content

村田信一写真展


作者コメント

世界は、不信と憎悪に満ちている。それは常に人間の歴史と共にあり、現在ではかつてないほどに不信に満ちた、争いの溢れる世界が現出している。政治、経済の面でも世界中が混乱している中で、人々は生きる術を失いつつあるようにも見える。パレスチナは、多くの問題の根源であり、多くの歴史、宗教の根源でもある。その地で長い間紛争を取材し、人々の哀しみや怒り、喪失感を肌で感じてきた。私は一見絶望的な彼の地で、少しの気づき、わずかに意識を逸らせることで、まったく別の世界が眼前に拡がっていることに気がついた。それはなんとも漠然としたもので、光の中に霞んで見えているが、そこにこそ私たちがあらゆる問題を超越して生きていく答えがあることを、今の私は確信している。パレスチナという、聖地の中の聖地で意識の転換を図り、そこから新しい世界観を確立していく、そして新しい写真表現をしていくことは意味深いことだと思う。目先のネガティブな事々の向こう側へ意識を飛翔させてみて欲しい。そこには確かに存在する新しい世界が拡がっていることだろう。この写真展は、自分なりに気がついた感覚を、まだ不完全であるとはいえ、少しでも多くの人々に見てもらい、感じて欲しいとの意図から企画した。不信と対立と憎悪を超えていく息吹を、是非感じて欲しい。

作者略歴

村田信一(むらた・しんいち)

1963年生まれ。1990年よりフォトジャーナリストとして活動を始める。パレスチナ、ソマリア、ボスニア、レバノン、ルワンダ、コンゴ、チェチェン、コソボ、シエラレオネ、イラクなど、多くの戦場の地を訪ね、撮影を行う。当初の報道的な写真、撮影から、より大きな意味合いを含んだアーティスティックな方向へと撮影内容も変化し、最近では撮影地の歴史や文化、慣習、宗教などをも意識した作品世界を構築しようとしている。パレスチナは、その第一弾であり、以降世界各地での同様な意図を持った作品を撮影していく予定。
写真集「バクダッドブルー」 2004年 講談社刊

展示作品

カラープリント 全紙 約40点


アクセス

アクセス
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)

ページトップへ戻る