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林 義勝写真展


盂蘭盆会(うらぼんえ)の夜、迎え火でお迎えした精霊の帰り道を照らす送り火は、「大文字」「妙法」「船形万燈籠」「左大文字」「鳥居形松明」の京都五山の送り火として広く知られています。
京都・如意ヶ嶽の西側に浮かび上がる「大」の文字。今回はこの京都五山の送り火の代表格であり、中心的な存在の大文字の送り火を「大文字保存会」の全面協力を得て、関係者以外入山の許されない「大文字山」に上がり、その準備から点火、その炎の消えるまでの全てとその周辺を写真家・林 義勝が1年をかけて撮影。人々に支えられ、永く守り続けられる「大文字の送り火」を多方面から展開します。
日本の文化、夏の風物詩である大文字の奥深さを味わっていただきたいと思います。

作者コメント

ライフワークとして、ここ20数年来、シルクロード(主として中国)の撮影に取り組んでいるが、シルクロードの最東端である日本は、大陸との交流によりその影響を色濃く受け、それらは全国各地の風土と融合し、今ではその地の文化として根づいているものもある。インドで生まれ育った仏教は中国を東漸し、日本に辿りつき、日本人の心のよりどころ、そして守護神として生活に定着している。
仏教の盆行事、「蘭盆」やその精霊を送る京都の「大文字五山送り火」には以前から関心をもっていたが、今回、京都大文字保存会の協力によって特別に入山が許され、取材撮影の念願が叶った。八月十六日午後八時、大文字山の西側にしつらえられた大文字の火床に、点火というかけ声の合図で、まず、大の字の中心部の金尾に火が点され、その親火から75基の火床に一斉に松明が点火されていく。山風に煽られ、あっという間に夜の虚空に燃え盛っていく炎――。これ迄に目にしたことのない迫力だった。燃え上る炎を目前に炎と同化してしまったような感覚で無我夢中にシャッターを切りつづけた。変幻自在なその炎は精霊たちが彼岸へと旅立っていく姿そのものに思えた。人々の祈りと願い、そしてそこに漂う目には見えない「魂」のようなものをレンズを通して写し込めたような気がした。
撮影を終え、幽暗の空を見上げながら心の中で手を合わせているとき、熱せられた身体に秋の夜風が心地よく吹きぬけていき、ふと我にかえった。

作者略歴

林 義勝(はやし・よしかつ)

1950年、写真家林忠彦氏の四男として東京に生まれる。父と同じく人物写真を主体とし、コマーシャル、エディトリアルで活躍する一方、テーマ写真を得意とし、歴史的背景を織り込んだ日本の原風景、および「龍」などの撮影に取り組んでいる。

写真集

「瀬戸内寂聴さんと訪ねる京の茶室」(林忠彦共著)、「十二支伝説」「良渚遺跡への旅 幻の長江文明」「幽─観世榮夫の世界」「歴史写真紀行 元禄の夢跡」「龍伝説」「観世宗家能面」「新シルクロード」(共著)、「東海道の旅」(林忠彦共著)

運営体制

<主催>コニカミノルタフォトクラブ
<協力>NPO法人大文字保存会
*NPO法人大文字保存会とは、平成11年、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき設立され、「大」の火床のある約3.3ヘクタールの大文字山の土地及びその自然を守ることを目的に活動している。

展示作品

カラープリント 900×1200、全紙他 約40点


アクセス

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〒160-0022
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)

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