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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2013 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.28

2014年2月・3月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2013」第4期(2013年8月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

越沼玲子「Spirit in Wild ~森の鼓動~」

森の中で生き生きと動き回っている猫を捉えた写真ですが、猫以外にも森に住んでいるさまざまな動物が被写体となっています。

「猫というと、当然ペットとしての存在がイメージされますが、ネコ科の親戚には他の動物を捕らえて生きてきた動物もいます。そんな野生の遺伝子を思わせるような猫の姿を、作者自身も森の中を駆け回って、猫との信頼関係を築きながら撮っていて、表情だったり、動きだったり、至近距離からよく捉えているなと思いました」
「視点がとても低いですよね。自分も猫のように森の一員になって撮っているようなアングルなので、鴨やリスが獲物として見えるのがおかしいし、物思いにふけっているような猫の神秘的な表情を捉えているのもいいですね」

人間が猫を見ているというより、猫が写真家になったらこういう写真を撮るのかなという気がしました。

「猫の日常を追った写真ではないし、生態学的な動物写真でもない、ちょっと新しいタイプの写真ですね。すごくアニメの影響を受けているんじゃないでしょうか。アニメの視線、つまり読者を引き込んでいくスペクタクルな物語をつくっていく目を感じました」
「デジタル写真になってから、想像したものを映像化するような、アニメ的な視点がわりと身近になってきたように思います。現実のシーンの中に想像していたシーンを組み込めるようになってきている、もちろん合成はありませんが、この作品はそんな感じがします」


アラタンホヤガ「遊牧民の肖像」

中国の内モンゴル自治区で撮影された写真です。作者はこの地域出身の方で、そのせいか、しっかりと“地に足をつけた”という言い方がぴったりの作品になっています。

「つくづく違う文化というものがあるんだなと思いましたし、それに対する尊敬の念も湧いてきます。単に異文化というだけじゃなく、自分たちとは違った価値観のもとで生活している人たちに対して敬いたくなる、とても神々しい感じがしました」
「この世界は、よそから来た写真家には撮れないんじゃないでしょうか。視点が全然違うような気がします。この土地で生まれ育ったということが作家本人の中に根付いている、その視点なんでしょうね。日本人の写真家でモンゴルを撮った写真をずいぶん見てきましたが、良し悪しは別にして、そこが決定的に違うと思います」

確かに、表情の捉え方も旅行者が目を引かれる表情と、この作者が捉えた表情とでは微妙に違うのがわかります。

「静止画の世界というか、シャッターを切ったときにすべての被写体が止まっているという気がして、そこもこの作品の魅力ですね」
「ここに写っている世界が、ずっと繰り返され、守られてきているものだから、余計にそういうふうに見えるんじゃないでしょうか」
「昔からこうした生活を連綿とこの大地で続けてきた感じがじんわりと伝わってきます」


八尋 伸「信仰」

ミャンマーのカチン族の人々の中に、作者が入っていって撮った写真です。とても鋭いレポートになっていると思います。

「まだ内戦状態が続いていて危険な地域だと思いますけど、作者がいることが自然に思えるくらいカチン族の人たちと向かい合って相当な信頼関係を築いた上で入り込んでいるので、まずそれがすごいと思いました」
「正統的なドキュメンタリーで、しっかりと撮られているんですけど、どこか映像美がありますよね。光の捉え方であったり、少し揺らいでいるような視点であったり、すごく写真的な映像美のあるドキュメンタリーだなと思いました」

安心して見ていられる、というと変ですが、プロフェッショナルが撮っている写真という気がしました。

「想像力を喚起されるというか、見る側がそれぞれに受けるものが違ってくる写真ですよね。そういう意味で、本当のプロフェッショナルの仕事だと思います」
「そうですね。見ていて、固有の限定された見方を強いられない写真になっていますよね。見る側はその人の持っている知識や感覚によってそれぞれ違う見方をするということをわかっていて、写真というのはそのための“素材”であると思っているんじゃないでしょうか。そこがプロらしさにつながっていると思います」


佐久間 元「そこへゆけ」

東京のさまざまな場所で撮られた、路上でのスナップです。決して新しくはないんですが、作者の見る世界はちょっと私たちが知らない世界のように思います。

「本当に身近な日常の中で撮られている写真で、普段目にしているようなものなんですが、私たちなら歩いていて見過ごすシーンばかりですよね。作者のシャッターはそこを逃さず、誰も気がつかないところの面白さをスッとすくい取っていて、実力のあるスナップだと思います」
「こうした写真は、そこへ行けば撮れるというものじゃないですね。1日歩けば必ず1枚できあがるというものではないし、かえって厳しい状況で撮っているんじゃないでしょうか」
「全部が偶然に撮れるとは限らないし、無駄足がたくさんあると思うんです」

それでいて仕上がりがとても軽やかに見えるというのは、この作家のスタイルなんでしょうね。

「何より魅力的なのは、シナリオがないことだと思います。すべてが断片で、筋書きでつながずに撮られていますよね。テーマで撮ろうと決めないから、軽やかさが生れているんだと思います」
「もしかしたら、こういう世界は写真でしか表現できないんじゃないでしょうか。ここしかないという瞬間に1回シャッターを切ればいいという写真の醍醐味を感じます」


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