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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2007 入賞者

第1期展示入賞者
(12月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.4

先日、「フォト・プレミオ2007」第4期締切分(8月末)の選考会が行なわれ、新たに6名(2008年1~3月の各月2名ずつ)の写真家が選出されました。各選考委員が作品を選んだ際のポイントなどを中心に、選考会でのコメントをダイジェストでご紹介します。

倉谷 卓「淵」

こんな場所が世界のどこにあるんだろう、と思わせる空間を写真にしています。

「自然と人工物が共存する場所というコンセプトに基づいて、かなり明快に撮っていて、その明快さがいいと思いました。自然と人工物の共存というテーマを、特定の場所から切り離された抽象的な空間として表現しているところが面白いですね」

言葉でシンプルに形容できない映像にしているところが魅力になっています。

「写真を見ていて、私たちの身のまわりの構築物が、構成的な作り方をされるようになってきたと感じました。いわゆる日本的な造作ではなく、これまで外国の写真や映画の中で見てきたようなものに傾いているというか…。作者本人もそれを直接テーマにはしていませんが、そうした発見がこれらを撮り続けてきた潜在的な意識になっているんじゃないかと思います」


朝海陽子「Sight」

自宅で映画を見ている家族や友人の、その光景を写しとめた作品です。

「写っている室内空間とそこに住んでいる人たちが、私たちが日常見ているものと違う、独特な印象があって面白いと思いました。住んでいる人たちの表情がとても魅力的です」

細かいところまで見て楽しめる映像になっているところが興味深いですね。

「プライベートな空間を見る楽しみがあると思います。上品な“のぞき趣味”を満足させるというか…。どんな暮らし方をしているのか興味が湧くのも、細部の面白さが際立っているからだと思います」

「“ビデオで映画を見ている”というコンセプトがあるおかげで、映像に深みが出ているんじゃないでしょうか。撮られていることを意識せず、視線がそれていることで、よりリアルになったと思います」


大山未来「天地豊饒の村 ― カンボジア・ルング村 ―」

いい意味で手堅いというか、正攻法の視線で撮られた作品ですね。

「地域文化が必ず持っている個性が見えて、なおかつカンボジアの現在の姿が生活の端々から見えてくるところが興味深いですね」
「絵に描いたような田園というイメージに当てはめようとしていないですね。美しい風景を探し回って集めてきた感じがなくて、あくまで行った先で目に入ったものを忠実に撮っているところに好感が持てました」

視線が素直と言うんでしょうか、クラシックですね。

「細部を見ていくと意外な発見があります。勉強部屋のような場所のプラスチックの椅子が、竹でできた涼しげな床に置かれているその対比とか、偶然に入り込んだ細部が雄弁に語りかけてくるところがあって、それは、やはりストレートに撮っているドキュメンタリーだから発見できるのだと思います」


山田夏樹「優しい闇」

水中写真でありながら、いままで見たことのない写真に仕上がっています。

「写真を見るとき、通常は頭に浮かぶイメージの雛形と比較して物を見たりしますが、この写真の場合、比較する対象があまり浮かんでこなかったのが新鮮でした。水中写真というよりも、従来の写真にない、類型化していない写真として好感を持ちました」
「水中写真としてではなく、ひとつの表現として見ると、写っているものの形が面白いですよね。普通の場所ではできない形をピックアップしていて、海という場所の特性が生かされた表現だと思います」

“しっかり写らない”という部分が、トイカメラの面白さにも通じるような…。

「水中写真になっていない、スタイルにはまっていないところが面白く、魅力なんだと思います」


村松愛朗「フラツキ・ハイデラバード」

インド南部の州都、ハイデラバードで撮られた写真です。

「この方は、色に反応してシャッターを押していると思いますが、同時に形や雰囲気などの要素も引き連れてきていて、それが見たこともない映像につながっているんだと思います。かなり好奇心を持って街を歩いているというのが、うまく伝わってくる作品ですね」
「自分の目にスッと入ってきたものを、目でズーミングするような感覚で、それを中心に据えて撮っていると思います。しかし、写真はその周辺もとらえてしまうので、結果としてさまざまな要素がプラスされて奇妙な面白さにつながったと思います」

自分だけのハイデラバードを作ったという感じがしますね。

「自分が見て感じたインドを素直に撮っているから、いわゆるインドの写真のパターンにはまらないものになって、新しい魅力が生まれているんじゃないでしょうか」


大谷 佳「concrete ph」

写真点数も多く、たいへんパワフルな作品です。

「街のパワフルさよりも、作者の内面のパワフルな部分が投影されているのではないでしょうか。作品全体が現実ではなくどこか比喩化されたものとして構成されているように感じました」

確かに、私たちが街を歩いていてもこうした世界は見えてこないと思います。

「基本的に“形”に興味がある人だと思います。社会的な文脈での都市よりも、街の骨格がどうなっているかを見たくて、それが自分の心情とシンクロする瞬間をとらえることに楽しみを見出している感じがします」

そのときに中判カメラとモノクロフィルムが強力な味方になっているという…。

「そうですね。こうした作品はモノクロでこそやる意味のあることで、まさにモノクロの写真じゃないとできないものだと思います」

今後はそうした、カラーならでは、モノクロならでは、という作品が増えてくることにも期待したいですね。


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