太陽電池 計測カレッジ

I-V測定 - 変換効率を算出する上での測定手段 -

太陽電池の研究開発を進めていく上で、必ず目にするのはI-V曲線のグラフです。I-V特性から太陽電池の重要な性能を表す「変換効率」を求めることが可能です。

下図はI-V曲線の概念図です。(図1)
電圧が0V時の電流は短絡電流(short-circuit current=Isc)といい、太陽電池に電流が流れていない時の電圧を開放電圧(open-circuit voltage=Voc)と呼びます。
バイアス電圧を変化させながら、電流を測定します。得られたデータをプロットすることにより、図のようなI-V曲線が得られます。
この太陽電池から最大の電力を取り出すには、電圧と電流の積が最大になる点、「最大出力(Pmax)」で動作させることが必要となります。太陽電池の変換効率は、この最大出力を入射光強度で割った値で示されています。
また、最大出力(Pmax)をVoc×Iscで割って得られる値を1に近づけるようにすることが、太陽電池の面積を大きくせずに、性能を上げる上で重要になります。このPmax/(Voc×Isc)を曲線因子(Fill Factor, FF)といいます。
このように、太陽電池の開発では、Voc、Isc、Pm、FFをいかに大きくしていくことが性能向上の重要な指標になっています。なお、Iscを太陽電池の受光面積で割った短絡電流密度(Jsc)を用いると、太陽電池の変換効率(%)はJsc(A/cm2)×Voc(V)×FF(%)の値を入射光強度で割って求めることも出来ます。

I-V曲線概念図 図1:I-V曲線概念図

IV測定評価をする上での必要条件

基準条件(=STC(Standard Test Cell conditions)条件)

AM1.5G
(air mass 1.5G)
地表に垂直に照射する場合をAM1とした時、斜め約42°で照射する条件がAM1.5です。太陽からの直接光のみを考慮する条件をAM1.5D (direct)、散乱光も考慮する場合をAM1.5G (Global)といいます。一般的には、AM1.5Gが使用されています。
1SUN
(1000W/m2
AM1.5Gにおける放射照度量をいい、1000W/m2となります。通常は1SUN(ワンサン)といいます。
25℃ 国際規格では被測定物の温度を25℃環境下で測定することを規定しています。

IV測定評価をする上での必要測定機器

▪ ソーラーシミュレーター

自然太陽光スペクトルに近似させた擬似太陽光を照射する装置です。

▪ ソースメーター

太陽電池に印加するバイアス電圧を変化させ、電流を測定する装置です。IV特性を調べる上で必要な装置です。

▪ IV測定用ソフト

PC上で簡単にIVカーブ、変換効率が求められます。ソーラーシミュレーターのシャッターの開閉をソフト上で制御できる機能もあります。

温度コントローラー

STC条件である、25℃を保つための温度調整装置です。

▪ 基準セル

ソーラーシミュレーターの照射量放射照度を1SUNに調整するための装置です。

▪ 分光放射計

ソーラーシミュレーターのスペクトルを観察するための装置です。自然太陽光に対して、スペクトル合致度を判定することが出来ます。

  • 太陽電池の変換効率を求めることは性能評価に必要な要件です。
  • 変換効率は太陽電池のI-V測定をすることで求められます。I-V測定には規格に準じた適正な測定装置を使用する事が必要です。

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