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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2013 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.26

2013年7月~9月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2013」第2期(2013年2月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

小柴立祐「Bajau ~Life above the sea~」

水上生活をしているバジャウ族という民族の暮らしを撮られた作品です。楽しそうに暮らす姿がとても印象的な写真だと思います。

「現代のいわゆる“辺境”ですよね。かつての辺境というのは、まだ開拓されていないエッジの部分であり、多くの写真家が競って撮影に行ったと思うんです。そうした時代の辺境観とはまた違った、いまの若い人たちが考える辺境観がここには表現されていると思います」

「かつてテーマを持って撮られていたような辺境とは違いますよね。何かを告発するとか、伝えるとか、そういう意志とは別の写真の在り様というのがあると思うんです」「作者はこの場所を完全に肯定しているんでしょうね。写真を見る限り、実際にここは奇跡的な状態で残っている数少ないコミュニティだと思います」

「物質文明とは違う幸福の形が、この場所にはまだ残っているように思います。とても近い距離感で人々が共同体をつくっていて、どこか日本の昔の下町の長屋を思わせる、そんな暮らしぶりですね」

人の目の澄んだ輝きとか、印象に残るカットが多いですね。

「写真としては非常に明快で、きっちりと撮影されています。わかりやすさがあって、とても好感を持ちました」


小島哲平「ホシヲミル~パプアニューギニアの肖像~」

静かにパプアニューギニアでの人々の暮らしを見つめている、美しいモノクローム作品です。

「白黒写真にしたのは、旅行者の視線よりも、もう少しここに暮らす人々を理解しようとする考えがあったからだと思います。かつての写真家がこういう場所へ行くと、自分たちが所属する文明社会との違いを見つけようとしていたけれど、いまは、この作者も含めてそうした違いを発見しようとする気はないですよね」

「パプアニューギニアで写真を撮ってきたからといって珍しいと思われる時代では、すでにないですし、どこでも同じという視点はあると思います」

写真的にはモノクロームにしたことが成功していると思います。

「色にあふれた場所だと思うんですが、その色の情報をシャットアウトしてうまく抽象化していますよね。それによって光が際立ってきて、透明感のある世界が捉えられています」

「濃い緑がたくさんあると思うんですけど、作者はそれをあえて出さずモノクロで感じさせようとしていて、かえって緑の深さを感じられたように思います」

「白黒になったおかげでエキゾチシズムが薄れて、だからこそ私たちの心にストレートに響く感じがしますね」


尾﨑雄弥「唐津」

6×7の中判カメラにモノクロフィルムを入れて、ご自身の故郷である佐賀県の唐津を撮られた作品です。

「撮り始めたころ、作者はそれほど面白いと思っていなかったんじゃないでしょうか。でも、撮り進めていくうちに自分の記憶を新たに重ねていく面白さや、だんだんにこの故郷の一部になっていく感覚があって、面白さを味わうようになっていったと思うんです。そういうプロセスを想像してしまいます」

「ここで生まれ、この土地を知り尽くした人にしかない自然体の作品なんですよね。旅人の視点じゃなく、ここに育ったということが作品にすごく結びついていると思いました」

1カット1カットを見極めて丁寧に撮っている気がします。

「6×7カメラだからフィルムの撮影枚数は少ないですよね。それゆえ、シャッターをとても考えて切っているのが伝わってきます」

「慎重に撮っているということと、やはり画質が気持ちいいですね。たくさんの方の作品を拝見する中でも、こうした作品はちょっとハッとさせられます」

「それはボケの感じだったり、バライタ紙の質感だったり。すべてが相互に響きあって中判で撮った銀塩作品の力というものが立ちあがってきて、確かにハッと目が覚めるような感覚があります」


池上 諭「SLOUGH」

“抜け殻”とか“脱ぎ捨てたもの”という意味の“スラッフ”というタイトルが付いた作品です。

「まず、日本全国をかなり細かいところまで旅しているその移動量がすごいと思いました。そして、移動先でいかにもその土地っていうものじゃない、とても微妙なところに目を向けているのが面白いですね」

「一見すると特徴のない場所を撮っているんですが、何度も見ているうちに“なぜここを撮ったんだろう”ということがじわじわとボディブローのように伝わってくる作品です。1度見てから、もう1回細かく見ていくといろんな発見がありますよね」

「自分の目が鍛えられていくという、作者自身が自分の中での喜びを感じられる写真だと思います。また、これを見る人はどんなふうに見てくれるだろうということを作者が楽しんでいる写真でもありますね」

とても微妙な部分の面白さを発見する嗅覚のようなものを持っている人だと思います。

「感覚的にいつもこれらの写真の中にあるようなものを見ていて、それを人にあえて声を大にして語るほどでも物語にすることでもなく集めてきたんでしょうね。それがタイトルにつながっているんだと思います」

「まじめさの奥にちょっとユーモアが垣間見えていて、ぜひじっくりと見ていただきたい作品です」


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