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緒方範人写真展


作者の撮影ノートより

新たな試み

断片的で部分的な建築物の要素の集合で写真を構築する私は、はたして建築を撮っているのであろうか。都市を目の前に撮影することで、ただ単に現代建築が写るだけなのかもしれない。私は建築を無視しているのだ。それらの本来の機能を無視していることは、それ自体を無視していることなのだと感じはじめた。では私は何を撮っているのか。
強迫的に画面を埋める行動による作品が、心地よさを感じさせたり、逆に不快に感じさせたり、開放感と圧迫感のような、常に両義的な意味をなす感覚や言葉を、私自身にも、見る人にも与えることはわかっているのであるが。
制作を続けるためには、常に新しい試みが必要だと感じている。これはいつも都市で現代建築を撮る自分が、古い建築を持つ街を目の前に何を撮るのか。違う場所で撮る事、そんな些細な出発点が私の新しい試みである。

最も印象に残ったこと

作品を制作することは、作者が持つ疑問を提示することだと考えている。私は自分の持つ、疑問を撮っているのだ。ある印象的なイメージが目の前と頭にあり撮影をするが、それを撮ったときとプリントして一枚の写真になったときの印象の相違が、写真の得体の知れないところであり、多くのさらなる疑問を残すところであると思う。ただでさえ自分の制作過程の中で印象の隔たりがあるのに、見る人との間にもさらなる隔たりを生み、時に一致する、そこに興味がある。
私は、自分自身にも撮影を含めた作品制作にも、個々に特別な印象を残したくはない。すべての写真が見る人に、印象的な疑問を残すことを大事にしたいからだ。展覧会を構築する写真の、少ない枚数だけが印象に残ることなしに、全体として大きな印象に残ればとおもう。

今後の作品制作について

前回と今回のコニカミノルタプラザでの展覧会で、視覚的な時間の区別をつけている。今回の展覧会は特に、古い建築物を撮っているので明らかだが、「昨日」を意識していて、タイトル「Cassandra Had the Strangest Dream」は未来を予見する古い時代の預言者がいま、夢を見ているという意味である。そして前回の個展「The Formation of Tomorrow」では「明日」という区別。そして今、明日の新たな展覧会に向けて「今日」という区別で制作は始まっている。

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