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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2009 入賞者

第1期展示入賞者
(11月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
プレミオ通信 No.9 プレミオ通信 No.10 プレミオ通信 No.11 プレミオ通信 No.12

FOTO PREMIO NEWS No.10

先日、「フォト・プレミオ2009」第2期締め切り分(2009年2月末)の選考会が行なわれ、4名(7月2名、8月2名)の方が新たに選出されました。今回の受賞者の作品は、どのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにまとめてご紹介します。

刑部信人「comic」

一目見て、この作者のユニークな視点を面白いと思いました。

「構図がとても巧みで、何気ない対象や、比較的小さめのテーマパークなどで見出した景観を抜き書きするように撮っています。とても楽しく見られました。若い作者だとはとても思えないほど、巧みだなと思います」
「日本人は作品にユーモアを込めるというのが、苦手かもしれません。映画でも喜劇が比較的少ないですし、そうした中で、このユーモアのセンスというのは光を放っています」

最近の若い人には、こういうユーモアを見せた写真も多くなってきていませんか。

「意図的にそうしている人はいると思いますが、このような独自の作風はあまり見かけることがないですね」
「作者はそれほど意図的じゃなくこうした写真を撮っているんでしょうが、もともと彼の中にあるセンスが、このオリジナリティを生み出しているんだと思います」


小橋ユカ「どこへ帰る道」

モノクロで夕暮れ時を見せるような暗い調子に仕上げた作品ですが、惹きつけるものがありますね。

「イメージのさまざまな断片によって、見る側の連想を誘ってくるというか、感想を委ねている写真のタイプだと思います。見る人それぞれに、自分の記憶や体験を喚起してくる写真なので、引き込まれてゆくんですね」
「とても日本的なトーンの作品ですね。読者と世界を共有してゆく俳句とか、そういった世界の雰囲気が感じられます。1970年代に確立された日本写真の典型のひとつという感じがしました」

いわゆるコンテンポラリー・フォトグラフィの流れも、日本に独特なものがあると言われましたが、それに共通したところもありませんか。

「そうですね。静謐さとか、端正さとか、そういった部分のことですが、そういう日本ならではの特徴をこの作品からも感じられます」
「たくさんの応募者の中でも、珍しく“湿った”というか、情緒的なイメージを定着させた写真ですね」


「I&I」菱沼勇夫

けれんみのない率直な写真で、ジャマイカという国の風土、色彩の文化がよく表現された写真だと思います。

「旅の写真の場合、ただ何となくその土地へ行って何日か滞在して撮ってきた、というような写真はその土地自体に受身になってしまって、“撮らされてしまう”例が多いですよね。この作品にもそういった部分はあるんですが、海外に行って撮ったというものの中では、きわめて楽しく見られました。単調じゃなく、構図や色や、さまざまな要素に気を使っているからなんでしょう」
「自分の目を強調しようとしないで、対象の世界に引っぱりこまれて撮っているのが、いいと思いますね。それはふつうなら欠点となるところですが、長所に変えているところが素晴らしいと思います」

自分から作っていくのではなくて、対象の世界に身を任せているということですね。

「今回も外国に材をとった写真が多くみられましたが、それらの作品の中では群を抜いてインパクトがありました。よい例、示唆的な例になりますね」
「プライベートな写真ではない、ジャーナリスティックなドキュメンタリーの写真と言えますが、そこにプライベートなテイストを巧みに混ぜ合わせていて、若い人とは思えない上手さがあります」


「南下行」石川琢也

南西諸島を巡って撮られた写真ですが、同じ“南国”でも ジャマイカを撮った作品とは異なる作風ですね。

「非常にプライベートな、作者の気持ちがスッと入っているような写真です。そして“南の旅”らしいとても気持ちのいい写真だなと思いました」
「被写体に寄り添って撮っていると思うんですが、その寄り添い方によって自分自身が写真に出ているんじゃないでしょうか。それほど客観視しようとしているわけでなく、なるべくその土地の人に寄り添いたいという思いを感じます」
「これらの光景を見て、何か思わせられるテーマが作者の中にあったんじゃないでしょうか。この旅を通じて何かを探していたり、1枚1枚の写真に自分の中に返ってくる何かが常にあるんじゃないかという感じがしました」

“引いている”視線にとても好感を覚えたのですが。

「そうですね。家族や友だちではない人たちと、旅の短い間だけど付き合っていく中で、それを少し遠慮がちに見ているところが、この作品の魅力のひとつなのかなと思いました」
「プロっぽくないというか、“ジャマイカ”の作者にある種のプロっぽい上手さがあるとしたら、こちらの作者はもっと自分自身の作品という感じになっていると思います」
「ジャマイカと日本の南西諸島、同じ“南国”を題材にしてもまったく方向性が違って、それは写真を見る側にとってはとてもうれしいことですよね」


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