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プレミオ通信

フォト・プレミオ 2007 入賞者

第1期展示入賞者
(12月末締切)
第2期展示入賞者
(2月末締切)
第3期展示入賞者
(5月末締切)
第4期展示入賞者
(8月末締切)
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FOTO PREMIO NEWS No.3

先日、「フォト・プレミオ2007」第3期締切分(5月末)の選考会が行なわれ、新たに4名(10月2名、12月2名)の写真家が選出されました。今回の入賞者の皆さんは、どのような点が評価されて受賞に結びついたのか、また、各選考委員が作品を選んだ際のポイントなどもあわせて、いろいろと語っていただきました。ここでは選考会でのコメントを、ダイジェストでご紹介していきます。

平松伸吾「華やかな街の中へ」

いままでに見たことのないような写真が撮れているように思いますが、いかがでしょうか。

「チャイナタウンをテーマにしたところがよかったんじゃないでしょうか。どんな国へ行っても、比較的大きな都市であればチャイナタウンがあります。そして、そこには必ず中国系の人たちが住んでいて、中華料理店があって、という独特な雰囲気がありますから」
「テーマとして筋が通っていますよね。その中でも、アジアの中国人街を捉えているのが、ちょっといままでにない印象で、驚きました」

文化の違う自分の知らない世界を見せられているというか、見ていたはずなのに全然見ていなかったものを、あらためてこの写真で見せられているような気がしてならないのですが…。

「それはありますね。あと、複数の作品を拝見していて、視点の軸がしっかり通っているところがいいと思いました」


竹下太郎「望郷」

こちらの写真家はいかがでしょうか。

「作者が、なぜ“望郷”というタイトルを選んだのかがわかる気がします。どこかノスタルジックな感じが作品に漂っていますよね」

これらの写真はフィリピンで撮影されたそうです。

「通常ですと、このタイプのものはドキュメンタリーだったり、旅行記的だったりしますね。しかし、今回の作品はそのどちらにも分類しにくいような、とても自由に撮られたものだと感じました」
「帰るべき場所を自らが作り上げなければならないような、コスモポリタン的感覚が写真家の資質のひとつだとすると、この方がテーマにしている“よその土地にノスタルジーを感じる”というのは、わりとオーソドックスな写真家ならではの感情じゃないかと思います」

それから、事前にはっきりとしたビジョンがあって、作品づくりをしているなと思いましたが。

「そうですね。自分のビジョンがまずあって、そこから他者との出会いを通して、作品化されているなと感じました」
「うまい具合に自分が想定した世界を、小説のように描けているというか、自分の抱いているイメージと被写体とがうまく合致していると思います。そういう被写体に多くめぐり会えたことは、とても幸運なことなんですが、やはり、自分のイメージがしっかりしているからこそ、撮るべきものを探せているんだろうなとも思いました」


John Sypal「The difference between」

外国の方が捉えた「日本」ということですが、どんな感想を持たれましたか。

「視線の在りようが、そもそも日本の写真家とは違うと思いました。被写体の選び方も、日本人であれば見過ごしてしまうようなところに目を向けている気がします」
「“目に映る現実とカメラに写る現実とは違う”という言葉を思い出しました。それは、どちらが本当の現実かということではなく、写真がもうひとつの現実の可能性を見せてくれることを言っているんですけど、そういう写真の面白さをこの人自身が知っているんだろうと思います。この写真家に限らず、レンジファインダーのカメラを使う人は、みんなそうした写真の楽しさを生理的にわかっていて、それで、撮ることを面白いと感じているんじゃないかなと思うんですよ」
「パッと、面白い!と思ったものをどんどんと撮っていくような、スナップの原点というか、運動感覚も感じられて面白いと思います」

スナップを撮るのがむずかしいと議論される昨今ですが、それを感じさせず、とにかく“スナップって楽しい!”と感じさせる作品ですね。

「そうですね。たくさん撮ったあとに“さあ、帰って現像して選ぼう!”という、アナログのカメラならではの楽しい雰囲気が伝わってきます」


小林知恵「血の濃いところ」

たいへんユニークなタイトルです

「いまの日本の、地方にある伝統的な“家”の存在を、これらの作品から強く感じます」
「4×5サイズの大型カメラを使っていて、人物がブレて家だけがしっかり写っているため、“家”が強調されているんでしょうね。不思議なんですが、どこか建築写真のような趣も感じられます」
「写真だから、声が聞こえないし、匂いもしない。さらにモノクロという表現手段を選んでいるために、とてもニュートラルというか、生々しくない作品に仕上がったんだと思います」

どこか、あっけらかんとした印象もありますが。

「家族の日常を撮っていくと、どこか悲劇的なものを暗示させることがありますが、ここではそうした要素が薄いけれども、きちんと等身大の“日常”をとらえた作品として成立していると思います。あと、なにより細部がきちんと写っているところが魅力ですよね」
「いい意味で“よそ行き”にならずに、人間味が出ていて好感が持てました。本当の日常が写っているという感じです」
「4×5のカメラを、まるでデジカメのように使って撮っている感じがします」

タイトルと同様、とてもユニークな感覚ですね。今後、こうした写真家や作品が増えてくると、フォト・プレミオもさらに活気ある賞になっていくと思います。


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