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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2013 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.27

2013年10月・11月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2013」第3期(2013年5月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

山内亮二「Quiet River, Seoul」

韓国のソウルを流れる「漢江」のイメージを通奏低音のように響かせた静かな映像です。私たちが知っている韓国、ソウルのイメージとは少し違う世界を見せてくれた写真だと思います。

「確かに、韓国のこういう姿は知りませんでした。もちろん、どこへ行ってもこうした多面性はあると思うんですけど、私たちが既に知っていると思っていることに、いかに偏りがあるかということをあらためて思い知らされました。写真によって知らなかった部分を見せられるというのは、とても貴重なことだと思います」

「気負うことなく自分の身の回りに展開する光景を淡々と見つめている感じがして、それが韓国、ソウルの違った面を引き出しているのかもしれません」

「色調も意識して少し彩度を抜いたようにしていますよね。しっかりコンセプトを立てた上で色使いや撮り方を工夫していると思います」

細やかに人々の表情や街のディテールなどもよく見ていると思います。

「そうですね。だからこそ、一種のメランコリックな空気が作品全体に流れていて、作者の一本筋が通った視点が貫かれていると思います」

「ソウルといえば、もっと賑やかな印象を受けていたんですが、見方を変えれば、そこに生きる人々の悲哀とかいろいろと見えてくる部分がやっぱりあるはずで、作者はそこをしっかり見つめられる目を持った人だと思います」


田口 昇「南国万華鏡」

タイで撮られたという作品です。こちらは“ソウル”の作品とは対照的に、私たちが抱くタイのイメージに近いのかなという気がします。

「中心と周辺、主役と脇役といった主従関係のようなものがまったくなくて、万華鏡というタイトルにふさわしく、全部が混沌とした等価なものとして扱われているのが面白いですね」

「パッと最初に見たときに、映像が発しているエネルギーがすごく強くて、ハッとさせられるというか、その躍動感に引きつけられますね」

「さきほどのソウルの写真が、都市の“骨組”を透かし見ようとしている視線だとすれば、この作者は今まさに動いている肉づけされた都市の姿を見ようとしている感じがして、とても対照的ですね」

旅の写真なんですが、旅特有の物語性みたいなものが排除されていて、視覚に徹しています。

「いろんな断片の組み合わせで構成されていて、まさに万華鏡という言葉がぴったりです。それから、この色彩の鮮やかさなどはデジタルカメラじゃないと再現できないんじゃないでしょうか」

「そうですね。フィルム写真をデジタルで再現するのではなく、まったく別のものとして考えていますね。その傾向は、だんだんとはっきりしてきたんじゃないでしょうか」


米山洋平「サンポスル」

作者が自宅周辺(埼玉県川口市)を、タイトルどおり“散歩して”撮った写真ということです。

「落ち着いたトーンのモノクロームで、見ているとその視界に吸い込まれていくような映像です」

「すべてが遠い視線から人々の暮らしを見つめているようで、目を驚かすドラマはありませんが、その日常的な光景に私たちそれぞれが心に沁みる物語を見出すことができるんじゃないでしょうか」

川口といえば、現在は東京のベッドタウンとして大きく変貌している街ですよね。

「そうした街の特徴はあまり見えてこなくて、むしろ、この作品に見えてくる光景には特に“ここでなくては”というものがありませんよね」

「そうですね。もっと普遍的な、作者の目の温かみを感じさせる切り口のほうに感心させられました」

「プリントのトーンのせいでしょうか、朝方や夕方の時間帯を思わせるようなほのかな光の美しさが際立っています。作者といっしょに心なごむ“サンポ”をさせてもらったような気持ちになる映像で、ぜひじっくり見てほしい作品ですね」


榎本祐典「hyperthermy」

「高熱」を意味するタイトルが付いた、ベトナムやインド、タイ、マレーシアなどを撮影した作品です。

「とてもコントラストの強い写真によって展開される作品ですが、そのコントラストが気にならないほど昼間の写真もすべて夜撮ったような“疑似夜景”のように思えて、それがこの作者の写真の魅力になっているのかなと思いました」

「元気な感じがしますね。撮り方も多彩ですし、いきいきとスナップショットしていて、東南アジアの旅の写真は比較的目にすることが多いんですけど、その中でも頭ひとつ飛び抜けた視点の多彩さがあると思います」

東南アジアといっても国が違えば民族も言葉も違うはずで、この作品はそれをひとからげにして「アジアの世界」と呼べる全体像として浮かび上がらせています。

「目がすごく若いと思いました。自分と違うもの、差異を受け入れる能力を持っていることが“若さ”だと思うんですが、この写真からはとても爽やかにそれが感じられます。グローバルの時代の寛容性みたいなものが、ちゃんと出来上がりつつあるんじゃないかと感じました。今回は全体を通してそういう写真が多かったように思います」

「ここに行って旅して来ましたっていうだけじゃない、その先の視線みたいなものが感じられるということが、今回は確かに全体を通してありました」


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