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竹沢うるま写真展


「Tio's Island」~南の島のティオの世界~

作者の撮影ノートより

新たな試み

今回の展示は、池澤夏樹著の小説「南の島のティオ」をもとに、それを写真で表現したものです。僕はいつも南の島で写真を撮る時、無意識のうちに何か目に見えない世界を捉えようとしているみたいですが(自分でもよくわかっていません)、その僕の写真の先にある世界と同じものを、僕はこの小説を読んだ時に感じました。表現の方法は写真と小説と違うけれども、その先にある世界観は同じだと感じました。僕がいつも探している世界と同じ世界を知っている人がいる。そしてそれを表現している。それが池澤夏樹著の「南の島のティオ」との出会いの印象であり、その驚きが僕を「Tio's Island」の撮影に駆り立てました。小説の舞台を写真で表現したというものを僕はあまり知りませんが、僕自身、これは初めての試みでした。また、それらの写真を廃材を使ったフレームで展示するというのも新たな試みと言えると思います。

最も印象に残ったこと

「Tio's Island」の撮影を進めるにあたって、小説の主人公・少年ティオの目を通して南の島を捉え旅をしていたのですが、だんだん自分が歩いているというよりティオが歩いている感じになってきて、自然とそれまで見ることのできなかった不思議な風景が僕の前に現れるようになりました。その中で最も印象的なのは、とある国の無人島で一泊して撮影したときのことです。その日は満月で、一周歩いて15分ほどの小さな島を青白く浮かび上がらせていました。僕はその光に誘われて、島の真ん中に生い茂るジャングルを抜け、北側にある浜辺に出ました。昼間、そこは浅瀬が広がる遠浅の海だったのですが、その時は干潮を迎え、一面の白砂の浜辺が浮かび上がり、ずっと沖まで、まるで隣の島に続く道のように続いていました。僕は月明かりに照らされて、夜中、どこまでもその浜辺を歩いていき撮影をしました。この数年で一番印象的な出会いでした。

今後の作品制作について

今後、僕自身、写真家としての世界を広げるために、今まで撮ってきた南の島のフィールドからは離れようと思っています。ある意味、今回の「Tio's Island」は次のステップに移るための区切りの企画です。僕は現在、来年2010年度の春頃から、一年から一年半ほどかけて世界一周をする計画を立てています。まだ計画段階で、今後どうなるかはまだ未確定な部分が多いですが、とにかく旅立とうと思っています。その旅の中で「ボクらが生まれた星」というテーマのもと、2010年度の地球の姿を、写真家・竹沢うるまの視点で記録しようと思っています。そして、それをまとめることによって、30年後、50年後、そのときの地球の姿と2010年度の地球の姿を比較できるようなものを作りたいと思っています。もし旅に出た時は、応援していただければ幸いです。

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