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プレミオ通信

フォトプレミオ 2014 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
プレミオ通信 No.29 プレミオ通信 No.30 プレミオ通信 No.31 プレミオ通信 No.32

FOTO PREMIO NEWS No.30

2014年7月・9月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2014」第2期(2014年2月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

村田卓也「うまそうなまちかど」

小屋とも呼べないくらいの棚のような造作のスペースで展開される、無人販売の場所を撮った写真です。

「とてもプリミティブな造作自体が、シンプルで、なおかつ愛らしいというか美しいですよね。それを本当に丁寧に、いろんなスタイルがあるということをバリエーションで見せてくれているところが面白いと思いました」
「これらは通常の経済活動の余白部分で行われているような活動で、単なる商行為とはちょっと違いますよね。それこそ“プリミティブ”な人と人のコミュニケーションというか、物流の形を垣間見ることができるような感じもあり、文化研究としても面白いし、見た目もユニークなところに着目されているなと思いました」
「確かに、そうですね。社会の隙間に存在している生産者と消費者の接点を表している風景でもあって、さまざまな解釈ができるから面白いと思います」

写真としては、ちょっと無愛想にも思えます。

「いわゆる“はったり”がないというか、見せよう見せよう、としていない写真というか、そんな印象を受けました」
「表現しようとしていない分だけ、見る側がいろんな読み方もできるし、作品に対して積極的に介入する余地を残してくれているところも優れた点なんじゃないでしょうか」


高杉記子「朝日に匂ふ山桜」

震災被害の大きかった福島県の相馬地区で、「相馬野馬追」という昔からの祭りを絶やさず続けられている方々を、丁寧に真正面から撮影された写真です。

「単に古いしきたりや習慣を引き継いでいるだけでなく、土地特有の空気によってだんだんと作られた独特の存在感がありますね。作者もその存在感というか、人々が発しているオーラのようなものをできるだけ忠実に伝達しようとしていて、そんな意志が強く働いた写真だと思います」
「伝統的な祭りを通じて、自らを鼓舞するような瞬間がきちんと捉えられていると思います。単に復興を掲げたイベントを作り出すのとは違って、当事者が自ら演じることで自分自身を鼓舞している、そういう姿が感動を与えてくれるんじゃないでしょうか」

単に被災地のポートレイトとして見るだけではなく、被災地自体を活性化するような写真になっていますよね。

「背景に被災地の空間が写っていますし、神社をはじめ、さまざまな場所で撮られていることで、この祭りの奥深さや被災地の複雑さなど、いろんなものが伝わってくる見ごたえのある重厚な作品になっていると思います」
「それでいて、押しつけがましいところがまったくない写真です。正面からきっちりと撮っているせいか、簡単には見逃せないという感じがしました。しっかり対峙して見ていきたい作品です」


宇山聡範「through a window」

ビジネスホテルの部屋の窓から見える光景を、大判カメラで撮影した作品です。いままで見たことがないような世界が展開されています。

「ビジネスホテルというものが立地している現在の状況や、さらには社会状況もすごく見えてくるリアリティのある作品です。常に窓越しで、同じスタイルで見せてくれることによって、写真に引き寄せられるような効果が出ているところも面白いなと思いました」

写真の中に1つ枠を作るというのは、写真的にとても有効なアプローチですし、これも考えぬいた視点だと思います。

「室内のミニマムな要素、たとえばカーテンであるとか、窓の桟であるとか、その一部がほんのわずかに写っていることが、内側から向こう側をのぞいているという感覚を与えてくれていますよね。さらに、大判カメラによって外の風景がきっちり写り込んでいるところも効果的だと思いました」
「景観よりも立地を優先しているせいか、ビジネスホテルの窓から見える風景は、見ているけどそんなに感動しないものですよね。もっと言えば、見たくないし、無視していたりするようなものですけど、そういうものをあえて見せてくれるところに写真にとってはすごく基本のような、ふだん目にしているけど、きちんと見ていないものを突き付けてくるようなところがあって、この作品がすごく新鮮で、今が見えてくる理由になっているんじゃないでしょうか」


角木正樹「タベサシ」

料理を撮影した写真なんですが、これもユニークな作品です。

「食べる前でもないし全部食べ終わった後でもない、まさにタイトルどおりのシーンが展開していて、料理写真と捉えれば確かに意外ですが、このアプローチが写真をオリジナルなものにしていますよね」
「面白いのは、細部が写っていることだと思うんです。食べることが万人に共通する行為だからというのもあるし、ここで取り上げられている料理が特別ではない一般的な食べ物だということもあって、細かいところに目が行くようにできていますよね」

こうした瞬間をじっと見ることはなく、一過性の時間だから本来は消えてなくなるようなものですが、あえて写真化しているところに面白さがあると思います。

「たとえばイヌイットの人たちは生肉をそのまま食べたりしますが、その映像を見ていると食べなければ生きていけない人間の宿命のようなものを感じます。それは美しいとか醜いとかということではなく“食べる”行為のダイナミズムと言えばいいんでしょうか、この作品にも同じようなことを感じました」
「和洋中と、さまざまな料理が登場していて、それを見ていると“日本”がここに写っているとも言えるんじゃないでしょうか。日本の料理のパターンというか、典型みたいなものがここでは捉えられていて、日本とはこういう文化的あるいは風俗的な場所なんだということを明確に語っているところがあると思います」


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