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プレミオ通信

フォトプレミオ 2014 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.29

2014年4月・6月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2014」第1期(2013年11月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

藤本篤史「TOKYO NOT FOUND」

モノクロフィルムで、少し粗い調子なんですが、とても元気のいい写真になっています。作者が撮った東京が妙な魅力を持つ場所だなと思える作品です。

「最近はあまり使われなくなったコンパクトのフィルムカメラで撮っている写真ですよね。フィルムカメラというと、デジタルカメラに比べて面倒さがつきまとうかもしれませんが、作者は逆にフィルムカメラが持っている簡便さを快く感じて撮っているように思えました。デジタルカメラなら一回撮っては確かめて、という撮り方をしますが、フィルムカメラだとどう写っているかわからないまま次の場所に移動していくので、ストレスから少し解放されているところがあると思うんです。写真にはその解放感が表されていて、とても伸びやかに街を撮っているように感じました」

写真ってこんなに軽々とした視線でものを見ることができるんだということを、あらためて認識させられた気がします。

「街を撮る場合、街を撮る“文法”みたいなものが出尽くすほどにあって、そこに自分を当てはめるような撮り方にどうしても陥りやすいんですが、この方はそうしたパターンにはまってなくて、表現が多様ですよね。対象との距離にもいろんなパターンがあったり、“自分探し”をテーマにしてますが、内向的にならずに常に外側への好奇心を持ち続けてるところが素敵だなと思いました」 「“NOT FOUND”ですから、これからも東京を撮るのでしょう。期待したいですね」


陳 朴「MOMENT in TOKYO」

とてもしっかりと“東京”を撮っている作品で、他の誰にも発見できない“東京”を作者が見つけてくれたという印象です。

「ステージド・フォトグラフィという意図的に構成する写真がありましたが、それに似た感じがします。迫真性を画像化した、とても自己主張の強い写真だと思いました。スナップなんですけど、どこか演劇性を感じるところもあって、それがかえって日常の何でもないシーンを強調したり、コントラストがつけられたりして、とても興味深い作品です」

腰が据わった写真ですよね。切り込んでいるというか、若い写真家にはあまりいないタイプだと思います。

「相手が見つめ返してくるのにも怯んでないところがすごく伝わってきて、揺らぎがないですよね。街から受けるプレッシャーを跳ね返して、なお自分で構築しているような、主体的に街に関わっているその関わり方の強さが、本当に腰が据わっているなと思いました」「フィクションに近づいているというか、入り込んでいるところも確かにあって、そこがやはりデジタルカメラ以降のこうした写真の変化かなと思います」
「そうですね。完全に演出されているわけじゃないけど、演出があるようなところまで強引に持ってくるところが現代的でもあり、スナップの形式がここで根底から変わったんだなと時代の移り変わりみたいなものも感じさせますね」


山岸 剛「Tohoku - Lost, Left, Found」

4×5サイズのカメラを使って、東北のあの大きな出来事から少し時間が経って、現地を訪ねて撮った写真です。とても静かに、引いて、光景を見つめている写真が印象に残りました。

「何度か通っているというところが、この写真の、レポートとしての価値を高めているような気がしました。パッと行って、センセーショナルな風景を撮るということも写真の仕事だとは思いますが、このように何度も出かけて、そこでじっくり腰を据えて1枚の“絵”を撮ってくるということが、とても大事だと思うんです。ひとつひとつの光景と出合ったときの時間とか、そういうことを大切にしている感じが伝わってくる写真だなと思いました」

あの大震災以来、たくさんの写真家がさまざまな写真を見せてくれましたが、それとはまったく違う写真がここにあるような気がします。

「記録か表現かという二項対立的な見方を上回って見せられている写真のような気がして、これからはもっとこういう写真の撮り方がたくさんあってもいいと思いますね」
「作者はそこにある光景を見ながら、深い“畏れ”を抱いたんじゃないかと思います。それは、怖いという意味じゃなくて、神への“畏れ”とか、自然への“畏れ”と言ってもいいと思いますけど、それをまざまざと感じながら、もしかしたら心の中で震えながら撮っていたんじゃないかという気さえしました」


草野直也「Tunnel」

フォト・プレミオでは珍しく人物が登場しない写真です。長時間露光によるアーティスティックな表現と言ってもいい、トンネルだけをテーマにした作品です。

「大きな土木工事を伴わないようなトンネルばかりを集めていて、よくこんなにたくさん発見したなと思いましたね。と、同時にこれらのトンネルを見ていると、人の生活を彷彿とさせるような光景にも見えてきます」

人は登場しないんですけど、人を見せている写真と言えますね。

「多くが生活用トンネルで、細かく見ていくとその構造とか作り方とかにも興味が湧いてくるような、そういう面白さもあります」
「こういうトンネルって、そこに住んでいる人々にとっては大事なんだけど、他の地域の人々はあまり関心を示さないものですよね。そういう意味では、新しいタイプの“村のお地蔵さん”写真じゃないかなと思いました」
「なかなか新しい発見ですよね。大きさがちょうどいいというか、ほとんどに照明装置がなく、ただくぐり抜けるだけのものなんだけど、ガード下とも違うし、これより大きいトンネルになってしまうと、それはもう完全に生活道路という範疇を超えてしまうし、その分類されてないところによく気づいたなと思います」


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