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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2012 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.23

2012年10月・11月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2012」第3期(2012年5月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

野田雅也「Rebuild 大槌造船記」

被災の光景そのものではなく、岩手県・大槌町の造船所が復興して、そこで働く人たちが船を作っているところを捉えている写真です。

「造船所という場所を限定して撮ったことがいい結果につながっていると思います。広く全体を見せるよりも、小さいところを見て、そこから全体を感じさせる撮り方になっているので、被災地のイメージが先行しなくても見終わったあとに被災地のことを考えさせられるという構成が成立しています」
「誇りを持って仕事をしている人の顔というか、表情にものを作っているという充実感が溢れています。造船所で働く労働者の“生きざま”のような部分が表現されていますよね。がれきも写っていますが、見ていると被災地であることをスーッと忘れて、最後にそれが大きな事実として見えてくるところがいいと思います」

独特な色で表現されていて、それがこの作品の大きな魅力になっていますよね。

「色を抜いてモノクロームの印象に近いカラーです。それが被写体となっている鉄やサビ、海の色などと合わさって、この写真の力になっているような気がします」


松本真理「チャイニーズ・ドリーム」

数年にわたって中国各地を回り、撮られたという写真です。目の前に展開される世界を、自由に、肩の力を抜いて撮っているような印象があります。

「中国はひとつの国としては巨大で、なかなか全面的に捉えるのはむずかしいと思うんですけど、何度も通ってさまざまな要素をしっかりと捉えていますよね。一見飄々とした写真なんですが、全体を通して見ると中国の全体像が透けて見えてくるようなスケールの大きい撮影だと思います」
「“本当の”中国や中国人に肉薄しようというスタンスが全然ないところが、かえっていいですよね。あらかじめ中国の文化に対する作者のイメージがあって、それを思い込んだ通りにそのまま撮ろうとしていない、そこに軽快さが生まれているように思います」
「日本の文化との共通性を一生懸命に探そうとしている作品とはまったく逆で、結果的にはそれが文化の違いを感じさせてくれると思うんです」

自分の写真にしようとしていないというか、“こういう写真は撮れないだろう”というような肩の力が入っていないですね。

「6×6サイズで開放気味にして撮っているのが気持ち良くて、力みを感じないのはこうした画質的な部分も大きいと思います。撮り方も自然で、中国の街のさもあろうかと思える雰囲気と合っていますね」


千葉雅人「North India」

インドでの作品はフォト・プレミオにこれまでも多数登場していますが、またちょっと違うインドを作者が発見してくれたように思います。

「モノクロのシャドウが湿ったような画質が、インドの街並みのジメッとした空気感と合わさって、何とも言えないプリントから漂ってくる気配に惹かれました。また、直感を頼りに肉体で撮っているような、この作者のカメラワークにも惹かれました」
「こういう写真を見ると、あらためてフィルムカメラというのはファインダーをずいぶん覗いて撮っているんだなと感じますね。デジタルで撮るのとはちょっと違って、そこには人間の生身の質がどうしても反映されるものだと思います。そういった点からも身体性ということをすごく感じる写真ですね」

いままでこういう風にインドを見てきた人はいないんじゃないかと思いますが、

「日本に帰ってきてからも、自らのインドを作品に定着させようとプリント作業をされたのではないでしょうか」
「そうですね。インドのイメージを自分の中で増幅させて、実際のインドを素材に暗室で再構成したのでしょうか、たいへんユニークな写真に仕上がっていると思います」


木藤富士夫「関西札遊び」

面白いタイトルで、プリントそのものも花札を大きくしたようなとてもユニークな作品です。

「おそらく誰もが思い描くであろう関西のイメージを、いわゆる“コテコテ”な画像で再現しているところが面白いですよね。いかにもなアイコンがいっぱい入っているんですけど、その特徴をよく捉えて構成しているなと感心しました」
「特徴的な部分を切り取ってデフォルメして見せる、形態模写のような面白さがあります。ダジャレとか笑いの要素も入っていて、とにかく楽しいと思いました」

1枚1枚じっくり見るというより、会場で目を動かして、タイトル通り“札遊び”をしてもらうという作品になっています。

「実際の展示では、会場をどう面白く構成して見せてくれるかがとても楽しみです。一種のインスタレーションのような要素が展示では出てくると思いますね」
「色彩もこれくらい強調して毒々しいと思えるほどの色合いにしているのが、コンセプトに合致していていいですね」


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