KONICA MINOLTA

KAGUYAプロジェクト

MICHICAKE by KAGUYA PROJECT

MICHICAKEは、PMS(月経前症候群)のお悩みを
サイエンスとセルフモニタリングの視点からサポートするメディアです。


PMS(月経前症候群)とは?

月経前になると、下腹部が張ったり腰が痛くなったりする、胸が張ったり痛みを感じたりする、頭痛、めまい、肌荒れ……こんな症状を感じたことはありませんか? よく、「生理前になるとイライラする」と表現されるようなココロの症状をふくめ、月経がある年代の女性のうちおよそ7~8割の人が、何らかの違和感や不調を月経前に感じているのだそう。それが生活上困るものでなければ「生理的な変化」、つまり月経が近づいているサインだといえます。不快な症状のために生活に支障が出るような状態を「PMS(月経前症候群)」と呼び、およそ2~4割の女性が経験していると考えられています。

PMSの症状例

ひとくちにPMSといっても、現れる症状は人によってさまざま。京都大学が女子学生を対象におこなった「月経周期に関連する症状の調査」(2012)によると、月経前に感じるココロとカラダの症状としては、次のようなものが挙げられました。

月経前のこころの症状・月経前のからだの症状

カラダに現れる一部の症状は鎮痛剤を飲むなどで緩和することもありますが、ココロの症状に関しては相談先が見つからず、ひとりで悩んでいる人が多いようです。私たちがおこなったインタビューでは「普段だったら流せるような些細なことが気に障って、イライラしてしまい、後から自己嫌悪におちいる」「卵が上手に割れないことすら気にかかり、取り乱してしまったことがある」と話す人もいらっしゃいました。

PMSの症状はココロとカラダへの影響だけではなく、「集中力・作業効率の低下によっていつもの仕事ができなくなる」「だれとも会いたくない、話したくないと感じる」など、本人の社会的な行動にも影響を与えます。そのため、月経を経験する女性の「QOL(Quality of Life:生活の質)」に大きく関わる問題ですが、疾患としての認知度はまだ十分とはいえない状況です。

※症状の感じ方は人それぞれで、実際に症状が出ていたとしても本人がつらさを感じていないのなら問題はありません。月経前の感覚や変化を「もうすぐ月経がはじまる合図」または「卵巣がはたらいている証拠」とニュートラルに、あるいはポジティブにとらえている人もおられます。不快な症状が日常生活や社会生活に悪影響を及ぼしている場合は、ケアや治療の対象になります。

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PMSの診断はまず自分が気づくことから

PMSと診断されるのは、「日々の症状を自分で実際に記録してみて、1つ以上の症状が月経前に現れ、月経開始後に軽くなっていくというパターンが2周期以上確認できた」場合。つまり「“いつも月経前に症状が起こる”というのが自分の思い込みではなくて事実かどうか」を記録によって確認することが正しい診断につながります。PMSは何らかの検査の結果で診断されるというものではないのです。

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PMDDはPMSのうちココロの症状が非常に重い状態

PMSの中でもとくにココロの症状が重く、日常生活や社会生活に非常に大きな支障をきたすものは「月経前不快気分障害:PMDD(premenstrual dysphoric disorder)」とよばれます。これはPMSと異なる病気ではなく「PMSの重症タイプ」と考えられています。精神医学の診断上は「うつ病関連疾患の特殊なもの」ととらえられており、おもに精神科や心療内科で治療されます。レディースクリニックや産婦人科でPMDDと診断された場合は精神科・心療内科に紹介されたり、そちらと連携して治療をされたりすることもあります。

PMSもPMDDも基本的には「月経が始まるとラクになる」病気です。もしも月経前が特につらいが月経後も症状がなくならない状態が毎月続くなら、うつ病や不安障害などのココロの病気が潜んでいる可能性も考えなければなりません。精神科やその他の領域の基礎疾患が月経前に特に悪化することがあることも知られており、それは「(基礎疾患の)月経前増悪:PME(premenstrual exacerbation)」と診断されます。そのような場合は、医学的にはあくまでも基礎疾患に対する治療を優先するという方針になっています。

