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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2012 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.21

2012年4月・6月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2012」第1期(2011年11月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

小沢竜也「なむとらやや」

猫の写真はこれまでもフォト・プレミオでたくさん展示されていて、今回の写真もそのひとつかなと思って見てみると、ちょっと違った印象です。

「ありがちな猫のかわいい写真じゃなく、いろんな実験的な手法を使っていて、切り取り方が尻尾だけだったり、ほんの一部をちょっと入れることで猫を表現していたり、いままであまり見たことがない撮影方法で猫を捉えています。それと、猫の生態をよく知った上で彼らの中に入り込んでいて、並大抵じゃない猫好きなんだなということが写真から伝わってきます」

猫の「神秘性」というか、ちょっと不思議な感覚を持っているんじゃないかと思わせる部分が写っているような気がします。

「アングルなども含めた多様な撮り方によって、猫写真の領域をちょっと超えたものがチラッチラッと見えるところがあります。それほど猫好きじゃなくてもフッと気持ちを引きずり込まれるというか、一般化されていて普通の写真として見られるのが面白いところですね」

「“猫を撮った写真”というよりも、猫がいる空間を自分がどう見ているかということを感じさせられるのは、私たちの感性が主題になっている作品だと読み替えることができるからではないでしょうか」

「確かにそうですね。それに光と影の使い方がすごく自由で、とても映像的だと思いました」


サイトウ リョウ「identity」

海外に行って、いわゆる“外人”を撮った写真なんですが、ライティングに工夫を凝らしたコマーシャル的でもある映像で、アレッ!と思う作品です。

「いわゆるコマーシャル写真の手法を活かして、海外のごく普通の人々を登場人物にして撮っているというアプローチが新鮮で、いままで見たことがない写真だなと思いました」

「撮影に関して十分な力量があって、広告をやるのが普通なんですが、コマーシャル写真の技術を身につけた上で、“コマーシャル写真家”にならずに作品を作る方向に来たのが面白いですね」

写っている人がみんなうれしそうですよね。撮影時の裏側を想像すると、とても楽しそうだなと思いました。

「撮る側と撮られる側の雰囲気や、ストロボなど機材で撮影することの特性を使いこなす楽しさ、そうした遊び的な要素がこの写真にはたくさんあって、どこかバブル期の写真のような“元気さ”があると思います」

「暗さというか、影がないですよね。写っている一部には貧しい地域などもあったりして、厳しい生活をしている人々も写っているんですが、そうした影の部分でさえ前向きなパワーになっている感じがします」

「作者がひとりで撮っているからじゃないでしょうか。一般のコマーシャル写真のように数名のスタッフで撮影したら、こんなふうには見えてこないと思います。この作品では素直にカメラの前に立ってくれていますよね」


木村 肇「ヤマダチ」

神事として現在も熊狩りを続けているという東北地方にある集落を撮った作品です。とても“しっかりとした”という言葉がぴったりな写真に仕上がっています。

「若くして撮影の力量がすごく高いことに驚きました。それと、現在もマタギのような日本の伝統的な猟師たちが、神事とはいえ存在していて、実際にこうした生活を送っていることにも、時間が止まった世界を見ているようで驚きました」

「こういう世界に関心を持っていること自体に、とても興味を惹かれました。撮影技術の高さもありますが、日常的なメディアでほとんど紹介されないこともあって、何より写っている人々の存在感の占める割合がこの作品の内容ではとても大きいと思うんです」

「しっかりとした視点を持って撮られている方ですので、こうした古くから伝わる生き方や世界を若い人ならではの視点で、伝統的な捉え方に倣うことなく、ぜひ見続けてほしいと思います」

オーソドックスなモノクロ写真の良さというのを再認識させられる作品だとも思いました。

「そうですね。プリンティングも個性的で、ノーマルな調子よりも硬くしているんでしょうか、焼き込みを大胆にしていますよね。若い人たちにおけるモノクロ写真に対する新しい解釈の仕方にも興味を惹かれます」


西尾 温「アダンの根」

沖縄の八重山の島で撮られたという作品です。この作者もまた中判カメラを使い、しっかりと描写した写真を見せてくれました。

「とても写真的な写真だと思いました。言葉で表現しにくいものを写真だったら表現できるんじゃないか、そんな期待をして写真を撮る行為は写真表現の基本にあると思うんです。写真を見る側もまた同じで、そうした両者の期待、つまり描写の期待、見る側の期待が作り上げてきたスタイルをこの作品から感じました」

「新しさや新鮮さはそれほどないのかもしれませんが、オーソドックスな写真の良さというものを確かに感じますね。それはしっかりと対象を見つめているということです。八重山の土地の空気と撮影の描写が見事にマッチして、何とも言えない写真的な気持ち良さが出ていると思います」

この作品もモノクロで撮られています。写真といえばカラーという時代にモノクロで撮るのには、どんな意味が込められているんでしょうか?

「八重山などは、すごくカラフルで、色にあふれている場所だと思うので、カラーで撮るとそこに気持ちが引っ張られすぎて、テーマが惑わされてしまうのかもしれませんね」

「現実の世界は当然カラーなので、色の要素を排除してみることで抽象化し、より本質を浮かび上がらせようとする意識が働いているんじゃないでしょうか」


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