀬戸際で泣き出した15歳の少女の涙が、忘れられません。

作品エピソード

世界中に、2億1800万人もいる働く子どもたち。しかし、その一人を探し出すのは、けして楽なことではありませんでした。
カンボジアの塩田で塩の採取をする子どもは、早朝5時から仕事を始め、日中は休憩をします。ですから、早朝に行かなくては、彼らの姿はありません。
ネパールのレンガ工場は、幹線道路から大きく外れた山あいにあります。細い山道を、小一時間歩くこともありました。
バングラデシュの娼婦街では、明らかに15歳以下と思われる少女が、20歳だと偽りの年齢を言います。何年もかけて信頼関係を築かなくては、彼女たちは真実を語らないのです。
今回の展示で、2億1800万人の中の1人1人の声が、少しでも伝わればと思っています。

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アクセス

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