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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2011 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.19

2011年10月・11月開催のフォト・プレミオ入賞者決定!

先日、「フォト・プレミオ2011」第3期(2011年5月末締め切り)の選考会が行なわれ、4名(2011年10月2名、11月2名)が新たに選出されました。今回の受賞者の作品はどのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにご紹介します。

平尾 敦「It is there」

北アルプスの北穂高の山小屋で仕事をしながら、いっしょに働いている仲間を撮った写真です。仲間といっしょにいられるという作者の喜びが感じられる作品ですね。

「いろんな時代の評価をかいくぐってきた映画を見ているような気がしました。山小屋という特殊なシチュエーションでありながらも、見る人それぞれの体験に重ねて思い返すことができる、普遍性豊かな写真だなと思います。見ていて楽しいですね」

フィルムカメラで、あえてモノクロを選択して撮っていると思うんですが、

「カラーだと空の青さや岩肌の色など他に目が向いてしまうところを、モノクロにすることで余計な要素が切り落とされて、山に集まった人たちの高揚した気分が抽出されているように感じます。それと、懐かしさというか“良きアナクロニズム”のようなものをうまく伝えていて、決して古びない“なにか”が見えてくる作品ですね」
「若い人ばかりでなく年配の人も写っているのに、なぜか“青春真っ盛り”という印象があって、それがとても爽やかで羨ましく見えてきます。じつに気持ちのいい世界がこの中にはありますね」


イム ギュテ「道に迷った」

とてもユニークなタイトルの作品です。作者にとっての外国(日本)を歩きながら、 “こんなところを見てくれているんだ!”と日本人も喜んでしまいそうな発見をしてくれました。

「不思議な味わいのある写真で、街に対するアプローチが繊細だと思いました。作者が向ける眼差しがパターン化されたものでなく、日常私たちが知っているはずのものだけど見逃していたようなところをうまくすくい上げている写真だと思います。見ていて飽きません」
「自分の形に合ったものだけを撮ろうとする写真家が多い中、彼はとても伸びやかに世界を見ているなと思いました」

フィルムカメラ特有の、デジタルカメラでは撮れない世界なのかなとも思いました。

「そうですね。人間の肉眼が撮っているという感じが伝わってきます。フィルムカメラは人間の目に近づけようと研究され続けてきたもので、デジタルはその逆。何でも写せるように、つまり人間の目に見えないものまで撮ろうとする傾向にありますから」

通りすがりの知らない人を撮っていると思うんですが、それでもとても大事に大事に撮っているというのが伝わってきます。


冨永 晋「零度の領界」

三宅島の大噴火で約5年間も人が住んでいなかった島にやっと人が戻ってきて、その頃から何度もそこを訪ねて撮った作品です。

「人為の痕跡と自然の痕跡が鋭く混在した場所が持っている暴力的な部分や、自然の力にはかなわないという優位性について、災害の直後はセンセーショナルに見せつけられます。 でも、時間が経過した後の風景がじっくりと提示される機会は、じつはあまりないんじゃないかと思うんです。この三宅島の写真は、きわめてオーソドックスなアプローチでありながら、人間と自然の対比をとても丁寧に辿ってくれたことで、自然の意味をもう一度考えさせてくれる、時間がたった後だから見えてくる風景なんだと思いました」

いまこうして見ると、ここだけに起きた特殊な出来事には見えなくて、日常生活の中にたくさんある現象のようにも思えます。

「それと、災害から5年が経過してからのこの写真を見ていると、人間が復興を遂げているのはもちろん、自然もまた復興してきていることがとても強く感じられました。この3月に発生した東日本大震災も、将来は、絶対にこのようになっていってくれるものと確信が持てるような気がしました」


宮崎勇太「停まった電車」

引退した電車の車両が展示されている場所に行き、中に乗り込んで撮っている作品です。

「先ほどとは逆にデジタルカメラでなければ表現できない写真じゃないでしょうか。人間の目では見えないほどのクリアさと、人間の目よりもはるかにキャパシティが広いコントラストが特徴的です」
「あまりにも室外がクリアに写っているので、おもしろい効果が得られていますね。室内と室外がコラージュされたように過度に鮮明になっていて、それが見ることの楽しさとつながっているんじゃないでしょうか。しかも、いろんな電車を集めるカタログ化の喜びもあります」

室内が現実の空間で、車窓の外はテレビ画面を見ているようなリアリティのない仮想空間に思えます。

「それが鮮明化と結びついているんでしょうね。窓越しに撮る写真は、感傷的な気持ちを表したり、関心を引きつけたりする技法として、また写真の読み方としてもあったと思うんです。しかし窓越しをクリアにしたことで、この写真は、そうした技法や解釈からかなり切り離された世界をつくりだしています」


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