content

中藤毅彦写真展


作者の撮影ノートより

撮影の前に

これまで東欧やロシア、国内では北海道に力を入れて取材を重ねて来た自分にとって、サハリンはその交差点とも言える、常に気になる場所であった。
稚内から海の向こうに遠くサハリンを眺めた時には、いつかは行くぞと心に誓ったのだが、いざ調べてみると実際に訪れるには中々大変な土地である。ロシアの場合ビザの問題が有り、自由旅行はほぼ不可能だ。ビザを発給してもらう為には全ての旅程を提出して宿を手配しバウチャーを揃えなくてはならない。ロシアに知り合いでもいない限り個人で手続きするのは相当難しく、現地に強い旅行会社に頼む事になる。ところがツアーでない場合はかなりの割高になってしまい金銭的にはきついものがあった。また、これ程近いにも関らず情報が極端に少なく、ガイドブックも余り当てにならない。以前ほどではないが、まだまだ気軽に旅行とはいかない文字通りの「近くて遠い国」である。

最高の出来事

サハリンでの取材を終え空港で出発を待っている時に日本人の初老の紳士と知り合った。聞けばその方はユジノサハリンスクの日本料理店のオーナーだという。実は滞在中、日本の味が恋しくなりその店には一度立ち寄っていた。天丼を注文して大変美味しく頂いて大いに満足したのだが、その時に店内でエンドレスでかかっていた「サ~ハリン、北海道、永遠の友よ~♪」とロシア人らしき女性が朗々と歌う曲が妙に印象に残り、すっかり耳にこびりついてしまった。
その紳士にその曲を口ずさむと、なんと彼の作曲による曲だそうで大変に喜ばれた。飛行機の中ではサハリンで店を出すまでの波瀾万丈の人生やユジノサハリンスクに桜並木を作る計画など楽しいお話を聞かせて頂いた。後日、例の曲のCD「永遠の友よ」(歌:エカテリーナ/ボニージャックス)が届いた。郷愁を誘いながらも爽やかな何とも不思議な味わいの曲で、以来家族で愛聴している。

最悪な体験

サハリンでも辺境といえる街、アレクサンドロフスクサハリンスキーでの撮影を終え、鉄道駅の有る街ティモフスクへ移動する予定の日の出来事である。
事前に送迎車を手配していたのだが1時間以上待っても車が来ない。どうやらすっぽかされたようだ。すっかり日も暮れ雪も降り出し、酔っぱらいも絡んで来る。次第に不安が募る。タクシーを捉まえようにも全く見当たらない。途方にくれて近くにいたおばさん達に声をかけると身振り手振りでバスに乗れと言う。バスと言っても表示もない只のワンボックス車、とてもバスとは気がつかなかった!車内は定員オーバー、狭く苦しい思いで約一時間半、何とかティモフスク駅に到着。更に真っ暗闇の道を懐中電灯で照らしてトボトボ歩く事20分、漸く予約していた宿に辿り着いた時はもうヘロヘロであった…。

作者の製作現場からトップに戻る


アクセス

アクセス
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)

ページトップへ戻る