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増田 新写真展


作者の撮影ノートより

撮影の前に

今、普通の人々が集まって気ままに過ごしている場所を探した時、デパートの屋上というのが浮かんだ。今、市井の日本人が何を考え、何をしようとしているのかと言ったら、それは日々の暮らしに一所懸命に生きていて、そして時々時間があれば小さな休息を持ちたい、という事なのではないかと思うのだ。

最も印象に残ったこと

平日であれば、近所の会社に勤めるサラリーマンが、休憩するために現れる。「憩う」ではなく、その時ぐらい煩わしい人間関係を絶って、周りの人など存在しないかの様に過ごしたい、という様に。確かにこの時間、近所の会社や同じ会社の他の部署の人に顔を合わせる事も少なくない筈なのだが、「いや、どうもお世話になります。」だとか「課長、来てらっしゃったんですか。」という会話はどこからも聞こえてこない。ベンチに座ってただ空を見上げたり、鉢植えや金魚を興味がある様な無い様な、眺めてみたり。
休日は、郊外のベッドタウンと言われる街のデパートの屋上が面白い。おそらくお母さんが買い物しているのであろう、その間居るだけ邪魔なお父さんと子供は、屋上で時間つぶしを強制されている。

作品エピソード

実際には、デパートの屋上で休もうという程の陽気の日は案外少ないもので、季節で言えば春や秋に限られるし、春や秋とはいえ、日差しが強かったり逆に雨が降っていればデパートの屋上には人は居ない。
翌日撮影に行くと決めても、朝、空を見て、今日は止めようと思う事はしょっちゅうだし、撮影現場に向かう電車の中で、止めようと思う事もあった。
そのデパートに屋上があって、それが一般に公開されているかどうかというのも、見極めるには、実際そこに足を運んでみなければ分からない。端から公開していない所は多いし、それが季節限定である所もある。稀に、入り口の各階の案内表示には載っていないのに、屋上が地元の家族の遊び場となっているという下町のデパートもあった。

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