ですから、もしココロの症状がとても重い場合や月経前の時期に限らず持続している場合は、精神科や心療内科に相談することをおすすめします。

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月経周期にともなうカラダの変化、PMSの現れる時期

月経周期にともなうカラダの変化

女性のカラダには排卵にともなう、約一カ月のリズムがあります。「妊娠しよう/妊娠したい」いう気持ちのあるなしにかかわらず、上の図に描かれている営みをたゆみなく続け繰り返しています。PMSはこのような排卵をともなう健康な女性の変化の中で、排卵から次の月経までの間の黄体期におこります。そう、PMSの女性は卵巣に病気があるのでもなく卵巣の働きが悪いのでもない、むしろ排卵できていて女性ホルモンもちゃんと分泌されている方なのです。

A:卵胞期 卵巣内では卵胞(らんぽう)という卵子を含む袋が排卵の準備をするために成熟していきます。卵胞はホルモン(卵胞ホルモン;エストロゲン)を分泌しながら卵子を育てます。エストロゲンは全身的に影響を及ぼしますが、子宮では月経によって一旦はがれてしまった内膜を再生し厚くしていきます。
B:排卵期 卵胞が十分大きくなり、その中の卵子も成熟し、エストロゲン量がピークになるとその信号を受け取った脳下垂体がLHというホルモンを大量に放出します(これが排卵指令であるLHサージ)。その結果、卵胞が破裂し、卵子が飛び出します。卵子は卵管に取り込まれます。
C:黄体期(PMSが起こる時期) 卵巣では排卵後の卵胞が黄体に変化して黄体ホルモンも分泌するようになります。エストロゲンに黄体ホルモンの作用が加わることによって、子宮では受精卵(赤ちゃんになる卵)が子宮内膜に着床できるような環境が整えられます。つまり子宮内膜は受精卵のために栄養をたくわえ、排卵から1週間後には卵を育めるようなフカフカな状態に。
D:月経期 排卵後に受精や着床が起こらなければ、黄体のはたらきはおよそ2週間でなくなり、ホルモン分泌の低下とともに一旦準備された子宮内膜は崩れてはがれ落ちます。つまり月経とは、排卵後に妊娠しなかった場合に子宮内膜がきれいにはがれて出てくること。

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PMSの原因は?

PMSは黄体ホルモンが分泌されている黄体期にあらわれ、黄体ホルモンがなくなる月経期には和らいでいくものですので、黄体ホルモンは症状に何らかの影響を与えているものだと推測されています。でも、血液中のホルモン量とPMSの症状や程度との間には直接の関係はないこともすでにわかっています。つまり月経周期の中でホルモン状態が変動することにPMSは関係しているけれども、「女性ホルモンの過不足」「ホルモンバランスの悪さ」がPMSの原因とは言えないということ。これまでの研究成果からPMSが起こるメカニズムや有効な治療法の一部はわかってきていますが、PMSのすべてを説明できるような学説は今のところありません。少なくとも症状に影響を与える要因は一つではないと理解されています。つまり、生物学的な要因だけではなく、性格やココロの反応の傾向、食生活の偏り・運動不足・たばこなどの生活習慣、環境や対人関係のストレス状態なども症状のあらわれ方に影響を及ぼしているようです。

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PMSかな?という意識から!

まずは自分のココロとカラダに意識を向けて、あるがままの自分へのいたわりの気持ちをもち、自分への気づきを大切にしましょう。「これって、ひょっとしてPMS?」・・・そうかもしれないし、そうでないかもしれません。けれどもPMSの場合、月経周期に伴う自分の変化に気づくことが、PMSのつらさから解き放たれる第一歩なのです。それは「なりたい自分に近づいていく」第一歩にもなるかもしれません。

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